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目的地へ行くための目標値

2008年08月18日 | 読書
 かつて「必達目標」を掲げる学校経営に取り組んだ吉永順一氏はこう書いた。

 数字の良さは解釈が一つしかないことである。 

 目標に数値を入れて文章化する難しさはあるが、同時に経営や実践の評価として大きな有効性を示していると私はとらえた。
 いくつかアプローチを試みているが、正直徹底できていないもどかしさを感じている。これはやはり自分自身の経験や勉強の浅さに起因しているのだろうと思う。

 注文して書棚に横になっていたままの『数値目標が学校を変える』(小堀道和著 学事出版)を今日読み終えた。

 民間人校長と言えば、中学校・高校のみがクローズアップされていたが、ようやく小学校校長職の書籍が出た。
 第一章のテーマは「給食」であり、体制・運営に大きな違いがあるので直接的に参考になるとは言い難いが、そこに表れている精神については共感を覚えた。
 それは、常に「できない理由を考える」ような文化からの脱却であり、「どうすればできるかを考える」意識の向上へネジを巻きなおしてみることであった。

 目的と目標の違い

 この点についても改めて認識させられた。「目的地」と「目標値」という言い方の違いがわかりやすい。そして目標の項目を「結果系」と「要因系」に区別し、

 学校文化は意欲向上という面を考慮すると要因系が特に大切かつ重要である

という指摘にも納得した。

 何が結果で何が要因かをあまり明確にしていないのが学校教育の場である。例えばテスト点数を取り上げてもどちらと捉えるか見解に相違があるだろう。
 しかしそれを乗り越えて、「教育はすぐには結果が見えないものだから」といった言い方に甘えないで、「目的地」を定めそのために必要な「目標値」を設定してみる…それが自分自身の求める「結果」につながるのだと思う。