20年以上前にいただいたシンビジウムは、きちんと管理できていないながら、毎年何本か花茎を立ち上げる。
蘭なのに寒さには意外なほど強いけれど、花茎を見つけた鉢は屋内に取り込んで、水は水曜日にやると決めている。
今季は1本だけの花茎が立上がり、つぼみもふくらんできて、小さな楽しみの蜜が浮きでてきた。
それを爪楊枝ですくって舐めるのがいつもの楽しみなのだが、爪楊枝は木の味もするので、この頃は指先に直に着けて舐める。
大きくても3mmほどの蜜玉なのに、どんな蜜より爽やかで混じり気なく癖のない美味しさ。
ビニールハウスで、大量にシンビジウムを栽培している業者は蜜を舐めたりはしないのだろうな。
仕事の合間に、半日ほど小さなスプーンをもって蜜を小瓶に集めたら良いだろうなぁなどと、らちもないことを夢想する。