アベ氏、アメリカ訪問。月曜日にボストンでの講演。あたりさわりのない話をして、質疑応答なしの予定だったようですが、同日、会場ではハーバードの韓国系学生らと87歳の従軍慰安婦の人を中心にデモ。講演では韓国系の聴衆から「慰安婦問題について日本は謝罪をしないのか」という質問が飛んだ様子。多分、想定内だったのでしょう、論点をずらして、一般論を語って日本の立場を曖昧にするという官僚答弁をしたらしいです。外国でこういう詭弁を弄するとますます印象が悪くなります。
その後DCへ移動。
ということですが、日本の首相がアーリントン墓地で献花をするというのはちょっと違和感を覚えます。ここには、当然第二次世界大戦で日本兵と戦った米兵も眠っており、敷地内には硫黄島で日本兵と戦った兵士がアメリカ国旗を掲げる記念像もあるのです。日本の首相がアーリントン墓地で献花するというのは、逆に言えばオバマが靖国神社に玉串を捧げるのと近いと思います。オバマは日本のの戦没者の慰霊はしても、「戦争責任者」が奉られてる靖国に参拝するということまずないでしょう。日本の首相がアーリントン墓地で献花するということは、戦争の犠牲者を慰霊するのではなく、戦争の当事者、即ち日本を打ち負かした敵を讃えるという意味にとれます。外国にとっては日米の力関係を示すメッセージとなったかも知れません。
日本は敗戦とサンフランシスコ条約、現在の日米地位協定によって、アメリカの属国になるという地位を受け入れざるを得なかったのです。しかも4/28という日は、サンフランシスコ条約によって沖縄が占領下に引き続き置かれることになった屈辱の日なのです。戦後、当時の人々は、その耐え難き屈辱をバネにして、経済戦争という第二の戦争でアメリカに勝利しました。そして、現在、アメリカは日本を再び経済的に打ち負かそうとTPPという手を出してきているわけです。(にもかかわらず、ホイホイとカモにされにわざわざ首相みずからやってきているというのはどういう病理でしょうか)
さて、アベ氏との会談の後での記者会見では、アベ氏を横に立たせたまま、オバマは、日本よりも中国について多くを語りました。日本は中国とアメリカの関係の上でのみ意味があるかのような口調。露骨ですな。その後、アベは従軍慰安婦問題についてしゃべりだし、例によって一般論に論点をすり替え、官僚答弁、多分、ボストンでのデモへの対応でしょう。NHKの記者が安全保障についてオバマに質問、何故かアベ氏が答えて延々と演説(そういう筋書きになっているのでしょうね)、それに対し、オバマは、日本は平和な国であり攻撃的ではなかったと言いながら、ISISを例に上げテロなどに対して協力して当たっていくべであり、その為に日米安全保障条約をアップグレードするのだと、またまた露骨に日本に中東に派兵を求める発言。アメリカにすれば、アメリカの代わりに日本がわざわざ金と人を出して中東で戦争してアメリカ軍需産業をもうけさせてくれる、と言っているのだから、「いやー、どうもありがとう」という感じなのでしょう。
その後、アメリカ人の報道記者から、同日おきたポルティモアでの警官による黒人殺傷事件についてと中国をどう牽制するのか、という日本とは全く無関係の質問。オバマは延々とアメリカの警察の問題と人種問題についてコメントし、その間、アベはぼーとオバマの横に立たされていて、さすがにオバマも「無関係の話を延々としてすまないが重要な話なので」とアベ氏に断って演説を継続。半黒人のオバマとしては熱も入るのでしょうが、アメリカまでわざわざ来たのに、オバマの横に立たされて、まったく無関係の演説を延々と聞かされるのは、いくらアベ氏でも流石に屈辱ではなかったでしょうかね。ひょっとしたらオバマと記者はわざとやったのかも知れません。オバマがこの記者を指名して質問させていましたしね。
この人種問題の長いオバマの演説が終わったと思ったら、アベ氏、唐突にTPP礼賛を始めました。そして、共同の記者がアベ氏とオバマにTPPに絡めてAIIBについて質問。予想通りの反応。まったく中身のない会見で、わかっていたとはいうものの、アベ氏はわざわざコケにされにいったようなものです。
