まずは問題を見てください。
1 平成16年の法改正により、年金額の改定は被保険者であった期間の
標準報酬月額及び標準賞与額に係る( A )(生年度別)を改定する
ことによって毎年自動的に行われる方式に改められた。
2 新規裁定者(( B )歳到達年度前の受給権者)の年金額の改定には、
原則として( C )を基準とした( A )を用い、既裁定者(
( B )歳到達年以後の受給権者)の年金額の改定には、原則として
前年の( D )を基準とした( A )を用いる。
3 調整期間においては、これら( C )と( D )にそれぞれ
調整率を乗じて( A )が用いられる。この調整率は、「3年度前の
( E )」に平均的な年金受給期間の変動率等を勘案した一定率で
ある0.997を乗じて得た率である。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
「年金額の改定」、「再評価率の改定」に関する問題です。
平成16年の改正点ですね。
平成16年の改正で、再評価率は、原則として、毎年度、賃金スライドと
物価スライドにより自動的に改定していくことになりました。
その改定において、調整期間中はマクロ経済スライドを用いた方法で
改定をしますが、その辺を含めた出題です。
平成16年に設けられたばかりの規定ですので、これらについて、直接的に
出題されたのは初めてです。
ただし、年金額の改定に関しては過去に色々と形で出題されています。
たとえば、Aの空欄に関しては
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【13-8-C】
厚生年金保険の賃金スライドは、過去の標準報酬を、その後の賃金上昇率を
乗じることによって現在の賃金水準に置き換える、いわゆる再評価の手法
によって行われ、毎年4月以降の給付額が改定される。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
出題当時は、再評価の手法による改定は、毎年度ではなく、5年に一度の
財政再計算の際に行われていたので、誤りでした。
ただ、現在は、毎年自動改定する仕組みになっています。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
B~Eの空欄については、保険料水準固定方式における再評価率の改定に
関する原則論とマクロ経済スライドを合わせた出題ですが、基本的な用語さえ
知っていれば、埋められるところです。
ちなみに、改定は
| 原則 | 調整期間
―――――――|―――――――――――――|――――――――――――――
原則 | 名目手取り賃金変動率 | 名目手取り賃金変動率×調整率
―――――――|―――――――――――――|――――――――――――――
基準年度以後 | 物価変動率 | 物価変動率×調整率
再評価率
を基準にして行われます。
そこで、Eの空欄ですが、解答となる言葉そのものは、出題されていませんが、
昨年の選択式で、考え方は出題されていましたよね。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【17-選択】
給付水準を自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)を導入した。
この自動調整の仕組みは、年金制度を支える現役世代の人数の減少分と
( B )を、毎年度の年金額の改定率から減じるものである。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
( B ):平均余命の延び
ですが、調整率は
「年金制度を支える現役世代の人数の減少分」と「平均余命の延び」を
考慮したものということです。
これを【18-選択】では
「3年度前の公的年金被保険者総数変動率」と「平均的な年金受給期間の
変動率等を勘案した一定率である0.997」と表したんですね。
つまり、昨年は「平均的な年金受給期間の変動率等を勘案した一定率で
ある0.997」の部分を「平均余命の延び」と出題し、
今年は、「年金制度を支える現役世代の人数の減少分」を意味する
「3年度前の公的年金被保険者総数変動率」を出題したんですね。
法律の言葉というのは、法条文に記載された言葉となりますが、
一般的に表現するとどうなるのか、こういうのも知っておく必要が
ありますね。
「物価スライド」「マクロ経済スライド」なんて言葉、法条文には
ありませんよね。
でも、多くの受験生は知っている。
そういうのと同じレベルとしてとらえればいいんですよね。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【18-選択】の解答です。
( A ):再評価率
( B ):68
( C ):名目手取り賃金変動率
( D ):物価変動率
( E ):公的年金被保険者総数変動率
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
この問題について、栗澤純一氏から下記のコメントを頂いています。
「再評価率」が出題対象とされました。この「再評価率」ですが、
条文上ではかなり詳細に規定されています。ただし、設問からもわかる
とおり、「大枠=現実的な取扱い」については、難解極まりないというもの
ではありません。
さらにいえば、平成17年試験において、マクロ経済スライドの大枠が
出題されていることを考えれば・・・出題対象とされても文句はいえませんね。
ちなみに、「年金額の改定」と一口にいっても注意が必要です。
報酬比例による年金給付を原則とする厚生年金保険と、いわゆる法定額を
原則とする国民年金とでは若干違いがあるんですね。
具体的には・・・それぞれの年金額の計算式をみると明らかです。
国民年金の年金給付額の計算式には、「改定率」という語句がありますが、
厚生年金保険の年金給付には見当たりません。
一般的に、「公的年金制度の年金給付額の改定は、平成16年改正において
『改定率による改定方式』に改められた」などといわれますが、では、
厚生年金保険は?ということになりますが、実は空欄Aで問われている
「再評価率」の中に改定率が織り込まれているんですね。
こんなところを考慮すると、「大枠」とはいっても、その根本の部分はきちんと
理解しておかなければいけない、ということですね。
ちなみに、それ以外の空欄の正解肢をみても、若干難しい語句が並んで
いますが、考え方そのものは「大枠=基本事項」といえるでしょう。
