焼き魚はサンマならば1、2度あるけれどアジは初めて焼いた。
前のお宅の息子さんが海釣りに行ってきたという。
塩を振って焼いたらうまいと簡単に言ってくれるし、私もそう思った。
言い添えてくれたように頭を取ってみた。
出刃包丁の切れが悪いせいか、切ろうと力を入れると口をギャーと叫ぶように開く。
頭に身も結構あるので小さい一匹でやめた。
はらわたを取り出すようにとも聞いていたので腹を裂く。
内臓なんてわずかしかないものだと改めて思う。
釣ってきたばかりで新鮮なのだから、はらわたは取らなくても良かったのではないか。
一回に三匹は多すぎかと思い、大きいのは冷蔵庫に残し、網にアルミフォイルを敷いて焼いてみる。
油を引かなければならなかったのか、皮がペロリと剥ける。
そうか、塩を振るのを忘れたからかと思いつつ塩を両側にふりかける。
いくら新鮮でも生焼けは避けたいので、つついて確かめながらいちおう焼き魚完成。
網を持ち上げると、二重構造の焼き網の中でコロコロと音がする。
アジの目でさえも私は必ず食べるのに、片目が取れて網の中で転がっていた。
ポン酢をかけていただいたけれど、なぜかヘニャヘニャと柔らかい。
味としてはまずいわけではないけれど、身がしまっていなくて、味わう間もなく完食。
春先のアジはこういうものか。
久々の魚で、しかも自分で焼いたタンパク質にありがた味はあった。