百醜千拙草

何とかやっています

Traditionは1993年に始まった

2021-07-27 | Weblog
どうでもいい話ですけど、毎週末は、だいたい決まった店でパンを買います。お昼のサンドイッチ用の食パンと週末に食べる用のバゲットです。美味しいパンやごはんというのは幸せの象徴だと思います。平日の朝はごはんで、休みの日の朝はコーヒーとパンです。

それで、この間の週末もバゲットを買おうとしたのですけど、品薄だったので、たまには違うパンにするかと思い、Pain de Campagne というのをはじめて買いました。名のとおりの「田舎パン」でずっしりした重みと茶色の硬い皮の丸いパンです。少し苦味があり、これはライ麦が混じっているからのようです。ライ麦入りのパンはサンドイッチなどにはちょっと使いづらいですけど、シンプルにそのまま食べる分にはその独特の風味は悪くないです。

この田舎パンはどうも、昔、フランスの村で人々が共同カマドでパンをまとめ焼きしていたころのパンらしく、家族で数日で食べるように焼くものだそうです。一方、街ではバゲットが作られるようになり、バゲットがフランスのパンの主流になって今に至ります。

バゲットは非常にシンプルな材料で作られています。二年前にパリに行った時にたまたま入ったコーヒーショップの目の前にバゲットコンテストで優勝したパン屋があったので、そこでバゲットを買いました。その時に、トラディシオンかオーディネアかと聞かれたのですけど、当時はフランス語の知識はほぼゼロだし、バゲットに種類があることも知らなかったので、「レギュラーのバゲット」と言って頼みました。多分オーディネアをくれたのだろうと思います。

調べてみると、トラディシオン (baguette tradition) はフランスで産業革命以後、バゲットの味が落ちつづけたため、その品質向上のための政策から生まれたもののようです。簡単に言うとordinaireの方は量産型のために酵母や砂糖などが使われているようですが、traditionの方は昔の製法に準じて作られたもの、という差です。さらに1993年の法律で、baguette traditionは水、小麦、塩、パン種、の四つの成分以外を使ってはならないという規制が加えられ、加えて手で棒状に伸ばされるので、それがtraditionの形と味を決めています。ベンチの上で手で伸ばしながら長くするので普通、端が細くなります。ということで、小さくて、先が尖っていて、ちょっと値段が高いのがtradition、長くて端が丸く、安いのがordinaireということです。私が買ったバゲットは普通に美味しかったですけど、感動するほどではありませんでした。知っていたら、traditionの方を買っていたのになあと思います。

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