百醜千拙草

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対米従属の理由

2015-05-12 | Weblog
沖縄米軍基地問題に関する最近のニュース。

宮崎駿氏、辺野古基金の共同代表に就任
米軍普天間(ふてんま)飛行場の沖縄県名護市辺野古(へのこ)への移設阻止を目的に設立された「辺野古基金」の共同代表に、映画監督の宮崎駿氏が就任する意向であることが分かった。宮崎氏は八日、共同代表への就任について、スタジオジブリを通じ「沖縄の人たちがそういう覚悟をするなら、支援するしかないと思いました」とのコメントを発表した。宮崎氏は昨年、反対運動をする人たちに向け「沖縄の非武装地域化こそ、東アジアの平和のために必要です」とした直筆の文章を寄せている。


沖縄知事、辺野古移設反対で訪米 27日から、直接伝達へ
沖縄県は11日、翁長雄志知事が今月27日~6月5日の日程で米国のワシントンとハワイを訪問すると発表した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する意向を米政府に直接伝えたい考えだ。翁長氏の訪米は昨年12月の知事就任後、初めて。


一方で、平和を望み在日米軍の負担を減らしたいと願う一般国民とは逆の方向に突っ走る日本政府。日本の本当の支配者がいるとされ、「横田幕府」とも呼ばれる在日米軍横田基地に、オスプレイを配置するというニュース。「もうきたぞ、安倍首相による売国外交のつけが」というブログ記事では、この未亡人製造機ともよばれる欠陥飛行機の購入価格は、日本が削った社会保障費に匹敵するということです。社会保障費の足しにするという名目で消費税増税した一方で、社会保障を削ってまでも何の役にもたたないアメリカ商品を買うというのだから、呆れ果てるばかりです。

 
「オスプレイを買え。言い値で買え。横田基地には米軍のオスプレイを配備する。あんじょうはからえ」と、アメリカさまからのお達し。安倍首相らは、「ははーっ、御意。謹んでうけたまわりますでございます」と、言い値の3600億円で17機購入させて頂くそうです。
 3600億円と言えば17で割り算すれば、1機当たり211億円。アメリカ本国では、1機100億円相当だそうだから、ざっと倍以上の吹っかけられです。防衛省は、エンジンなどの交換部品のほか、訓練費も含んでいるから妥当な購入と強弁していますが、なんとまあ、大盤振る舞い。
 今年度は社会保障費を削減しましたが、その額に匹敵する額です。つまり、日本の社会保障費を削って、アメリカさまのおっしゃる通りの高値でオスプレイを買わされる。これが安倍外交の勝利と喧伝するアメリカ議会で演説させて頂くための交換条件だったといえます。


もう一つ、「米国追随なら日本に未来ない」 中国軍幹部、高村氏に発言という東京新聞の記事。
【北京共同】中国人民解放軍系のシンクタンク「中国国際戦略学会」の軍幹部が今月5日、自民党の高村正彦副総裁ら超党派訪中団との会談で「米中の新たな形の大国関係の中で、米国の後だけについていくのなら日本に未来はない」と述べていたことが10日、日中関係筋の話で明らかになった。


その通りでしょう。日本の外から今の東アジアの状況をみれば、アメリカから距離をおきつつ東アジア諸国と良好な関係を構築していくのは当然でしょう。それが出来ないのは複数の理由があると思います。アメリカは中国の台頭を恐れています。日本が中国と仲良くしてもらっては困るのです。日中国交正常化をアメリカ抜きでやったためにロッキードで嵌められた田中角栄の記憶はアベ氏にもあるはずです。アジア外交はまずアメリカの許可がないとできません。アメリカが日中、日韓が適度に仲が悪いことを望むので、わざわざ日本も中韓国を挑発するようなマネをさせられているのでしょう。
 アベ氏の訪米の際の記者会見での質疑を見ても良くわかりますが、アメリカは日本を対中戦略の中で使う道具として見ていないことが露骨でした。一方で、つい先日のロシアの軍事パレードには中国だけが参加。ロシアは欧米がウクライナで仕掛けた露骨なやり方に反感を示し、これまでの欧米に対するソフト路線を転換してイランと中国に武器の提供を再開しました。BRICSの結びつきも強化しつつあり、アジアからアメリカの影響力を少なくするための準備を着々と進めています。中国を恐れるアメリカにとって日本はその防波堤であり戦争となれば前線です。そんな中での、日本の改憲、軍備強化、日米同盟の強化というのは、中国側からとれば、第二次世界大戦以来の脅威と映っているでしょう。日本は、本来であれば、アジアでほ中立、平和主義を強く主張して、アメリカの手先として対アジア軍事戦略のコマとして利用されることはないのだという態度を見せておくのが賢いやりかただったでしょう。それどころか、尖閣諸島や今回のアベ氏の訪米などで、わざわざ反中、親米という態度を明らかにして、中国のシンクタンクには、アメリカの道具としていいように使われるバカだと判断されてしまいまいした。
 このBRICSの台頭、アメリカの衰退という世界の動きを見ていると、忠犬ハチ公のように対米従属を貫き続ける日本は気違い沙汰です。それが、私がずっと不思議に思っていたことです。どうして日本の官僚は対米従属を貫こうとするのか、ということです。私は、戦後のアメリカによる日本間接支配が構造化して官僚組織が視野狭窄しているのかな、と思っていましたが、田中宇さんの一言で納得しました。即ち、「日本の官僚機構は、誰が首相になっても官僚のいうことを聞かざるを得ないという独裁的な権力を維持するため、対米従属を必要としている」ということです。なるほど。つまり、建前上は政治家が決めた法案の下で動くということになっているわけですが、実質的に権力を握っているのは行政官僚です。その立場上関係を超えて独裁的権力を握るためには、司法と立法をうまく操る必要があり、そのためには日本がアメリカの植民地であることが望ましいということなのですね。何とも、情けない理由です。
「アメリカ様のご機嫌を損ねると大変なことになります。角栄さんがどうなったか覚えておられるでしょう。われわれ官僚組織は長年のつき合いでノウハウ(密約)を知っております。われわれにお任せ下さい。魚心あれば何とやら、ひっひっひ」という感じですかね。実際、与党になるまで政治家は一部の官僚だけが知っている「密約」を知りません。密約とは、アメリカは公にしたい条項であるが、官僚組織がその優位性を保ちたいために伏せられているもののことです。鳩山氏の米軍基地移設の迷走で最後に沖縄に戻ってきたのもこの「密約」を知った上で絶望したからではないのでしょうか。そうと思うとその後の辞任も含めて納得できます。
所詮、アベ氏も官僚が担ぐ神輿の飾り、鳩山氏や小沢氏との違いはアベ氏の方がもっと官僚に従順だったということでしょうな。
コメント
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