この古いクラウン製トランジスタラジオ HT-70の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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天気が思わしくなく、草刈りなどの農作業ができません。こんな時はいつものように、古いラジオの修理をします。ラジオそのものが好きなのではなく、あらゆる知恵を総動員して、どこが故障しているか探して直すことが好きなのです。さて、低周波増幅器が故障していることが分かっていたため、今回はこの回路を直すことにしました。
音声を増幅しない前段部の低周波増幅回路 A,B,C:電解コンデンサ
ラジオの低周波増幅回路の故障は、電解コンデンサが原因であることがほとんどです。上画像のA,B,Cが電解コンデンサです。電解コンデンサの役割を大きく分けると、結合コンデンサ,バイパスコンデンサ,そして平滑コンデンサです。今回は、結合コンデンサ(上画像のB)の容量が低下していました。そこで、このコンデンサを正常なものに取り替えました。
丸は結合コンデンサの裏側部 紐を引っ張り、基板部を全露出
コンデンサを取り替えるにあたって、チューニングダイヤルを回す紐が干渉することが分かりました。紐が干渉しないように、紐を銅線で引っ張りながら故障したコンデンサを基板から外すのです。紐に当たらないように、半田ごてを基板にあてて半田を吸収しました。そして、故障したコンデンサを取り外しました。
紐を引っ張りながら、故障したコンデンサ(B部)を基板から外す
事前に正常なコンデンサをストック品から探しておきます。なお、電子部品のストック品は私が高校生の頃から少しずつ集めていたものです。ほとんどが、古い基板から外したものです。これらの部品がいつかは役に立つだろうと、漠然とした気持ちで長年ストックしておいたものです。数十年後の今、まさに役に立っています。
私が高校生の頃から少しずつストックし続けたコンデンサ類
さて、故障したコンデンサを取り外すと、入れ違いに正常なコンデンサを挿入して半田で固定しました。電解コンデンサの+-を間違えないように固定しました。これで、音がだいぶ大きくなりました。ただ、それでも音が小さいことに気が付きました。まだ、故障している個所があるようです。
容量低下したコンデンサ 正常なコンデンサ 交換後の増幅回路