先の中間選挙でアメリカ下院を制した共和党が、科学研究関連支出の16%に及ぶカットの提案を出したというニュース。青ざめていたら(Scienceを個人購読しているので)FASEBからメールが来ました。アカデミアの生命科学研究の大多数のスポンサーとなっているNIHの予算に関しては、$1.6 billion (5.2%)のカットという共和党の提案であるので、FASEB会員は担当の議員に至急コンタクトをとって、この法案反対を訴えるように、というメッセージでした。ブッシュ政権になってからNIH予算の増加は抑制されてきましたが、減らされるのはNIH史上初めてではないでしょうか。ただでさえ厳しい状況で、この予算カットがもし通れば、アメリカの生命科学研究にかなりの大打撃となると思います。まだ上院は民主党多数でオバマの拒否権もありますが、彼らも人気商売ですから、どちらに転ぶかわかりません。アメリカ経済が破綻の危機に際しているわけですので、研究のように、時間と労力がかかるわりに成果がすぐには目に見えないような活動から切っていこうとするのはやむを得ないことかもしれませんが、研究者としては、気の滅入る話です。しかし、日本では研究の危機をいくら議員に訴えても、官僚主導の予算案で、しかも特別会計とか怪しい予算枠とかもあったりして、何もかわらないことを思えば、国民が政治家を動かして予算配分を変えることができるアメリカはまだましでしょう。
世界最大(売り上げで)の製薬会社のファイザーは、研究開発をアウトソースして、大量の研究者リストラの予定とか。大企業が自社での研究開発を放棄して中小のバイオテクからその成果を買い上げることでリスクを減らそうとする傾向は随分前から見られませすが、首を切られる研究者の身になるとやりきれません。バイオテクもハイリスク、ハイリターンに資金を提供する投資者がいて成り立ちますから、経済が厳しいと投資活動への資金流入は抑制されて、そういう所での研究者の雇用も低下していると思われるので、この大量リストラで首になった研究者の人々の再雇用も容易ではないだろうと同情します。
エジプトでムバラク辞任が決まった日に、アメリカの美人テレビレポーターが、興奮したカイロ市民に襲われ、激しい暴行をうけて入院中という話。チュニジアでの市民プロテストではフランス人が殺されました。ならば、エジプトでアメリカ人が襲われるのも当然予想できたことではないか、というのが私の感想。前、紹介したように、エジプトの革命の本質は民主化運動ではなく親米政権に反対する反米運動であるそうです。革命で興奮して判断力を失っている民衆には、アメリカ政府もアメリカ人のテレビレポーターも同じ憎むべき敵に見えるでしょう。このレポーターやその所属するテレビ局は、エジプトの市民革命の本質を十分理解していなかったのか、あるいは暴徒化の可能性をナメてかかっていたのでしょうか。ひょっとしたら「民主主義を大義にかざす国アメリカは「民主化」を求めるエジプト市民の味方だから、エジプト市民に襲われるはずがない、とでも勘違いしていたのかもしれません。危ないところに不用意に近づいた結果ですから、被害者の人には気の毒ですけど、起こるべくして起こった事件という気がします。
さて、数日前の鳩山氏のの話、ちょっと一言、言っておきたく思ったので。
鳩山氏が、「抑止力は在日米軍の普天間基地の辺野古移転のための方便」だった、というような発言をして、バッシングを受けています。マスコミは、小沢、鳩山の悪口を言いたくてウズウズしていて、ちょっとでも悪い方に曲解して針小棒大に言いふらすヤクザものですから、誤解を招いたり揚げ足を取られるようなことを言ったのはまずかったです。ネットでは、一般の人はまたマスコミがどうでも良いことで騒ぎ立てているという冷ややかな反応、私もマスコミがバカをまた晒していると思います。マスコミも「抑止力が方便といえば方便」という鳩山氏の言葉尻を捉えて、ガタガタ言うのなら、そもそも最初に何をもって「抑止力」と言うのか、その辺をキッチリ説明すべきであろうと思います。
