すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

初冬の独り視聴者委員会

2022年12月09日 | 雑記帳
 『独り視聴者委員会』は朝ドラ「ちむどんどん」の悪態を最後までついた以来か。春以降、惹かれる番組の数が少ないと感じていたが、10月クールのドラマはなかなか見所があるように思う。もちろん個人的所感の露出にすぎないが、同様の評価・感想を見かけたりすると、少し納得して嬉しいものだ。


 フジ月10『エルピス』は録画していて週遅れで見始めたがハマった。まず何かというと大友良英の音楽が格好いい。長澤まさみは好みというわけではないが、この役は似合う。真栄田郷敦も役柄にぴったり、さらに岡部たかしが絶妙だ。冤罪の行方を蛇行しながら追っていくうねった展開は、予測が少しずれて魅力的だ。


 フジ月9『PICU 小児集中治療室』は、医療モノとしてはありがちな展開だけれど、北海道が舞台、主題歌が中島みゆきという「背景」を上手に生かしている気がする。突出して際立つ配役はいない。ただ、展開同様に演技も堅実なところが、安心して喜んだりしんみりできて連続ドラマとして成立させている。


 恋愛系はほとんど見ないが初回試しにみた『silent』という番組はなんだか続けている。ずいぶんネット上で話題になっている。聾者、中途聾者、聴者という関わりが話を進行させていく。音を抑えた字幕のシーンも多く、間を多用する台詞遣いが、繊細な心を持つ者と共振する何かを持つ気がする(けして自分にはないな)


 なんだ!!フジばかりだ。他局は『相棒21』は観ているが、再放送の『相棒4』ともに継続。『トラベルナース』も朝日得意の医療系で堅実なつくりだ。医療といえば、NHKの深夜『DOC』というイタリアドラマが面白い。これも音楽がいいことと、イタリアらしいねちっこさが笑えて、ずっと続けて見入っている。


師走っぽい諸事日記

2022年12月08日 | 雑記帳
12月2日(金)
 師走は学校関係の見学体験等が多い。小学佼から高校まで計4件。最初が今日。2年生の生活科見学の定番でもあるので、予定通りに流れていた。それにしても未明から降り出した雪が止まない。湿雪で重く、除雪車も一部しか出ておらず通りづらくて仕方ない。退勤してから、車庫や玄関前の融雪水を出すことにする。


12月3日(土)
 朝のうち、メモしておいた図書館ブログアップ。今日は青少年健全育成大会があり朝から記念撮影、賞状伝達、発表本番と続く。10時過ぎに終了。いったん自宅に帰り昼食をとって花巻へ向かう。一年数カ月ぶりに師匠の話を拝聴。セミナーで後席の先生方の反応を耳にし現役時代を思い出す。久々の反省会が楽しい。




12月4日(日)
 窓を開けるとJR線が見えるホテルではなかなか寝付かれなかった。それでも8時半過ぎに出発し、途中道の駅に立ち寄り、みぞれ吹き付ける高速道路を通って11時前には帰宅。あとはのんべんだらりとする。今週は結構仕事が詰まっているので、しっかり休養することも大事だ。雪は小康状態。雪囲いの連絡あり。


12月5日(月)
 休館日だが、朝に子育て支援センターに行きこども園長会議で少し話させてもらう。明日は某こども園で親子へ読み聞かせの予定だったが、学級閉鎖がありやむなく中止とのこと。午後は地元の小学校で一年生への読み聞かせ。絵本4タイトルをスピーディーに語っていく。反応よし。自宅に帰り、あとはビデオ視聴。


12月6日(火)
 出勤したら職員の一人が濃厚接触者になったという連絡があり、勤務調整の必要が生じた。今日は小学校見学の2日目。人数が多くそれなりに時間がかかっている。結局1時間半超だった。先月まで掲示していた読書紹介文の優秀作品のブログアップ準備を始める。全24作品をデータ化して、今月中に載せていく。


