和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

蝸牛(かたつむり)。

2009-06-16 | 幸田文
6月にはいって、道路に蛇のペシャンコに轢かれた様子が目につく地方におります(笑)。
今日の読売俳壇をみていたら、正木ゆう子選の最初は青大将でした。

  ひさびさに会ふ青大将元気元気   別府市 河野靖朗

【評】元気なのは青大将なのだろうが、作者のようでもある。
山歩きでもしているのか、リズムに乗って思わず口を衝いたような下五が楽しい。まさに俳句は勢いこそ大事。


あじさいの季節には、カタツムリをよく見かけます。
宇多喜代子選の俳句の3番目にありました。

 でで虫の今発心の歩速かな   静岡市 広瀬弘

【評】のろのろと進む蝸牛。その蝸牛にも『発心』というものがある。
その時が『今』だというのだ。



青木玉対談集「祖父のこと母のこと」(小沢書店)のはじめのほうにありました。


「小石川蝸牛庵は昭和二年に移ってきたんです。
祖父は『蝸牛庵というのは、家がないということさ。身一つでどこへでも行ってしまうということだ。昔も蝸牛庵、今もますます蝸牛庵だ』と言いましたが、要するに祖父は自分の背中に殻を背負って、ヌーヌーどこへでも出ていこうという思いがあったんですね(笑)。その前にとりあえず住んだ向島蝸牛庵は、今、犬山の明治村へ行ってます。」(p13)


うん。ついでに、新美南吉の「でんでんむしの かなしみ」も思い浮かんできたりします。
コメント
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