1月5日に市の消防団出初式がありました(町村合併で、今年が市として始めて)。
3年前から地域の消防団活動についておりまして、出初式に出たというわけです。
野外の運動場に集まって、一通りの式をすませてから
いよいよ来賓挨拶というのがあるのでした。
7~8人でしたでしょうか。祝辞の代読だったり、いろいろです。ほかに電報の披露。団員が立ったままに整列して聞いているわけです。この日は快晴で、風もなく、おかげで助かりました。
ちなみに昨年は途中から雪が風に舞っておりました。
午後は、各地区ごとの分団での食事飲み会。そこでの区長さん方の話の中に、昔は天皇陛下の祝辞代読があったようだ。ということでしたが、どなたも聞いたことはないとのことです。いつ頃のことだったのでしょう?
帰ってきてから、思い出して、元旦の新聞を取り出してみました。
そこに天皇陛下の記事を探したのです。ありました。産経新聞が陛下のご感想全文を引用しておりました。5紙でいちばん小さな記事にしていたのは、朝日新聞。こうして比較してみると朝日新聞の取扱いのゾンザイさが鮮やかに浮き上がり、あらためて驚きます。それはそれとして、産経新聞の「天皇陛下のご感想(全文)」をここに、せめて肝腎な箇所でも引用してみます。
「昨年も、大雪や豪雨、台風、竜巻などの自然災害で、150人もの人命が失われたことは痛ましいことでした。新潟県や福岡県では、地震災害のため、この冬も仮設住宅で暮らしている人々のことが心にかかっています。また、台風による潮風害などで稲作などに大きな被害を受けた地域もあり、農家の人々の心痛が察せられます。新しい年の始めに当たり・・皆が、互いに信頼し合って暮らせる社会を目指し、力を合わせていくよう、心から願っています。」
お歌も掲載されております。
「新年にあたり、宮内庁は天皇、皇后両陛下が昨年中に詠まれたお歌のうち、計8種を発表した」と説明があって8首(天皇が5首、皇后が3首)が並んでおりました。
天皇陛下の最初の2首は
〈大雪〉
年老いしあまた住む山里に雪下ろしの事故多きを憂う
〈三宅島〉
ガス噴出未だ続くもこの島に戻りし人ら喜び語る
皇后陛下は、ここでは朝日新聞が省いていた歌を、引用してみましょう。
〈帰還〉
サマワより帰り来まさむふるさとはゆふべ雨間(あめま)にカナカナの鳴く
また「東京新聞」には、他の新聞に書いてないこんな言葉がありました。
「天皇陛下は前立腺がんの手術から四年がたち、ホルモン治療を継続している。皇后さまとともに五月にスウェーデン、バルト三国、英国を公式訪問するほか、六月に全国植樹祭で北海道、八月に陸上の世界選手権開会式で大阪府、九月に国民体育大会で秋田県、十一月には全国豊かな海づくり大会で滋賀県を訪問するなど多忙な日々。公務の負担軽減が検討課題になっている。」
もし私が、壇上で挨拶をするならば、と思ったりするのでした。
迷わずに天皇陛下の、ご感想とお歌とを、代読させていただくだろうなあ。
私なら、そうするなあ。団員を前に、ゆっくりと朗読したいと思います。
それは、聞いてきたどの来賓の祝辞よりもすばらしい。
冬のグランドで祝辞を聞かされるガマンならば、
できるならば、心があたたまる言葉を聞きたいじゃありませんか。
ただ、天皇皇后のお言葉だから、というのじゃなくてね。
思わず朗読したくなる言葉としてみても、陛下のお歌・ご感想が魅力です。
まあ。出初式の挨拶というのは、私の初夢の御愛嬌ですが、
もし天皇陛下の新年のご感想全文を読みたいなら、来年からは、産経新聞です。
天皇皇后両陛下のお歌8首も漏れなく、取り上げております。
ちなみに、お歌引用は
東京新聞も全首。
読売新聞が天皇陛下(5首中3首)皇后さま(3首中2首)。