12月7日(水)
 午前、こども園での読み聞かせ。感染が広がっているが、子どもたちは元気そうなので、絵本と紙芝居をやり切った。3タイトルそれぞれ個性があって面白い。午後、紹介文のデータ化を少しやってから退勤。第5回目!!のコロナ予防接種。その後、定期通院してから帰宅。七五三撮影疲れ(笑)か、孫がまだ寝ていた。



繰り返しに身を委ねよう

2022年12月06日 | 読書
 「マンネリ」は多くの場合、否定的に捉えられる。「一定の技法や形式を反復慣用し、固定した型にはまって独創性や新鮮さを失うようになる傾向」(広辞苑)という意味を読めば、ついそう判断しがちだ。しかし居直りではなく、それで何が悪いか、とも言える。「独創性や新鮮さ」の価値はいかほどか、と考え直す著だ。


『マンネリズムのすすめ』(丘沢静也  平凡社新書)




 「バッハはなぜ偉いか」から始まる文章は、よく聴く音楽やジョギング、水泳など毎日著者自身が続けている運動のことを例に出しながら、いわば「繰り返し」の美学的な面を強調していると言える。そして「『がんばって』が挨拶として通用」する現況を、痛烈な一言で批判する。「がんばらないことが、教養なのだ。


 「からだ」に対して「競争社会の競争原理」を当てはめる異常さを指摘し、近代産業社会の代表的なモラルのガンバリズムこそ否定されるべきと述べる。その意味で第三章「すぐれた猟師はしっかり日和見をする」は象徴的である。「日和見」も否定的な見方の強い表現だが、それは自己認識と状況判断に基づいている。


 多様な事例、文献が紹介されているが、野口三千三氏の野口体操が取り上げられて、大学での学びから多少関連する活動をかじった身としては、懐かしく思い出された。技や回数を競わない縄跳びや、身体のイメージを重視したマット運動などいくつか実践を重ねた。身体感覚を常に問いかけた「からだ育て」だった。


 「自己実現」という語がもてはやされているが、やはり他者との差異や新しさが強調される。そうではなく、型にはまったことを続け、無駄なエネルギーを使わない自己表現ぐらいがちょうどよく気持ちいいのではないか。マンネリは「小さな快適や幸福のための技術なのだ」に共感できる。繰り返しに身を委ねよう。

読み通して見える何かが

2022年12月05日 | 読書
 結局、ゴダール式読書とはならないまま、ここ一週間少しでだらだら読了した文庫本たちのメモ。やはり読み通すことで見える全体像、芯は確かにあるようだ。


『たった一人の熱狂』(見城 徹  幻冬舎文庫)

 堀江貴文と藤田晋が立ち上げたというSNS「755」に、著者が発した言葉をもとにした書籍化。「ユーザーと見城徹によるガチンコの人生問答」的な内容をトピックでまとめ、再構成したものだ。
 著者の本は何冊か読んでいるが、まあ「圧が凄い」と括ることができるだろう。それを今どきの若い世代がどう受け止めるのか。イメージは幕末期の勤王志士のようである。
 おそらく大きな仕事をする人の思考回路として、この考えは一つの典型ではないか。「全ては無知と無理・無茶・無謀から始まった」だからこそ切り開ける。


『運命を引き受ける』(佐々木常夫  河出文庫)

 学校に勤めていた時に(8年前ではなかったか)。講演を聴いたことがある。「ライフワークバランス」という語が教育界にも提言され始めていたから興味を持った。後付けをみると単行本はその頃の出版となっている。だから書かれていることの多くを耳にしたのかもしれない。
 しかし改めて読むと、それは「バランス」のとり方ではないということか示されている。つまり「『どうやるべきか』(to do)の前に『どうありたいか』(to be)を自分に問う」。
 ノルマ消化とクレーム対応に追われている現実であっても、見失ってはいけないことがある。




『この女』(森絵都  文春文庫)

