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ソウスレバ、言い訳しよう

2019年12月09日 | 雑記帳
 土曜日「あきたふるさとCM大賞」を観た方が「『そうすれば』が秋田弁だと言われたことに驚いて、その後のCMのなかみが頭に入らなかった」と、笑えるような笑えないような感想をツイッターに挙げていたと娘から聞かされた。発案から構成、シナリオ、編集まで担当した者としては、これは少し書いておきたい。



 作品前に流されるメイキングビデオで、こんなことを説明シナリオとしてスタッフの一人に語ってもらった。「秋田県人が、秋田弁と意識しない秋田弁。それが『そうすれば』です。意味は『そうすると、では、そのためには、そういうことで』などたくさんあります。たくさんの魅力ある羽後町にふさわしい言葉です」。


 通常使われる「ソーシェバ、シェバ、ヘバ」もパネル化して付けた。厳密に言えば「そうすれば」は標準語であり、その意味が多様化しているという事だ。私達がほとんど気にしないその多様な使い方に、戸惑っている人は確かにいた。きっかけとなったのは、かつて秋田大学にいた言語学の日高先生の文章であった。


 今調べ直すと、『秋田のことば』の中に「秋田のことばあれこれ」というコラムで載っていた。秋田に引っ越してきた県外者は「さまざまな手続きの中で、『ソウスレバ』に戸惑う」ことを書いている。標準語では「仮定条件」つまり前言の行為等を引き継いで使われるのが普通だが、秋田では単に接続詞としても使う


 一般の方のブログにもあった→「べこ夫婦の釣りバカ日記」。日高先生は秋田弁の特徴として「バ」の表現多用を挙げていて、「方言的な表現を標準語風に変換して作りだされた『疑似標準語』」と示している。代表例は「そうすれば、さようなら」。この使い方の許容度が本県は高い。「そうすれば」だけでも別れられる。