朝日新聞は読売と同じ数(お歌の選択は別)。
日経新聞は陛下3首、皇后1首を取り上げておりました。
歌やご感想には、言葉とともに姿と呼べるものがそなわっておりますよね。
かってに端折ったり、要約したりしてはなりません。
言葉を加工して、誤解を増幅させてはなりません。
何よりも、産経新聞の見識を、みごとと褒めて、新年の所感といたします。
写真では、東京新聞がカラー写真の天皇ご一家。
凄いのは、朝日新聞の写真でした。
天皇陛下のご感想で、わざわざ地域を特定して語ったご感想の
「新潟県や福岡県では、地震災害の・・」という言葉を要約から消して、
そのかわり中野龍三という書名記事で、新潟の地震被害者の記事を載せています。
その掲載の仕方がすごいのです。
第2社会面の上に仮設住宅での被災者の写真を大きく取り上げています。
部屋で年輩のご婦人が足をのばして座り、お孫さんに年越しそばを食べさせております。
その下に記事があり、さらにその下に天皇家の新年用の写真。
被災者の写真の6~7分の1のサイズの小さな天皇家の写真でした。
その下には短期大学の広告。ですから広告の文字の大学名の上に天皇家の写真が乗っかっている感じに見えるように配列しております。いやはや朝日新聞はすごいなあ。
映像センスがすごいのです。天皇家ご一家の写真が、被災者のおばあさんの伸ばした足の長さに納まってしまう小ささで、しかも被災者の尻の下におかれ、短大広告の大学名の一文字に陛下お一人が隠れてしまいそうに配列されております。
朝日新聞の、ここがすごいのですね。
新年の出初式で陛下のご感想を読み直そうと思って、元旦の新聞をひっぱりだしてきたら、うかつにも、あらためて、写真の配列に気付いて注意が及んだわけです。朝日新聞の写真処理はすごいなあ。これを朝日新聞が掲げる表現の自由と呼ぶのでしょう。伝えたい言葉は隠され。写真の配列は、明らかに意識的で、確信犯的。いやはや。
3年前から地域の消防団活動についておりまして、出初式に出たというわけです。
野外の運動場に集まって、一通りの式をすませてから
いよいよ来賓挨拶というのがあるのでした。
7~8人でしたでしょうか。祝辞の代読だったり、いろいろです。ほかに電報の披露。団員が立ったままに整列して聞いているわけです。この日は快晴で、風もなく、おかげで助かりました。
ちなみに昨年は途中から雪が風に舞っておりました。
午後は、各地区ごとの分団での食事飲み会。そこでの区長さん方の話の中に、昔は天皇陛下の祝辞代読があったようだ。ということでしたが、どなたも聞いたことはないとのことです。いつ頃のことだったのでしょう?
帰ってきてから、思い出して、元旦の新聞を取り出してみました。
そこに天皇陛下の記事を探したのです。ありました。産経新聞が陛下のご感想全文を引用しておりました。5紙でいちばん小さな記事にしていたのは、朝日新聞。こうして比較してみると朝日新聞の取扱いのゾンザイさが鮮やかに浮き上がり、あらためて驚きます。それはそれとして、産経新聞の「天皇陛下のご感想(全文)」をここに、せめて肝腎な箇所でも引用してみます。
「昨年も、大雪や豪雨、台風、竜巻などの自然災害で、150人もの人命が失われたことは痛ましいことでした。新潟県や福岡県では、地震災害のため、この冬も仮設住宅で暮らしている人々のことが心にかかっています。また、台風による潮風害などで稲作などに大きな被害を受けた地域もあり、農家の人々の心痛が察せられます。新しい年の始めに当たり・・皆が、互いに信頼し合って暮らせる社会を目指し、力を合わせていくよう、心から願っています。」
お歌も掲載されております。
「新年にあたり、宮内庁は天皇、皇后両陛下が昨年中に詠まれたお歌のうち、計8種を発表した」と説明があって8首(天皇が5首、皇后が3首)が並んでおりました。
