これを書いている時点では、小沢氏秘書三人の判決はでていません。この事件については何度も触れましたが、一般の人のどれぐらいの人がこの事件の立件内容と本質を理解しているだろうかと私は不安に思います。特捜は(選挙前に小沢氏を不利にするようにという指示があったのでしょう)水谷建設のヤミ献金で小沢氏に泥をつけてやろうと画策したわけですが、何の証拠も無いので、5年も前の土地購入代金の支払い時期の不一致という政治資金規正法違反(実はこれは違反ではないようです)という名目で秘書を別件逮捕、それを口実に何度も強制捜査を入れて何とか裏献金の証拠を見つけようとしたがシロだったという話です。振り上げた拳を降ろしかねて、やむを得ず政治資金規正法違反だけは立件したという情けない話です。この事件に関わった特捜の重点メンバーが既に左遷されたり検察を辞めたりしているのを知っている人はどれぐらいいるでしょうか。これは明らかに無罪判決を予想してのトカゲの尻尾切りで、検察本体を守ろうとする動きです。小沢氏側が何度も言っているように、この違反という言いがかりをつけられているものは、土地購入代金の支払いと土地登記日が2ヶ月ほどずれているというだけの話です。こんなことで逮捕立件されるのなら、検察に目をつけられている人なら、過去五年間の何かの書類の日付をうっかり書き間違えたりしたら誰でも好きなように捕まえることができます。
私は当然、完全無罪判決で、検察に猛省を促すような判決になるのが法治国家として当然だと思いますが、裁判所と検察は、ある意味グルですから、裁判所が検察のメンツを立てるために微罪を適用する可能性はあります。完全無罪となった場合、世間の検察に対するバッシング(村木さん事件も記憶に新しい所です)、その検察リークを垂れ流して来たマスコミに対する不信など、権力側にとって不都合なことがいろいろおこり得ます。ただでさえ、政府と役人は地震後、信頼を全く失っている状況ですから。それを恐れて裁判所は微罪を出す可能性もありうると思います。この件が無罪にさえならなければ、小沢氏の共謀罪の裁判も継続できて、権力側にとってはまだ丸く収まる可能性があると裁判官が考える可能性も高いと思います。今となっては、矜持に富む裁判官がマトモな判決を出すことを望むばかりです。
逆に言えば、これが無罪にならないようでは、日本はまだまだ幼稚な官僚独裁国家から脱する見込みはないと思います。阿久根市前市長の竹原氏が言うように、なにしろ日本は司法、立法、行政にマスコミを加えた四権連立ですから、病根は深いです。
これが政治家秘書におこった一般国民とは関係のない話と考えて欲しくないと私は思います。この事件の経緯を見れば、これは明らかに小沢氏失脚を狙った政治的謀略に国家権力が使われたという極めて野蛮な事件であり、日本がまだまだ戦前の警察国家に過ぎないことを示しています。権力側に都合の悪い人間は誰でも好きなように迫害し始末することができるということです。明日は我が身ということです。
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