今回は、平成28年就労条件総合調査結果による「変形労働時間制の採用状況」
です。
変形労働時間制を採用している企業割合は60.5%となっています。
企業規模別にみると、
1,000人以上:70.7%
300~999人:67.2%
100~299人:64.0%
30~99人 :58.5%
と、規模が大きいほど採用割合が高くなっています。
変形労働時間制の種類別(複数回答)にみると、
「1年単位の変形労働時間制」 :34.7%
「1カ月単位の変形労働時間制」 :23.9%
「フレックスタイム制」 :4.6%
と「1年単位の変形労働時間制」が最も高い割合になっています。
変形労働時間制の採用割合などについては、
平成12年度、18年度、24年度、28年度に出題されています。
【 12-4-E 】
変形労働時間制やみなし労働時間制は、適切に利用するならば労働時間短縮
に効果を発揮する。労働省「賃金労働時間制度等総合調査」によれば、変形
労働時間制を採用している企業の割合は高まる傾向にあり、1998年において、
その割合を変形労働時間制の種類別にみると、1年単位の変形労働時間制に
比べフレックスタイム制の方が高い。
【 28-4-C 】
フレックスタイム制を採用している企業割合は、3割を超えている。
【 18-2-A 】
厚生労働省「平成17年就労条件総合調査」によると、変形労働時間制を採用
している企業割合は全体では56%である。そのうち1年単位の変形労働時間
制を採用している企業割合が最も多く、それを企業規模別にみると、企業規模
が小さくなるほど採用割合が高い。
【 24-5-C 】
何らかの形で変形労働時間制を採用している企業割合は全体で5割強となって
おり、これを産業別にみると、「鉱業、採石業、砂利採取業」、「運輸業、郵便業」、
「電気・ガス・熱供給・水道業」、「製造業」などの採用割合が高くなっている。
【 12-4-E 】は、誤りです。
出題当時も、現在と同様、1年単位の変形労働時間制のほうがフレックスタイム
制より採用割合は高くなっていました。
で、【 28-4-C 】は、フレックスタイム制を採用している企業割合を論点に
したものですが、「3割を超えている」のは、1年単位の変形労働時間制だけです。
ですので、誤りです。
採用割合が低いということを知っていれば、
誤っていると推測することができなくはないところです。
これらに対して、【 18-2-A 】は正しい内容でした。
1年単位の変形労働時間制が最も採用割合が高くなっています。
また、1年単位の変形労働時間制は、企業規模が小さくなるほど
採用割合が高くなっていました。
ちなみに、平成28年の調査では、
企業規模別の1年単位の変形労働時間制の採用割合は、
1,000人以上:22.3%
300~999人:28.5%
100~299人:34.2%
30~ 99人:35.8%
となっており、やはり、企業規模が小さくなるほど採用割合が高くなっています。
【 24-5-C 】も正しい内容でした。。
産業別の採用割合を論点にしており、ちょっと厳しい問題といえます。
平成28年の調査では、
鉱業、採石業、砂利採取業が76.9%で最も高く、
金融業、保険業が26.9%で最も低くなっています。
そのほか、出題にある業種については、
「運輸業、郵便業」:75.5%
「電気・ガス・熱供給・水道業」:64.8%
「製造業」:67.5%
と採用割合が比較的高くなっています。
規模別の採用割合や業種別の採用割合まで押さえるというのは、
ちょっときついでしょう。
とりあえず、変形労働時間制の中で採用割合が最も高いものを知っておき、
余力があったとき、これにプラスした情報を押さえるということで、
十分でしょう。