百醜千拙草

何とかやっています

過去と他人は変えられない

2015-05-15 | Weblog
「小さなグラントをもう1人の人と共同で書いていて、ようやく出せました。すごく大変でした。一ヶ月前から何回かミーティングをし、方針を決めて役割分担を決めてやっているつもりでしたが、なかなかタイムリーに分担の分が出てこない上に書式や話し合いの合意にあわないことがしばしばあり、結局、こちらが、その都度チェックして一々指示して、メールで進抄をチェックして、催促をするということを繰り返しました。これだと一人で全部やった方がもっと少ない労力ですんだだろうと思いました。この方は、私よりも経験はあるはずなので、私は今回はむしろラクできるだろうと踏んでおりましたが甘かったようです。これまでの人生経験から、他人は口で言ったことから期待できることの5割のパフォーマンスが出せれば、上出来だとは思ってはいるのですが、今回は、きっとこの人に対する私の期待が高過ぎたのでしょう。グラント秘書の人や施設の担当者からは突つかれるし、私自身も、別の仕事に集中できないしで、正直、かなりイライラがつのりました。

そこで私は「他人と過去は変えられない」という呪文を取り出して、このことは成り行きに任せるしかないと考えないことにしました。すると、不思議なことにその日の夕方から突然、エンジンが入ったかのように、サクサクと原稿が送られてくるようになりました。それで、最終的には帳尻があうかと期待したのですが、また〆切の三日前になって急激にスローダウンし、結局、〆切の前日にようやく返ってきた不完全な原稿をなんとか体裁を整え、グラント秘書の人と施設の申請書認可部署の人と交渉し、〆切日の朝に図表と予算を作り直しせざるを得なくなりました。そして、締め切りまであと3時間となってから、予算の計算がおかしいというトラブルが起こり、計算のどこがおかしいかを突き止めるのに一時間、その間、グラント秘書と施設の人との三者間を行ったり来たり。認可が出たのが〆切30分前、申請書をそれからPDFに作り直し、欠けていた図表をまた別の人からムリヤリ出させて申請書に入れて、オンラインで申請書をアップロードし必要情報を打ち込んで、チェックして「応募」のボタンを押せたのが〆切時間の1分33秒前というヒヤヒヤものの一日でした。最初から1人で書いていれば二週間前にはとっくに終わっていて、十分に推敲する時間もとれたのになあ、と溜め息が出ました。

そんな中で、とある知り合いの人が立ち寄ってくれました。主に仕事を通じて知っていた人で、かつて一度だけ会ったことがある人です。それにしても、私の知り合いの人はみんな偉くなってしまいました。現在は、とある大学の教授で、別の二カ所の施設にも研究プログラムを持っていて、多彩な分野で活躍されています。一緒に昼を食べていろいろ雑談。実は、知らないところで、私のためにいろいろ苦労してくれていたことを知り、感激しました。
 雑談中、某国からの研究論文については、やはり私同様にちょっと問題を感じていたようで、その話になりました。結局、論文やグラントのピアレビューシステムや実際の研究というものは、誠実、公平におこない、大多数の研究者が科学倫理、ルールというものを守るということを前提にして成り立っています。とうぜん、インチキする人間はいつでもいるし、ルールの遵守に甘い人もいます。しかしそういう人々が少数であれば、まだシステムとしては大きな問題にはなりません。しかしルールに甘い人々が急激に分野に増えると、正直者がバカをみる事態になります。そうなれば当然、研究分野の全体の質も信頼性も落ちていいき、正直ではやっていけない世界になります。この傾向をどう止めればよいのか、よく分かりません。いっそのこと、他の分野のようにピアレビューというものを一切なくして、とりあえず共通の出版サイトに研究成果を公開して、歴史の判断に任せるのがいいかも知れません。あるいは、評価するということそのものを一切やめてしまうのも手かも知れません。

さて、対米従属官僚とそれに操られる政治家、国民不在で、彼らの利益のためだけにやりたい放題、傍若無人の暴走アベ内閣が安保法制を閣議決定しました。官邸前では、戦争反対のデモ。「戦争への法」ノー 官邸前抗議 出勤前の会社員も アベ氏はあいかわらず、「日本はアメリカの戦争に絶対に巻き込まれることはない」と、あきれはてる発言。オリンピック招致の際に、世界に向かって「福島は完全にコントロールされている」と大ウソを言って、国民みんなを凍り付かせた時のことを思い出しました。

国際社会の歴史観に反して歴史を修正し、国民の意見は全く無視して軍装し武力で他国を脅してコントロールしてやろうとするアベ政権とそれを操る官僚組織、彼らにこそ、「過去と他人は変えられない」という言葉を噛み締めてもらいたいともいます。
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