鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

キアシナガバチ

2008年08月03日 09時18分43秒 | 随筆或いはエッセイ
コガタスズメバチ、キボシアシナガバチに続いてキアシナガバチの巣が見つかった。ガレージに立てかけてある木製はしごに、止っては表面を削り取っていくのが何回か見られた。どこかで巣を作っているんだな、と思ってはいたのだが、あまり気にしなかった。一ヶ月足らず前だ。

暑い日が続くようになって、今度は水を飲みに来るようになった。それがかなりの頻度なのだ。10分と間が空かない。教えあって一つの巣の仲間が順繰りにやってくるのか、一匹の働き蜂が水汲み係りとなってやってくるのか、顔をみても個体識別ができないので判らない。

気温が暑い時に成長途中の幼虫に水を与える、というシーンをあるテレビ番組で観たことがある。飛翔力はすごいが、あんまり水は多く運べないだろうと思われるけれど、もしかしたらあの尻には、かなり空洞部分があるのだろうか。

画像の水飲みシーンは毎回同じ場所で同じポーズだ。これは外に置いているメダカ水槽が水漏れしていて、常にじわじわと出て一定量の水が表面張力によって保たれている場所なのだ。アオコが発生して薄い緑色の水なのに何ともないのかと心配になる。バクテリアもかなり発生しているだろうに。もしかして、いつも漏れていることにより水質が一定に保たれて、それが案配いいのかも知れない。

水を飲んでは家の裏手に曲って行く。空中の全く同じコースをたどる。デジカメを撮っている時は、飲んでから飛び立ち、いざ加速をかけようという位置に私がしゃがんでいた。殆んど私の顔に直線的に向ってきたのだ。通いなれたコースだと蜂も注意散漫になるらしい。5センチと離れていなかっただろう。『おっとっと、何だこの障害物は・・危ない危ない』そんな感じで私の鼻先でブレーキをかけ、垂直上昇をして頭をかすめて飛んで行った。

裏手を曲っていく時もかなりの速さなので、まさかウチに巣を作っているのではないだろうと思っていたのだが、フェンスの外側に作っているのが見つかった。前に見つかった小型のキボシアシナガバチの巣とは6m程離れているので問題は起きないのだろう。それより裏にお住まいの方が、気付いて不安にならないかが心配だ。

巣が8センチ以上になっていて、働き蜂も沢山巣に群れていた。昨日確認したところ、もう10センチ以上になっている。漫画などに描かれる典型的な形状で蓮の枯れた台を逆さまにした格好。私は子供の頃一度だけ蜂に刺されたことがあるのだが、それがこのキアシナガバチだ。サワグミの実を採りに行って巣があるのを知っていながら不用意に近づいたからだった。こめかみのあたりを刺されてそうとうひりひり痛かったのを覚えている。

テレビや新聞で、ハチに刺されてショック死とか入院などと夏になるとよく報道される。一度刺されて抗体ができる人が1割で、2%がアナフィラキーショックを起こす危険があるなどと、過剰に喧伝される。

オオスズメバチの大きさ、あの飛翔スピード、面構えには本当に身の危険を感じるが、蜂には私は殆んど怖さを感じない。巣の近くで急激な動きをしない。常に蜂の動きを見ながら間合いを取る。これさえ守っていれば大丈夫だ。でも攻撃を受けたときの反撃体制はしっかりと保ち、一撃必殺の構えも怠らないことだ。

退治する時は用意周到に一気呵成に逡巡なくやらなければならない。今のところさしたる不都合はないので退治する気はない。蜂の子料理を是非食べたいという客が来たら、その時はどうするかわからない。ますます夏真っ盛りで暑いのに、別のよい水場を見つけたか、キアシナガバチはここしばらく水汲みにやって来ないので何となく寂しい気がしている。

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