CNNでの今回のアベ訪米のニュースタイトルを見てみました。
アべはTPPで議会を揺さぶることができるのか?(オピニオン) - 今の所、アベ氏の訪米は先月のネタニエフの時よりもはるかに注目されていない。最近の調査で3/4以上の人が「アベ シンゾー」という名前を聞いたことさえないと答えたことからしても驚くには値しない。--- TPPは世界経済の40%の及ぶ規模の自由貿易協定であり、アメリカのアジアに対する影響力を増大させるものである。---中国や韓国の前で、日本は第二次世界大戦の戦争犯罪についていまだに十分に謝罪していない一方で、アメリカはアベ氏の靖国参拝に遺憾を表明した。
アベが正式に謝罪する時。(オピニオン議会での演説でアベは従軍慰安婦問題について正式に謝罪をするチャンスが与えられた。---2006年、第一期アベ内閣の時、アベ氏は、従軍慰安婦は日本が強制的に行ったとする証拠はない、と発現して世界的な批判にさらされたが、第二次内閣においても、歴史検閲の動きを続けている---
アベ首相の晩餐会ホワイトハウスで開かれる。一年前にオバマが日本を訪問した時、寿司が好きなオバマであったが、20個の寿司コースを残した。今回は2011年以降、初めての室内での晩餐となり、招待客は200、これは昨年のフランス大統領オランドの時の400の半数である。ーー日本は、従軍慰安婦問題でのアベ氏の歴史修正の動きを非難する韓国と、険悪な状態にある。韓国系アメリカ人の反アベデモが予定されている。---日本と韓国はアメリカの対中国政策において重要な同盟国であり、日韓関係の緊張はアメリカにとっても問題である。ーーー
演説そのものは形式的なもので意味は乏しいですが、メディアが問題視したのは、やはり、官僚作文でお茶をのごそうとした従軍慰安婦をはじめとする現政府の戦争責任への態度です。演説中もCapitol Hillを囲んで、韓国系アメリカ人を中心に反アベデモがあった模様です。国内でも外国でも嫌われ、オバマにはバカにされ、チヤホヤしてくれるのは金をばらまいた所だけ、それでも自民党政権型が続く不思議の国、ニッポン。
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両首脳は途中、通訳なしで2人きりで歩きながら約20分間、巨大なリンカーン像などを見学した。首相はその後、市郊外にある戦没者を追悼するアーリントン国立墓地で献花、第2次大戦中のユダヤ人虐殺を伝える市内のホロコースト博物館を視察した。(ワシントン=村山祐介、奥寺淳)
ということですが、日本の首相がアーリントン墓地で献花をするというのはちょっと違和感を覚えます。ここには、当然第二次世界大戦で日本兵と戦った米兵も眠っており、敷地内には硫黄島で日本兵と戦った兵士がアメリカ国旗を掲げる記念像もあるのです。日本の首相がアーリントン墓地で献花するというのは、逆に言えばオバマが靖国神社に玉串を捧げるのと近いと思います。オバマは日本のの戦没者の慰霊はしても、「戦争責任者」が奉られてる靖国に参拝するということまずないでしょう。日本の首相がアーリントン墓地で献花するということは、戦争の犠牲者を慰霊するのではなく、戦争の当事者、即ち日本を打ち負かした敵を讃えるという意味にとれます。外国にとっては日米の力関係を示すメッセージとなったかも知れません。
日本は敗戦とサンフランシスコ条約、現在の日米地位協定によって、アメリカの属国になるという地位を受け入れざるを得なかったのです。しかも4/28という日は、サンフランシスコ条約によって沖縄が占領下に引き続き置かれることになった屈辱の日なのです。戦後、当時の人々は、その耐え難き屈辱をバネにして、経済戦争という第二の戦争でアメリカに勝利しました。そして、現在、アメリカは日本を再び経済的に打ち負かそうとTPPという手を出してきているわけです。(にもかかわらず、ホイホイとカモにされにわざわざ首相みずからやってきているというのはどういう病理でしょうか)
