ウチの田舎で木の芽といえば、サンショのことではなく、アケビやミツバアケビの新芽のこと。
同株に雌雄異花をつける。
アケビの雄花は寄り集まって花びらをそっくりかえらせ、玉を見せびらかしているような雰囲気。
男の幼さや競争心を露呈している風情。
花の色合いは、染まりきっていない恥じらいや躊躇いを思わせるユルさ。
一方ミツバアケビの花は黒い花。
黒いチューリップに似た気品がある。
こちらも小さくて寄り集まっているのは雄花で、堂々とセクシーに独立しているのが雌花。
なんだか男でいるのが恥ずかしくなるような風情。
ウチでは雪囲い用の柱やテレビのケーブルなどに巻きついて伸び上がるので、家の周りを歩くだけで木の芽が少し採れる。
新芽同士が絡み合っているのを採るのが効率的。
サッと茹でて水に晒してから、醤油を少し垂らした生卵で食べる。
黄身だけで食べると更においしいらしいけれど、キミだけ使われボクは除け者などと、使い古されたキミボクギャグ。
一昨日は一握りの木の芽を夕食のおかずの一品として全部食べてしまった。
そうして、次の日に大変な糞詰まりで苦しんだのだけれど、これが原因だったかどうかは分からない。