1877年にエジソンが歌ったメリーさんのヒツジが世界最初の人声の録音と再生ということになっています。しかし、最近のBBCニュースによると、実は世界最古の録音はフランスのド マンタビルが発明した音声記録方法、Phonautography(音のサインとでも訳すのでしょうか)によってエジソンの録音再生よりも17年前の1860年に録音されたもののようです。日本でも「月の光」と知られているフランスの民謡、「Au Clair de la Lune」が女性の声によって約十秒間の記録されているそうです。このPhonautographyは、原理的にはエジソンの発明と同じです。声の振動をとらえて、煤を塗り付けた紙に記録針で記録するという方法でした。この発明がエジソン以上に有名にならなかったのは、発明装置の名前からも想像できるように、これは記録を目的としたもので再生することは考えられていなかったからのようです。実際この録音は記録はされましたが再生されたことはなかったのでした。ところが、最近この紙に記された煤の傷をデジタル画像にして解析し、現代の技術で音をシミュレートすることに成功したのだそうです。(http://www.firstsounds.org/sounds/1860-Scott-Au-Clair-de-la-Lune.mp3) 聞いてみると、確かに月の光のように聞こえますが、ハローウィーンの雰囲気も醸し出されています。150年前の人の声かと思うと大変感慨深いです。まるでエジプトのミイラが動き出したのを見るようです。再生の一つの問題は、録音時に手で記録紙を移動させて記録されているので、その移動スピードがどうも一定ではなく、そのために記録と同じスピードで再生することが困難であることだそうです。昔のレコードや録音テープをいろいろな速度で再生して遊んだことがある人なら、記録スピードと再生スピードが異なれば音の高低や質が容易に変化してしまうことは理解できるでしょうし、だから録音スピードが不明でしかも一定していないこの記録を忠実に再現するのが困難なことは想像できます。そう言えば昔、「およげ、たいやきくん」が大ヒットした時、「たいやきくん」のカセット版は、レコード盤よりも十秒近く短くなっていて、テープをケチるために(?)微妙に早送りされて録音されていたことが発覚して、大問題になったことがありました。音楽記録再生がデジタルになった現在、アナログ記録時代にしかあり得なかったこんな事件もなつかしい気持ちで思い出すのみです。今、知りましたが、「およげ、たいやきくん」は日本で最も売れたシングル曲として最新版のギネスブックにも載っているそうです。(それにしても、たいやきという日本的お菓子が大海を泳ぐという素晴らしい発想の美は、日本人以外は誰も理解できないでしょうね)
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