鳩山氏、「沖縄に米軍が駐在することが即ち抑止力として働くのではない」という、言ってみればいまや常識となっていることを言いたかっただけの事でしょう。しかし、辺野古に基地を置かないということになると、アメリカの極東軍事戦略上のマイナスとなって、間接的にアメリカ軍に帰属する「抑止力」が低下する(だろう)と思われるので、辺野古に基地を新設することが「抑止力」につながる、というちょっと苦しい理屈です。
「政治とカネ」という意味不明の言葉を使って、マスコミがイメージ操作をしようとしているのと同様に、思うに「抑止力」の本質とは何かを人は良く考えなければなりません。辺野古移設賛成派の政治家の中に「抑止力とは何なのか、具体的に正直に説明してください」と聞いて説明できる人はいないのではないかと私は思います。というのは、「’抑止力とは何か」についての理解に建前と本音、方便と真実があって、本音をおおっぴらに言えないからだと思います。
私は「抑止力」という概念そのものを信じておりませんが、実際に「抑止力」が存在するとしたら、抑止力とは「核兵器」に他ならないと思います。即ち、対立する国同士が、ボタンを押したら自分も相手も破滅するような力をお互いに持ち合うときに、その恐怖の拮抗バランスのことを「抑止力」と呼ぶのではないでしょうか。核でなくても、エボラウイルスでもサリンでもそういう意味では抑止力になり得ると思いますが、現状では「核兵器」が抑止力の本体と言ってよいのではないかと思います。ならば海兵隊程度では恐怖が足りないので、抑止力にはとてもなり得ないのは当然です。鳩山氏、「抑止力」とは核兵器のことであり、「抑止力」を行使するためには、日本に核兵器をおく必要がある、というあたり前のことを、国民に向かって言うことができなかったので、核兵器の部分をワザとぼかして「抑止力」について語ったのだと想像します。私見では、普天間基地の移設と辺野古基地の新設は基本的には独立したものでしょう。むしろ、辺野古基地新設の口実に普天間が使われているとさえ私は思います。
前にも何度か書きましたが、非核三原則は建前であり、佐藤A作が首相だったころから、核持ち込みについての密約があったことがすでに明らかにされ、そして事実、日本に核が持ち込まれていました。しかし、密約といってもも国と国との間の契約のようなものですから、簡単に反故にするわけにはいきません。普天間基地の辺野古移設の本質は、辺野古には(一応、秘密であるが)核兵器貯蔵庫があって、米軍の核の抑止力を維持するためには、辺野古に基地を造るしかない、ということだったのだろうと思います。沖縄の在日米軍そのものは、思いやり予算を取るための口実に過ぎないでしょう。だいたい、彼らは日本や日本人を守るためにそこにいるのではなく、アメリカ極東軍事戦略の一部として存在しており、極東やアジアで何か起こった時には、アメリカ軍人とアメリカ人を守るために沖縄にいるのだということが明言されています。日本をバカにした話です。それが証拠に、日米安保条約というものはいつの間にか日米軍事同盟と呼び名がかわり、在日米軍の目的は日本の安全保障のためではなく、アメリカの軍事戦略のためにあり、日本はアメリカの軍事戦略に協力しなければならないというフザケた内容に変化しています。
鳩山氏、さすがに立場上、沖縄には核兵器庫があって、その核兵器が抑止力の正体だ、沖縄の人はガマンしてください、とは言えなかったのでしょう。一方、非核三原則を盾に沖縄海軍と核兵器の全面撤退を要求する事も可能であっただろうと私は思います。しかし、思いやり予算や基地のスペースなどなど、日米軍事同盟というのは、アメリカにとって余りに美味しすぎるわけですし、また、沖縄や日本側にも、基地にぶら下がる利権者は大勢いて、日本側も一枚岩では全くない、そんななかで、鳩山氏は、各方面から脅かされたのだろうと私は想像しています。
いずれにしても、抑止力とは方便だ、というのは、本音でしょうが、真実をぶちまけることができないのなら、言うべき台詞ではありませんでした。鳩山氏、口が軽いとか、無責任とか、いろいろ怒っている人もいるようですが、私は、政治家として鳩山氏は正直者すぎるのだろうと思います。人間としては軽いのが良いと私は思っておりますし、正直は最上のポリシーだとも思います。だから、日本という国は、政治家が国民に向かって方便を言わねばならないような国、つまり正直にものが言えないような国であるいう事実の方が、鳩山氏の発言そのものよりももっと深刻な問題であると私は思います。
