百醜千拙草

何とかやっています

訃報二つ、柳田先生の告発

2011-11-08 | Weblog

先月末に北杜夫さんが亡くなったこと、ニュースを見落としていたようで、つい最近まで知りませんでした。なだいなださんのブログで知りました。中学時代は大ファンで、「船乗りクプクプの冒険」を読んで作家になりたいと思ったぐらいです。高校時代に好きだった辻邦生さんとも北さんは深い交流があったらしいとこの訃報で知りました。あいにく大作、「楡家の人々」は私は余りよさがわからず、その後、読み返す機会もありませんでしたので、北さんは私の中ではユーモア小説家のどくとるマンボウです。なださんと北さんは同じ医局の先輩と後輩で、私が医学生物学の研究を今やっているのは、そもそも中高生のころに、北さんやなださんのような作家になるためには、まず医学部にいって精神科に入るのが良いと思い込んだせいだとも言えます。あいにく、私は文才のなさを高校で自覚し、また精神科にも進まなかったので、作家でなく研究者をやっているという次第です。小説というものを余り読まなくなって長くたつので、好きな作家というと殆ど故人になってしまいました。寂しい気持ちがします。

その後、参議院の西岡議長が死亡するというショッキングなニュース。惜しい人を亡くしました。一方で、ドジョウとその一味は財務官僚とアメリカの言うがままにTPP交渉参加へ向けて調整中との話。やはりドジョウはただの使いパシリであったか、わかってはいても情けない気持ちです。せめて西岡議長にビシッと言ってもらいたかったと思います。それにつけても、このTPPは歴代首相中ダントツの卑怯者でドアホの空きカンの置き土産。思い出すだけで怒りで血圧があがります。

岩下修三ブログ 猿でもわかるTPP講座(2)

 

柳田先生のブログで沖縄大学院大学の学長の年収が6千万で、人事等に不明瞭なことがあるという話。当然、この手の話は昔からあります。某私立大学医学部では理事長の息子と結婚した元医学生が卒後数年で内科の教授になったという話を聞いたこともあります。しかし、沖縄の場合、私立大学とはいえ、税金でできた大学ですから、例のハコモノを作ってポストをつくって天下って税金をつまみ食いする、官僚、役人どもの税金泥棒スキームの一部なのかもしれません。学長はその後の変化がなければSydney Brennerの後の後任の外国人でしょうから、ひょっとしたら大学は、見栄えのする看板のために非常識な額を積んだだけなのかもしれません。いずれにしても、極論すれば、税金泥棒の道具にこの大学が使われているわけです。柳田先生のブログでの個人的告発はこれからも続くようです。思うに、柳田先生、文化勲章の受賞者でもあり、影響力のある有名人ですから、たぶん、これまでのように露骨にセクハラ事件などをでっち上げて、大学から追い出して言論封鎖するという手はとれないだろうと読んで、ブログで告発されるつもりになられたのではないか、と想像します。これから色々、陰湿な嫌がらせがあるかもしれません。アメリカのチョムスキーの場合は、数々の政治的発言にも関わらず、彼の大学人としての身分は尊重されてきました。しかし、日本は植草事件の例を上げるまでもなく、大学人も学問の自由もおかまいなしです。官僚組織に都合の悪い人間は犯罪をでっちあげられ、マスコミを使った人物破壊を受けて、社会的に抹殺されます。大学自治、学問の自由に守られていなければ、研究者というのは極めてFragileな存在です。研究者殺すには刃物は要りません。グラントが当たらないように兵糧攻めにすれば終りです。そして税金ベースのグラントを誰に出すのかを最後に決定するのは官僚です。大学人も学問の自由とその地位を守るために団結し、集団で不正には抗議することが必要だと思います。自分さえよければよいという態度が最後は自分の首を絞めることになるのですから。

コメント (1)
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