すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

今ある脳回路を生かす

2009年09月03日 | 読書
 前から気になっていた本だった。

 英会話には縁がないしなあとためらっていたが、「はじめに」を読んだら何だか面白くて、つい買ってしまった。

 『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』(池谷裕二著 講談社)

 いやあ、今をときめく脳科学者が英語が苦手だったとは、そのこと自体が少し意外な気がしたし、またそこから這い上がる過程の頭の使い方はさすがだと思ったし、何よりこの潔さ。それも脳科学のエキスパートが言うのだから、重み?が違う。

 どうせ、私たちには英語発音するための脳回路がないのだから
 
 実践編を読んでも練習する自信がまったくないのだが(やる気がないということか)、意識改革編だけを読んでも十分に刺激的だ。

 初心者に難関といわれる「B」と「V」の発音が、仮に練習して上手だとネイティブの人に誉められたとしても、自分の発したBとVはまったく同じに聞こえるはず、脳回路はBとVを聞き分けられない…という箇所は、ショックでもあり、安心でもあり。

 9歳の壁 

 音声言語の習得に関するこの事実は、今まさしく始まっている小学校における外国語教育に大きな枠があるということを示している。それを知れば逆にねらいが絞られるとも言えるだろう。

 日本語の発音数が少ないので、同音異義語が多く、従って想像しながら聞く力がつくのだ、というところもなるほどの展開だった。

 言葉が人をつくるのだなあと思わず大きなことを考えてしまう。