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和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

揺れを感じるやいなや。

2013-12-12 | 地震
武村雅之著「地震と防災」(中公新書)

「津波の速度がジェット機並みだといっても、震源から地震波として揺れが伝わってくる速度からすればそれほど速くはない。地震波のうち最初に到達するP波の速度は秒速六キロメートル、時速では二万一六○○㌔メートル、主要動を引き起こすS波でも秒速三㌔メートルで時速に直すと一万八○○㌔メートルとなる。
いずれも津波の伝わる速度に比べるとはるかに速い。
このことは、津波が来る前に陸地では必ず揺れを感じることを意味し、
揺れを感じた時点で高台に逃げれば津波から命を守れることを示している。
ただし、揺れを感じてから津波が来るまでの時間は震源が近いほど短くなり、
関東地震のように陸地の近くに震源がある場合にはせいぜい数分の猶予しかない。
それでも、伊豆半島や宇佐美や下田では、
揺れを感じた直後に適切な避難行動をとって
人的被害を最小限に食い止めた。
宇佐美では元禄16(1703)年の元禄地震の際の津波で、
人口1200人の約四分の一が死亡するという大災害を経験し、
下田でも元禄地震や嘉永7(1854)年の安政東海地震の際に、
数百戸が流失するという大きな被害を出していた。
人々はそのときの教訓を思い出し、
関東地震のときには揺れを感じるやいなや、
すぐさま高台などに避難したのである。」(p29~30)
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