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子育ての極意本

2012年04月24日 | 読書
 『すこしの努力で「できる子」をつくる』(池田清彦 講談社文庫)

 子育て世代にとっては,魅力的なタイトルである。
 やり直しのきかない齢の者にとっても,興味深い内容だった。

 三つのキーワードをピックアップすれば,次の通り。

 ①臨界期

 ②ミラーニューロン

 ③大人の「楽」


 臨界期がこの本の骨格になっている。
 これは自分がずっと以前から気にとめている「発達段階と教育課程」と重なるし,もう少しじっくりと考えたい気にさせられた。
 と言ってもなかなかやらないテイタラクです。

 ミラーニューロン,これは乳幼児期に大切なことだが,学童期でも同じではないかと考えた。
 この考えがいわゆる「上機嫌」の発想につながると確信した。マガイモノと言うなかれ,すべては真似から始まる。

 大人が楽しむ,三つ目が一番難しく,一番根本になるような気がした。
 いくら理論を知っても,それを,「楽」しんで,「楽」に実行できなければ,根本のところは伝わっていかない。
 もちろんそのことで力む必要はないのだが,肩の力を抜いて…時々でもいいから,と思うことが肝心だ。

 各章のまとめとして「×やってはいけないこと」や「◎やるべきこと」等々が具体的に記されていることが,わかりやすい。
 時には「◎やるべきこと」が「特になし」と書かれてあるところが,特にいい。
 こう考えられることこそ,子育ての極意であろう。