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四つの原則で進む

2008年02月22日 | 教育ノート
 PTA文集に寄稿した文章である。
 時々忘れそうになる大事なことを、もう一度かみ締めるいい機会となった。


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 「四つの原則で進む」

 今年は、五年生の図画工作指導のお手伝いをすることができました。
 学級担任を外れてからも算数や国語などの指導は幾度も機会があったのですが、図工というともう十数年ぶりになります。自分自身は器用さや芸術的センスと無縁な人間ですが、図工には多少の興味を感じていました。
 それは教員になってから出会った「キミ子方式」「酒井式」と言われる描画指導法のおかげだと考えています。

 後者の「酒井式」は、その主宰者である酒井臣吾先生の直接指導を数回受けた経験があります。横手にも幾度かおいでになったことがあり、当時まだ小学生だった下の娘と一緒に講座を受けたこともありました。絵に興味があるとは言えなかった娘が「あっという間だった」と呟いた五時間ほどの描画指導は今でも忘れられません。
 その指導法には細かい約束事があり、指導のシナリオがある題材も豊富ですが、五年生の授業で直接取り上げたのはほんのわずかでした。時間の制限があるなかで中途半端になることを避けたかったからです。
 しかし、その指導法の芯のようなものは、絶えず言っていたような気もします(子どもの心に届いたかどうかはまた別ですが)。

 酒井式指導の原則は、次の四つです。
①踏ん切る(見切り発車をおそれない)  
②集中する(かたつむりの速さで線を描く) 
③「良し」とする(結果を肯定する)   
④それを生かす(間違いもプラスの方向へ)
 
 授業であまり鉛筆を使わせずペンで描かせることが多かったのもそのためです。「慎重に、しかし失敗を怖れず、完全でなくてもいいから進んでいく、間違いもおもしろい形や色になることだってあるよ」…この描画指導の原則は、実は学習や仕事などの日常にも当てはまるのではないか、とある時気づいたことがありました。
 迷いが出たとき、このどれかを思い出すと楽になるかもしれません。

 さて、本校の今年度はどんな線や色で描かれたでしょうか…そこから、また始めていくのです。
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