天皇陛下の最初の2首は
〈大雪〉
年老いしあまた住む山里に雪下ろしの事故多きを憂う
〈三宅島〉
ガス噴出未だ続くもこの島に戻りし人ら喜び語る
皇后陛下は、ここでは朝日新聞が省いていた歌を、引用してみましょう。
〈帰還〉
サマワより帰り来まさむふるさとはゆふべ雨間(あめま)にカナカナの鳴く
また「東京新聞」には、他の新聞に書いてないこんな言葉がありました。
「天皇陛下は前立腺がんの手術から四年がたち、ホルモン治療を継続している。皇后さまとともに五月にスウェーデン、バルト三国、英国を公式訪問するほか、六月に全国植樹祭で北海道、八月に陸上の世界選手権開会式で大阪府、九月に国民体育大会で秋田県、十一月には全国豊かな海づくり大会で滋賀県を訪問するなど多忙な日々。公務の負担軽減が検討課題になっている。」
もし私が、壇上で挨拶をするならば、と思ったりするのでした。
迷わずに天皇陛下の、ご感想とお歌とを、代読させていただくだろうなあ。
私なら、そうするなあ。団員を前に、ゆっくりと朗読したいと思います。
それは、聞いてきたどの来賓の祝辞よりもすばらしい。
冬のグランドで祝辞を聞かされるガマンならば、
できるならば、心があたたまる言葉を聞きたいじゃありませんか。
ただ、天皇皇后のお言葉だから、というのじゃなくてね。
思わず朗読したくなる言葉としてみても、陛下のお歌・ご感想が魅力です。
まあ。出初式の挨拶というのは、私の初夢の御愛嬌ですが、
もし天皇陛下の新年のご感想全文を読みたいなら、来年からは、産経新聞です。
天皇皇后両陛下のお歌8首も漏れなく、取り上げております。
ちなみに、お歌引用は
東京新聞も全首。
読売新聞が天皇陛下(5首中3首)皇后さま(3首中2首)。
朝日新聞は読売と同じ数(お歌の選択は別)。
日経新聞は陛下3首、皇后1首を取り上げておりました。
歌やご感想には、言葉とともに姿と呼べるものがそなわっておりますよね。
かってに端折ったり、要約したりしてはなりません。
言葉を加工して、誤解を増幅させてはなりません。
何よりも、産経新聞の見識を、みごとと褒めて、新年の所感といたします。
写真では、東京新聞がカラー写真の天皇ご一家。
凄いのは、朝日新聞の写真でした。
天皇陛下のご感想で、わざわざ地域を特定して語ったご感想の
「新潟県や福岡県では、地震災害の・・」という言葉を要約から消して、
そのかわり中野龍三という書名記事で、新潟の地震被害者の記事を載せています。
その掲載の仕方がすごいのです。
第2社会面の上に仮設住宅での被災者の写真を大きく取り上げています。
部屋で年輩のご婦人が足をのばして座り、お孫さんに年越しそばを食べさせております。
その下に記事があり、さらにその下に天皇家の新年用の写真。
被災者の写真の6~7分の1のサイズの小さな天皇家の写真でした。
その下には短期大学の広告。ですから広告の文字の大学名の上に天皇家の写真が乗っかっている感じに見えるように配列しております。いやはや朝日新聞はすごいなあ。
映像センスがすごいのです。天皇家ご一家の写真が、被災者のおばあさんの伸ばした足の長さに納まってしまう小ささで、しかも被災者の尻の下におかれ、短大広告の大学名の一文字に陛下お一人が隠れてしまいそうに配列されております。
朝日新聞の、ここがすごいのですね。
新年の出初式で陛下のご感想を読み直そうと思って、元旦の新聞をひっぱりだしてきたら、うかつにも、あらためて、写真の配列に気付いて注意が及んだわけです。朝日新聞の写真処理はすごいなあ。これを朝日新聞が掲げる表現の自由と呼ぶのでしょう。伝えたい言葉は隠され。写真の配列は、明らかに意識的で、確信犯的。いやはや。