さて、アベ氏との会談の後での記者会見では、アベ氏を横に立たせたまま、オバマは、日本よりも中国について多くを語りました。日本は中国とアメリカの関係の上でのみ意味があるかのような口調。露骨ですな。その後、アベは従軍慰安婦問題についてしゃべりだし、例によって一般論に論点をすり替え、官僚答弁、多分、ボストンでのデモへの対応でしょう。NHKの記者が安全保障についてオバマに質問、何故かアベ氏が答えて延々と演説(そういう筋書きになっているのでしょうね)、それに対し、オバマは、日本は平和な国であり攻撃的ではなかったと言いながら、ISISを例に上げテロなどに対して協力して当たっていくべであり、その為に日米安全保障条約をアップグレードするのだと、またまた露骨に日本に中東に派兵を求める発言。アメリカにすれば、アメリカの代わりに日本がわざわざ金と人を出して中東で戦争してアメリカ軍需産業をもうけさせてくれる、と言っているのだから、「いやー、どうもありがとう」という感じなのでしょう。
その後、アメリカ人の報道記者から、同日おきたポルティモアでの警官による黒人殺傷事件についてと中国をどう牽制するのか、という日本とは全く無関係の質問。オバマは延々とアメリカの警察の問題と人種問題についてコメントし、その間、アベはぼーとオバマの横に立たされていて、さすがにオバマも「無関係の話を延々としてすまないが重要な話なので」とアベ氏に断って演説を継続。半黒人のオバマとしては熱も入るのでしょうが、アメリカまでわざわざ来たのに、オバマの横に立たされて、まったく無関係の演説を延々と聞かされるのは、いくらアベ氏でも流石に屈辱ではなかったでしょうかね。ひょっとしたらオバマと記者はわざとやったのかも知れません。オバマがこの記者を指名して質問させていましたしね。
この人種問題の長いオバマの演説が終わったと思ったら、アベ氏、唐突にTPP礼賛を始めました。そして、共同の記者がアベ氏とオバマにTPPに絡めてAIIBについて質問。予想通りの反応。まったく中身のない会見で、わかっていたとはいうものの、アベ氏はわざわざコケにされにいったようなものです。
CNNでの今回のアベ訪米のニュースタイトルを見てみました。
アべはTPPで議会を揺さぶることができるのか?(オピニオン) - 今の所、アベ氏の訪米は先月のネタニエフの時よりもはるかに注目されていない。最近の調査で3/4以上の人が「アベ シンゾー」という名前を聞いたことさえないと答えたことからしても驚くには値しない。--- TPPは世界経済の40%の及ぶ規模の自由貿易協定であり、アメリカのアジアに対する影響力を増大させるものである。---中国や韓国の前で、日本は第二次世界大戦の戦争犯罪についていまだに十分に謝罪していない一方で、アメリカはアベ氏の靖国参拝に遺憾を表明した。
アベが正式に謝罪する時。(オピニオン議会での演説でアベは従軍慰安婦問題について正式に謝罪をするチャンスが与えられた。---2006年、第一期アベ内閣の時、アベ氏は、従軍慰安婦は日本が強制的に行ったとする証拠はない、と発現して世界的な批判にさらされたが、第二次内閣においても、歴史検閲の動きを続けている---
アベ首相の晩餐会ホワイトハウスで開かれる。一年前にオバマが日本を訪問した時、寿司が好きなオバマであったが、20個の寿司コースを残した。今回は2011年以降、初めての室内での晩餐となり、招待客は200、これは昨年のフランス大統領オランドの時の400の半数である。ーー日本は、従軍慰安婦問題でのアベ氏の歴史修正の動きを非難する韓国と、険悪な状態にある。韓国系アメリカ人の反アベデモが予定されている。---日本と韓国はアメリカの対中国政策において重要な同盟国であり、日韓関係の緊張はアメリカにとっても問題である。ーーー
演説そのものは形式的なもので意味は乏しいですが、メディアが問題視したのは、やはり、官僚作文でお茶をのごそうとした従軍慰安婦をはじめとする現政府の戦争責任への態度です。演説中もCapitol Hillを囲んで、韓国系アメリカ人を中心に反アベデモがあった模様です。国内でも外国でも嫌われ、オバマにはバカにされ、チヤホヤしてくれるのは金をばらまいた所だけ、それでも自民党政権型が続く不思議の国、ニッポン。