小沢氏支持の民主党衆院議員16人が会派の脱退届けを出したとのこと。宣戦布告ですね。いろいろな思惑もあるのでしょうが、これで、ただでさえ国会を乗り切れずに総辞職か解散になるだろうと予測される空きカン政権にトドメの一撃になるのではないのでしょうか。民主党を蹴り出されるべきなのは、クーデターで政権をとった空きカン一味でしょう。早いとこ全員消えてもらいたいと切に願っております。三月に空きカンが雪隠詰めになって辞めざるを得なくなったときにヤケクソ解散総選挙になって空きカン一味が消えてくれるかも知れません。楽しみです。
世界最大(売り上げで)の製薬会社のファイザーは、研究開発をアウトソースして、大量の研究者リストラの予定とか。大企業が自社での研究開発を放棄して中小のバイオテクからその成果を買い上げることでリスクを減らそうとする傾向は随分前から見られませすが、首を切られる研究者の身になるとやりきれません。バイオテクもハイリスク、ハイリターンに資金を提供する投資者がいて成り立ちますから、経済が厳しいと投資活動への資金流入は抑制されて、そういう所での研究者の雇用も低下していると思われるので、この大量リストラで首になった研究者の人々の再雇用も容易ではないだろうと同情します。
エジプトでムバラク辞任が決まった日に、アメリカの美人テレビレポーターが、興奮したカイロ市民に襲われ、激しい暴行をうけて入院中という話。チュニジアでの市民プロテストではフランス人が殺されました。ならば、エジプトでアメリカ人が襲われるのも当然予想できたことではないか、というのが私の感想。前、紹介したように、エジプトの革命の本質は民主化運動ではなく親米政権に反対する反米運動であるそうです。革命で興奮して判断力を失っている民衆には、アメリカ政府もアメリカ人のテレビレポーターも同じ憎むべき敵に見えるでしょう。このレポーターやその所属するテレビ局は、エジプトの市民革命の本質を十分理解していなかったのか、あるいは暴徒化の可能性をナメてかかっていたのでしょうか。ひょっとしたら「民主主義を大義にかざす国アメリカは「民主化」を求めるエジプト市民の味方だから、エジプト市民に襲われるはずがない、とでも勘違いしていたのかもしれません。危ないところに不用意に近づいた結果ですから、被害者の人には気の毒ですけど、起こるべくして起こった事件という気がします。
さて、数日前の鳩山氏のの話、ちょっと一言、言っておきたく思ったので。
鳩山氏が、「抑止力は在日米軍の普天間基地の辺野古移転のための方便」だった、というような発言をして、バッシングを受けています。マスコミは、小沢、鳩山の悪口を言いたくてウズウズしていて、ちょっとでも悪い方に曲解して針小棒大に言いふらすヤクザものですから、誤解を招いたり揚げ足を取られるようなことを言ったのはまずかったです。ネットでは、一般の人はまたマスコミがどうでも良いことで騒ぎ立てているという冷ややかな反応、私もマスコミがバカをまた晒していると思います。マスコミも「抑止力が方便といえば方便」という鳩山氏の言葉尻を捉えて、ガタガタ言うのなら、そもそも最初に何をもって「抑止力」と言うのか、その辺をキッチリ説明すべきであろうと思います。
鳩山氏、「沖縄に米軍が駐在することが即ち抑止力として働くのではない」という、言ってみればいまや常識となっていることを言いたかっただけの事でしょう。しかし、辺野古に基地を置かないということになると、アメリカの極東軍事戦略上のマイナスとなって、間接的にアメリカ軍に帰属する「抑止力」が低下する(だろう)と思われるので、辺野古に基地を新設することが「抑止力」につながる、というちょっと苦しい理屈です。
「政治とカネ」という意味不明の言葉を使って、マスコミがイメージ操作をしようとしているのと同様に、思うに「抑止力」の本質とは何かを人は良く考えなければなりません。辺野古移設賛成派の政治家の中に「抑止力とは何なのか、具体的に正直に説明してください」と聞いて説明できる人はいないのではないかと私は思います。というのは、「’抑止力とは何か」についての理解に建前と本音、方便と真実があって、本音をおおっぴらに言えないからだと思います。
