すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

可能性のよき断念

2008年02月11日 | 雑記帳
 僕が一握りの成功者が「頑張れば夢はかなう」と言うのは傲慢だと思っています。多くの人が前向きに生きるには、可能性のよき断念こそ必要ではないでしょうか。


 脚本家山田太一の言葉である。
 主たる読者層が三、四十代であろう「日経ビジネスアソシエ誌」のインタビュー記事に載っている。
 
 目標設定を限定していくことの重要性と置き換えてもいいかもしれないが、単にそれだけではない気がする。
 そもそも人間の「容量」とは無限のものではないだろう。それは能力開発や力量向上といった方向性を持って努力し続ければ、爆発的に大きくなるものでもない。私のようなとうが立った人間が言えば、単なる諦めのように聞こえるかもしれない。しかし、これは自己反省でもある(だから、諦めでもあるか)。

 要は、可能性をどこから見つけるかということではないか。
 目の前のこと。それもごく小さなモノや身近なコトから見つけられるか…ということ。
 そのためには、目前のことで全力を尽くす姿勢が必要だし、また自分のこだわりを持って接していく頑固さもほしい。その継続があれば、何も夢がどうだの目標がどうだの、考えることに振り回されないだろう。

 ただ、今私たちが暮らしている情報が肥大化している社会では、自分を抑制することなしには、それはかなり困難だ。「誰にも可能性がある」「チャンスはきっとくる」と毎日耳元で囁かれているのだから…。

 野口芳宏先生は「絶縁能力」という言葉をよく口にされる。
 それが「可能性のよき断念」を実現する力だ、と改めて気づく。