すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ダニエルの言葉が沁みる季節

2012年11月16日 | 雑記帳
 地域の方が、『葉っぱのフレディ』を高学年に読み聞かせてくれていた。
 ああ、懐かしいなあ、この季節にぴったりだからなあと思った。

 終わった後もひとしきりその話題をして、帰宅してから書棚を探してみた。絵本はごくわずかしかないので、すぐ探せた。
 後付けをみると、発行の翌年1999年に買ったようで珍しく日づけをも入れている。
 「11.9」とあった。

 もう廃校となりその名前ではないが、統合校舎として今も残っている山の小さな学校で、5,6年生に読み聞かせたことがあった。

 改めてめくってみると、ああここが好きだったと思いだした。
 フレディの親友であるダニエルの言葉だ。

 「生まれたときは同じ色でも いる場所がちがえば 太陽に向く角度がちがう。風の通り具合もちがう。月の光 星明かり 一日の気温 なにひとつ同じ経験はないんだ。だから紅葉するときは みんなちがう色に変わってしまうのさ。」

 なんとなんと。
 歳を重ねれば重ねただけ、沁みてくるような言葉ではないか。
 そう言えば、森繁久弥の朗読CDもあったはずと探したが、見つからなかった。


 朝、国道から学校へ入る桜並木は、紅葉の時期を過ぎかなり葉を落としている。
 その落ち葉も見ていると、当たり前だが一つ一つ形も色も違っている。

 この後、風に吹かれ、雨に打たれ、細かくなって、土に還っていくのだろうか…などとしばらく見ていたら、校舎に入る間際に同僚に何をしていたか尋ねられた。

 「濡れ落ち葉に我が身を重ねて…」と寂しく笑ってみせたら、「またあ」と笑い飛ばされた。

 落ちて濡れて,なお,魅せてくれる造形はあった。
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