すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

M-1を真面目にみた

2019年12月25日 | 雑記帳
 ここ数年、少しマンネリ感を持って眺めていたが、今年は見応えを感じた。なんと言っても決勝に進出した三組のユニークさが際立ったと思う。優勝のミルクボーイは、ワンテーマで繰り返す形態を見事なツッコミで展開してくれた。「コーンフレーク」「最中」を、多様な解釈とアピールに仕立てた上手さが光った。


 コラムニストの堀井憲一郎は、専門的な視点で落語としても通ずると絶賛していた。脚本だけでなく、タイミングや間など下積みで培ってきた成果なのか、安定感がある。同じように、かまいたちも凄かった。自説にこだわる片割れが、やりとりを繰り返しているうちに狂気めいていく様は、コンビの強い個性にハマった。


 自分の過ちを認めない男、かたくなまでに自己の優位性を主張する男…そういう人格?に目をつけるのは、ギャグとして使われることも多いだろうが、一本を貫くネタとして仕上げてくるところに、かまいたちの力量が窺える。さて、今回多くの人があまり見たことのない、いや初めて見たパターンが、ぺこぱである。


 「のりツッコまない」とでも命名されそうな、片方のボケを許す、認めてしまう形で進んでいく。通常のツッコミのように見せかけるトーンで始まり、途中から替えて収める口調は新鮮だった。堀井憲一郎は「やさしいい漫才」と称したが、このやさしさとは結局人と深く関われない「逃げ」という解釈もできそうだ。


 実力No1と見られた和牛は、熟練の味を見せたが、笑いという点では上位3つには届かないネタだった。安定感は継続していくと思うが…。個人的に笑えたのは、すゑひろがりずという万歳風のコンビ。現代ネタに仕上げて飲み会のイッキを「メッセ(召せ)」に表現するところなどユニーク。正月に活躍しそうだな