私は「抑止力」という概念そのものを信じておりませんが、実際に「抑止力」が存在するとしたら、抑止力とは「核兵器」に他ならないと思います。即ち、対立する国同士が、ボタンを押したら自分も相手も破滅するような力をお互いに持ち合うときに、その恐怖の拮抗バランスのことを「抑止力」と呼ぶのではないでしょうか。核でなくても、エボラウイルスでもサリンでもそういう意味では抑止力になり得ると思いますが、現状では「核兵器」が抑止力の本体と言ってよいのではないかと思います。ならば海兵隊程度では恐怖が足りないので、抑止力にはとてもなり得ないのは当然です。鳩山氏、「抑止力」とは核兵器のことであり、「抑止力」を行使するためには、日本に核兵器をおく必要がある、というあたり前のことを、国民に向かって言うことができなかったので、核兵器の部分をワザとぼかして「抑止力」について語ったのだと想像します。私見では、普天間基地の移設と辺野古基地の新設は基本的には独立したものでしょう。むしろ、辺野古基地新設の口実に普天間が使われているとさえ私は思います。
前にも何度か書きましたが、非核三原則は建前であり、佐藤A作が首相だったころから、核持ち込みについての密約があったことがすでに明らかにされ、そして事実、日本に核が持ち込まれていました。しかし、密約といってもも国と国との間の契約のようなものですから、簡単に反故にするわけにはいきません。普天間基地の辺野古移設の本質は、辺野古には(一応、秘密であるが)核兵器貯蔵庫があって、米軍の核の抑止力を維持するためには、辺野古に基地を造るしかない、ということだったのだろうと思います。沖縄の在日米軍そのものは、思いやり予算を取るための口実に過ぎないでしょう。だいたい、彼らは日本や日本人を守るためにそこにいるのではなく、アメリカ極東軍事戦略の一部として存在しており、極東やアジアで何か起こった時には、アメリカ軍人とアメリカ人を守るために沖縄にいるのだということが明言されています。日本をバカにした話です。それが証拠に、日米安保条約というものはいつの間にか日米軍事同盟と呼び名がかわり、在日米軍の目的は日本の安全保障のためではなく、アメリカの軍事戦略のためにあり、日本はアメリカの軍事戦略に協力しなければならないというフザケた内容に変化しています。
鳩山氏、さすがに立場上、沖縄には核兵器庫があって、その核兵器が抑止力の正体だ、沖縄の人はガマンしてください、とは言えなかったのでしょう。一方、非核三原則を盾に沖縄海軍と核兵器の全面撤退を要求する事も可能であっただろうと私は思います。しかし、思いやり予算や基地のスペースなどなど、日米軍事同盟というのは、アメリカにとって余りに美味しすぎるわけですし、また、沖縄や日本側にも、基地にぶら下がる利権者は大勢いて、日本側も一枚岩では全くない、そんななかで、鳩山氏は、各方面から脅かされたのだろうと私は想像しています。
いずれにしても、抑止力とは方便だ、というのは、本音でしょうが、真実をぶちまけることができないのなら、言うべき台詞ではありませんでした。鳩山氏、口が軽いとか、無責任とか、いろいろ怒っている人もいるようですが、私は、政治家として鳩山氏は正直者すぎるのだろうと思います。人間としては軽いのが良いと私は思っておりますし、正直は最上のポリシーだとも思います。だから、日本という国は、政治家が国民に向かって方便を言わねばならないような国、つまり正直にものが言えないような国であるいう事実の方が、鳩山氏の発言そのものよりももっと深刻な問題であると私は思います。
小沢氏支持の民主党衆院議員16人が会派の脱退届けを出したとのこと。宣戦布告ですね。いろいろな思惑もあるのでしょうが、これで、ただでさえ国会を乗り切れずに総辞職か解散になるだろうと予測される空きカン政権にトドメの一撃になるのではないのでしょうか。民主党を蹴り出されるべきなのは、クーデターで政権をとった空きカン一味でしょう。早いとこ全員消えてもらいたいと切に願っております。三月に空きカンが雪隠詰めになって辞めざるを得なくなったときにヤケクソ解散総選挙になって空きカン一味が消えてくれるかも知れません。楽しみです。
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