『左 おぐりす道 岡本尺角(真ん中の棒が突き抜けた旧字)建之』
『だいご一言寺是より十七丁』
建之は『けんし』とか『これをたつ』と読み、一丁の距離は60間でおよそ109mだそうだ。十七丁は1.8km余り。丁を使う道しるべの時代は、どれくらい前だろう。その古い時代にすでに指差す手が彫られているのが面白い。
左の方は『左』の字だが、右の方角を差すのは左手。右ではなく左の方とは直角の方角ということでこうなったか。
電柱を立てるときに電気工事屋さんが困っただろうと思われる。『絶対傾かないように終るまでしっかり支えておけよ』などと命令されて困り顔の若い衆の顔が思い浮かぶ。そんなことを言う意地の悪い先輩やら親方がいるんですよ往往にして。