週末は、とあるサイエンスシンポジウムでのポスター審査員をしました。全国から150ほどの演題が集まり、大学、院生、ポスドクといった人々が参加。この審査員をやるのは二度目です。前回も感じましたが、彼らの発表は、私が普段参加している学会よりもレベルが高いです。自分の割り当てのポスターのところに行って、演者と話し、あとで審査員が集まってランクをつけて賞を出します。普段は見ないような内容の研究がいろいろあって楽しいです。高評価をとったのはロドプシンの融合蛋白を使って光を使って遺伝子操作するOptogeneticsを使ったneuroscienceの二つの演題。一つはNatureでレビュー中との話。それから、同じくneuroscienceでExosome解析と電気生理を組み合わせた演題。私が担当した演題の一つ、自閉症での脳の炎症の起こるメカニズムの解明とそのインターベンションも最終候補に残りました。演者の人は大学院生でしたが、大変優秀で、卒後ポスドクをしたいからいい話があれば教えて欲しいと名刺を渡されました。彼女のような優秀な人ならもっと有名研究室から引き手数多だろうなあ、雇えるようなお金もないしなあ、とついネガティブな方向に思考が向いてしまう生来の貧乏性。
夜は、久しぶりに会った遠来の友人と晩御飯。いまだに研究している人はなぜかわれわれの年代に多いような気がします。私が大学院生だったころは、まだ研究者というのは現実性のあるキャリアチョイスだったような気がします(少なくとも当時はそう感じました)。今は、芸能界ほどではないにせよ、研究職は不安定でリスクが高く(しかも低収入職)という認識ではないでしょうか。友人は医学研究者として重要な仕事を出してきて、その分野では一人者と認識されていると思いますが、やはり悩みは同じで、研究費の問題、administrativeな雑用、規制などが多すぎて、研究環境が劣化しているというような話。私も人々の幸福と社会の安定のためにはルールや規制は必要だとは思っていますが、年々、厳しくなっていく規制のための規制としか思えないような規制、それをクリアして研究環境を確保するために使わざるを得ないバカにできない時間と労力の増加には、何か間違っていると思わざるを得ません。本来の研究以外の雑用に5割の時間を割かざるを得ない状態で、倫理とか規制とかはあってないような地域からの研究者と戦わざるを得ない現実があるわけです。
さて、話は変わりますが、やってくれるぜ、アベ政権。国民のカネでバクチ打ち、負けたらツケは国民に回し、福祉のカットと消費税増税で埋め合わせ。役人の給料だけはなぜか増えていく。いつもの手口、というニュース。株式や債券で「運用」とか「投資」というと真っ当な経済活動のように聞こえますが、早い話がその活動から何の価値も生み出さないただのバクチです。誰かが得をすればその分、誰かが損をしているわけです。投資というのであれば、そのカネを使って本当の価値を生み出す活動を支援すべきでしょう。役人や政治家にそのようなな活動を評価してそのリターンを読むというようなことをできる能力がないので、安易に株を売り買いして5兆円負けました、という情けないことになるのです。
東京新聞。15年度年金運用赤字5兆円超か 5年ぶり、株重視裏目に
株式などインチキバクチでは胴元が勝つようにできているのです。生活の保障となる年金をバクチにつぎ込むぐらいなら、何もせずに置いておく方がマシでしょう。外資系投資銀行に日本人の血税をタダでくれてやったようなものですな。
夜は、久しぶりに会った遠来の友人と晩御飯。いまだに研究している人はなぜかわれわれの年代に多いような気がします。私が大学院生だったころは、まだ研究者というのは現実性のあるキャリアチョイスだったような気がします(少なくとも当時はそう感じました)。今は、芸能界ほどではないにせよ、研究職は不安定でリスクが高く(しかも低収入職)という認識ではないでしょうか。友人は医学研究者として重要な仕事を出してきて、その分野では一人者と認識されていると思いますが、やはり悩みは同じで、研究費の問題、administrativeな雑用、規制などが多すぎて、研究環境が劣化しているというような話。私も人々の幸福と社会の安定のためにはルールや規制は必要だとは思っていますが、年々、厳しくなっていく規制のための規制としか思えないような規制、それをクリアして研究環境を確保するために使わざるを得ないバカにできない時間と労力の増加には、何か間違っていると思わざるを得ません。本来の研究以外の雑用に5割の時間を割かざるを得ない状態で、倫理とか規制とかはあってないような地域からの研究者と戦わざるを得ない現実があるわけです。
さて、話は変わりますが、やってくれるぜ、アベ政権。国民のカネでバクチ打ち、負けたらツケは国民に回し、福祉のカットと消費税増税で埋め合わせ。役人の給料だけはなぜか増えていく。いつもの手口、というニュース。株式や債券で「運用」とか「投資」というと真っ当な経済活動のように聞こえますが、早い話がその活動から何の価値も生み出さないただのバクチです。誰かが得をすればその分、誰かが損をしているわけです。投資というのであれば、そのカネを使って本当の価値を生み出す活動を支援すべきでしょう。役人や政治家にそのようなな活動を評価してそのリターンを読むというようなことをできる能力がないので、安易に株を売り買いして5兆円負けました、という情けないことになるのです。
東京新聞。15年度年金運用赤字5兆円超か 5年ぶり、株重視裏目に
国民年金と厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2015年度の運用損益は、赤字幅が5兆円を上回る見通しが強まった。4日までに金融の専門家が試算した。GPIFは例年、年度の運用実績を6月末から7月上旬に公表してきたが、今年は参院選後の7月29日に公表する。運用が赤字になれば、10年度以来、5年ぶり。
SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは「株価の低迷や円高進行による海外資産の目減りが響いた」と分析した。GPIFは14年10月、運用資産に占める国内外株式の割合を5割まで増やすことを決めた。
SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは「株価の低迷や円高進行による海外資産の目減りが響いた」と分析した。GPIFは14年10月、運用資産に占める国内外株式の割合を5割まで増やすことを決めた。
株式などインチキバクチでは胴元が勝つようにできているのです。生活の保障となる年金をバクチにつぎ込むぐらいなら、何もせずに置いておく方がマシでしょう。外資系投資銀行に日本人の血税をタダでくれてやったようなものですな。