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桜と絵本と豆乳と

授業づくりネットワーク集会に学ぶ…その2

2005年08月14日 | 雑記帳
「今度のネットワークの集会の模擬授業では
 『うとてとこ』を頼まれてねえ。」
と野口芳宏先生ご本人からお聞きしたのは、7月下旬だった。

「授業成立の基礎技術」を大きなテーマとした今回の大会に
ふさわしいと実行委員会の方々に頼まれたのだという。
それにしてもあまりにも著名な実践であり…あの展開ができるのだろうか…
そんな心配は杞憂に終わり、詩そのものを知らない参加者を生徒に見立て
模擬授業は多くの目に見つめられながら始まった。

何度も文献を読み、ビデオも視たことがあるこの詩の指導だが
参観者の私たちにとっては、やはり新たな発見があり、納得に満ちたものだった。
思いつくままに挙げてみよう。

まずは圧倒的に上手な解説。特に学習活動を印象的な言葉で命名して
意義付けていくことは、野口先生ならではのことだろう。
今回、思わず声を出して笑ってしまった(驚きの意味である)のは
文脈アタックという言葉。
前の席に位置どっていた上條晴夫先生も思わず振り向いたほどだった。

緊張と期待を持たせながら授業に参加させていく手法は
定番の「○か×か方式」だけではなく、
この教材で扱われた「巻紙法」という教材提示法や
個々の発言を受け止めて切り返すという「受け」の巧みさに
支えられていることを改めて強く思った。

教材や主な展開を知っているからこそ見えたことも多い。
授業後の討論はやや時間足らずで不満は残ったが
この『うとてとこ』をリクエストした関係者の慧眼に敬意を表したい。

「人間にとって一番大事なのは変わることだ」
幾度となく聞いているはずの野口先生のこの言葉は
今回の模擬授業の中でも、また新鮮な響きを持って
自分の心に飛び込んできた。