すぷりんぐぶろぐ

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人物を掘り続ける男

2009年09月25日 | 雑記帳
 この連休は初めに野球大会相撲大会の応援があるだけで、あとはフリー。読書以上に進んだのが、録画していた番組の処理である。

 映画や流行りのお笑いや落語なども含めて、まあまあ飽きるほどに視た。

 その中で印象深い番組がいくつかあったが、NHKプロフェッショナル仕事の流儀・漫画家井上雄彦の回はなかなかであった。

 スラム・ダンクもバガボンドもちらっと読んだことがある程度で、けしてファンとは言えないので、強い興味があったわけではないが、漫画というかキャラクターに対する入れ込みが尋常でないことが、映像の端々から感じられた。

 スタジオのキャスター茂木がいつにもなく沈黙が多いような気がした。それ自体編集ということなのだろうが、今まで視聴した回とは違って見えて、茂木が必死にその表情から内面を探ろうとしているようにも思え、興味深かった。
 茂木のブログを見てみると、こんなことが書いてあった

 掘り続ける、というイメージが湧いた。

 人物を掘り続けるということは、結局自分自身にぶつかること。自分の強さ、弱さ、美しさ、醜さ…そのわずかな存在も見逃さずに筆入れをしていく作業。その苦しみの連続に耐えられるというのは尋常ではないのだなあ、と思う。

 人物の表情にこだわる井上をかなり追いかけて制作したディレクターの意図も伝わってくる。

 「たかが漫画」というべきものも多いが、対極にある姿だと思う。