1 平成16年の法改正により、年金額の改定は被保険者であった期間の
標準報酬月額及び標準賞与額に係る( A )(生年度別)を改定する
ことによって毎年自動的に行われる方式に改められた。
2 新規裁定者(( B )歳到達年度前の受給権者)の年金額の改定には、
原則として( C )を基準とした( A )を用い、既裁定者(
( B )歳到達年以後の受給権者)の年金額の改定には、原則として
前年の( D )を基準とした( A )を用いる。
3 調整期間においては、これら( C )と( D )にそれぞれ
調整率を乗じて( A )が用いられる。この調整率は、「3年度前の
( E )」に平均的な年金受給期間の変動率等を勘案した一定率で
ある0.997を乗じて得た率である。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
「年金額の改定」、「再評価率の改定」に関する問題です。
平成16年の改正点ですね。
平成16年の改正で、再評価率は、原則として、毎年度、賃金スライドと
物価スライドにより自動的に改定していくことになりました。
その改定において、調整期間中はマクロ経済スライドを用いた方法で
改定をしますが、その辺を含めた出題です。
平成16年に設けられたばかりの規定ですので、これらについて、直接的に
出題されたのは初めてです。
ただし、年金額の改定に関しては過去に色々と形で出題されています。
たとえば、Aの空欄に関しては
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【13-8-C】
厚生年金保険の賃金スライドは、過去の標準報酬を、その後の賃金上昇率を
乗じることによって現在の賃金水準に置き換える、いわゆる再評価の手法
によって行われ、毎年4月以降の給付額が改定される。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
出題当時は、再評価の手法による改定は、毎年度ではなく、5年に一度の
財政再計算の際に行われていたので、誤りでした。
ただ、現在は、毎年自動改定する仕組みになっています。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
B~Eの空欄については、保険料水準固定方式における再評価率の改定に
関する原則論とマクロ経済スライドを合わせた出題ですが、基本的な用語さえ
知っていれば、埋められるところです。
ちなみに、改定は
| 原則 | 調整期間
―――――――|―――――――――――――|――――――――――――――
原則 | 名目手取り賃金変動率 | 名目手取り賃金変動率×調整率
―――――――|―――――――――――――|――――――――――――――
基準年度以後 | 物価変動率 | 物価変動率×調整率
再評価率
を基準にして行われます。
そこで、Eの空欄ですが、解答となる言葉そのものは、出題されていませんが、
昨年の選択式で、考え方は出題されていましたよね。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【17-選択】
給付水準を自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)を導入した。
この自動調整の仕組みは、年金制度を支える現役世代の人数の減少分と
( B )を、毎年度の年金額の改定率から減じるものである。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
( B ):平均余命の延び
ですが、調整率は
「年金制度を支える現役世代の人数の減少分」と「平均余命の延び」を
考慮したものということです。
これを【18-選択】では
「3年度前の公的年金被保険者総数変動率」と「平均的な年金受給期間の
変動率等を勘案した一定率である0.997」と表したんですね。
つまり、昨年は「平均的な年金受給期間の変動率等を勘案した一定率で
ある0.997」の部分を「平均余命の延び」と出題し、
今年は、「年金制度を支える現役世代の人数の減少分」を意味する
「3年度前の公的年金被保険者総数変動率」を出題したんですね。
法律の言葉というのは、法条文に記載された言葉となりますが、
一般的に表現するとどうなるのか、こういうのも知っておく必要が
ありますね。
「物価スライド」「マクロ経済スライド」なんて言葉、法条文には
ありませんよね。
でも、多くの受験生は知っている。
そういうのと同じレベルとしてとらえればいいんですよね。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【18-選択】の解答です。
( A ):再評価率
( B ):68
( C ):名目手取り賃金変動率
( D ):物価変動率
( E ):公的年金被保険者総数変動率
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
この問題について、栗澤純一氏から下記のコメントを頂いています。
「再評価率」が出題対象とされました。この「再評価率」ですが、
条文上ではかなり詳細に規定されています。ただし、設問からもわかる
とおり、「大枠=現実的な取扱い」については、難解極まりないというもの
ではありません。
さらにいえば、平成17年試験において、マクロ経済スライドの大枠が
出題されていることを考えれば・・・出題対象とされても文句はいえませんね。
ちなみに、「年金額の改定」と一口にいっても注意が必要です。
報酬比例による年金給付を原則とする厚生年金保険と、いわゆる法定額を
原則とする国民年金とでは若干違いがあるんですね。
具体的には・・・それぞれの年金額の計算式をみると明らかです。
国民年金の年金給付額の計算式には、「改定率」という語句がありますが、
厚生年金保険の年金給付には見当たりません。
一般的に、「公的年金制度の年金給付額の改定は、平成16年改正において
『改定率による改定方式』に改められた」などといわれますが、では、
厚生年金保険は?ということになりますが、実は空欄Aで問われている
「再評価率」の中に改定率が織り込まれているんですね。
こんなところを考慮すると、「大枠」とはいっても、その根本の部分はきちんと
理解しておかなければいけない、ということですね。
ちなみに、それ以外の空欄の正解肢をみても、若干難しい語句が並んで
いますが、考え方そのものは「大枠=基本事項」といえるでしょう。