 主たる舞台は1994年歳末と翌年正月半ばまでの大阪、神戸。大震災発生を念頭において進められる物語には、独特の緊迫感がある。
 ここに盛り込まれているモチーフは当時の、いや現在もまだ引きずっている社会問題として根強くあるものばかりだ。ドヤ街と貧困層、都市開発と利権、発達障害者と家族、そしてカルト教団など。こうした要素を巧みに織り交ぜながら、一人の女をモデルに小説を書きあげようとする男の生き様を描いている。
 もととも筑摩書房で単行本が出ていて、そこには「冒険恋愛小説」とあった。恋愛とは冒険なのかもしれない。映像化できそうな鮮やかな場面が多く惹きつけられた。


そして師走となる日記

2022年12月01日 | 雑記帳
11月25日(金)
 午前、今月最後のこども園読み聞かせ。紙芝居「ないたあかおに」は迷いつつ選書したが、食い入るように見つめてくれるので、やって良かった。午後から明日のブックフェスタの準備&リハーサル。昨年まで違うのはひと月早い実施。どうやら天気の心配をしなくていいようで一安心。自分の出番も多く「ゆっくり、笑顔で」と決める。いったい何年前から変わらぬ目当てか(笑)。


11月26日(土)
 イベントの日。近隣のコロナ感染が収まらないので、参加者数は予想通りに昨年より微減した。それでも高校生の読み手がいたり、クラフトバック作りがあったりで楽しいイベントとなった。お手玉入れという単純なゲームも良かったと思う。午後は、図書館だよりを仕上げて、イベントのブログアップをして早めに退勤する。数日、ちょっと張りつめていた気持ちが緩むのがわかる。



11月27日(日)
 午前は孫たちが来て、近くのグラウンドまで小散歩。男児二人の小競り合いがなかなか激しい。午後からは競馬ジャパンカップ、大相撲九州場所千秋楽、そして夜はWカップのコスタリカ戦と観戦が忙しい。競馬は三冠馬デアリングタクトを応援したが惜しかった。相撲の巴戦は初めて観た。心理戦のようで面白い。サッカーは、いつも「ままならない世の中」を教えてくれる。


11月28日(月)
 本当なら秋田市の五木寛之講演会に行きたかったが、大事な用を週末に控えており、人が多く集まる場所は自重した。それにしてもいい天気。隣市へ買い物がてら久しぶりあのラーメンを食しに出かける。年に二、三度は行きたくなってしまう味だ。午後、録画していた映画『レディジョーカー』を観る。こども園は感染が広がっているらしい。帰ってきた孫と戯れるが少し心配。


11月29日(火)
 午前中は来週の読み聞かせに向けてPPT準備などをする。イベントで紹介した絵本の一つを使うと決める。午後、図書館だより12月号を各施設に廻しに出かける。一月に講座を企画したので、その連絡調整なども行う。また、エントランス掲示を入れ替えるので、今月分をブログで紹介する。なんと「洞察力」。自分も心したい。天気予報に雪マークがついている日が近づく。


11月30日(水)
 今日は「風流踊」のユネスコ無形文化遺産の発表がある日で、隣接する盆踊り会館に取材が入るようで、やや慌ただしさを感じる。ひと月以上掲示していた「おすすめブックコンクール優秀作品」を外すが、テープが絡まり難儀する。エントランス掲示を「風流心」にすることに決め関連図書を探す。夜のニュースで町の映像が流れる。NHK21時のトップで映ったのには驚いた。


12月1日(木)
 昨夜からみぞれが降り出す。やや初雪の情緒には欠けるか。そんなことを言えるのは今のうちだが…。午前は、自宅から「映画の日」ブログアップをし、知り合いに頼まれているカードを仕上げる。さて、ここ一週間で読了した本は、三冊『たった一人の熱狂』(見城徹)『運命を引き受ける』(佐々木常夫)『マンネリズムのすすめ』(丘沢静也)。ようやく森絵都の小説をめくりだす。