今年の1月は、新聞を二紙とっております。
さっそく、1月14日。
二紙に補助線がひけそうです。
読売新聞の読書欄で
橋本五郎さんの書評本は
平川祐弘著「戦後の精神史」(河出書房新社)
その書評の最後を引用。
「〈歴史を解釈するときに、
まずある大前提となる原理をたてて、
そこから下へ下へと具体的現象の説明に
及ぶ行き方は、あやまりである。
『上からの演繹』は、
かならずまちがった結論へと導く。
事実につきあたるとそれを歪めてしまう〉
読み終わって痛感するのは
竹山の指摘は決して過去のことではない、
『上からの演繹』は今も一部ジャーナリズムの
世界で蔓延しているではないかということである。」
その「一部ジャーナリズムの世界で蔓延している」
というのは、産経新聞を開くと具体的に展開されています。
1月14日の産経コラム「新聞に喝!」は
門田隆将さん。
「昨夏、読売がこの点について興味深い記事を掲載した。
早稲田大学現代政治経済研究所との共同調査で、
若者が、リベラルとは『自民党や日本維新の会』であり、
保守とは『公明党や共産党』であるという認識を持っている
ことをリポートしたのだ(8月11日付)。」
うん。ここ大事な箇所なので、すこし長く引用。
「安倍政権がアベノミクスや『地球儀を俯瞰する外交』を展開し、
日本維新の会が大阪都構想に挑戦するなど変革を目指しているのに対して、
旧来の体質のままの公明党や共産党が『保守勢力である』という
斬新な考えを持つ若者たちについて初めて言及したのだ。
国内外のさまざまな現実に対応していこうという人々と、
イデオロギーに固執して現実を見ようとしない理想論、
すなわち観念に縛られた人々との意識の差について
考えさせられる記事だった。
2カ月後の総選挙では、この分析を裏づける結果が出た。
各種世論調査で、29歳以下の若者の半分近くが
『比例投票先』として自民党に投票していた
ことが明らかになったのだ。
全世代の中で若年層が安倍政権の支持基盤になっている
ことが浮き彫りになった。だが、
現実を分析できない新聞は、これを
『若者の保守化』と論じた。
観念論の代表は朝日である。
元日の社説で朝日は、
『来るべき民主主義 より長い時間軸の政治を』
と題して、安倍政権は迷走しており
『与えられた豊富な時間を大切に使い、
政策を着実に積み上げてきただろうか』と非難を展開した。
だが、その根拠は
『国政選挙を実に頻繁に行ったことにある』
という珍妙なものだった。
なんと、民主党の野田政権による解散総選挙も入れて
この5年間に5回も『選挙を行った』と批判した。
実際には安倍政権は5年間に2回解散総選挙を打ったが、
これはこれまでの通常の衆院選の間隔と変わらない。
社説は、この強引な印象操作ののちに、
『若い人の声をもっと国会に届けるため、
世代別の代表を送り込める選挙制度を
取り入れてみては、という意見もある』と、
意味不明の主張を行っている。
『はあ?』と思わず声を上げてしまった。
就職や結婚、家族の構築・・・といった
将来の人生のために最も『現実』を見据えている若者と、
主義主張にこだわるだけの新聞との乖離は、
広がるばかりだ。・・・・」
両新聞で浮き彫りになる朝日新聞。
新聞を二紙すり合わせる、その贅沢な味わい。
さっそく、1月14日。
二紙に補助線がひけそうです。
読売新聞の読書欄で
橋本五郎さんの書評本は
平川祐弘著「戦後の精神史」(河出書房新社)
その書評の最後を引用。
「〈歴史を解釈するときに、
まずある大前提となる原理をたてて、
そこから下へ下へと具体的現象の説明に
及ぶ行き方は、あやまりである。
『上からの演繹』は、
かならずまちがった結論へと導く。
事実につきあたるとそれを歪めてしまう〉
読み終わって痛感するのは
竹山の指摘は決して過去のことではない、
『上からの演繹』は今も一部ジャーナリズムの
世界で蔓延しているではないかということである。」
その「一部ジャーナリズムの世界で蔓延している」
というのは、産経新聞を開くと具体的に展開されています。
1月14日の産経コラム「新聞に喝!」は
門田隆将さん。
「昨夏、読売がこの点について興味深い記事を掲載した。
早稲田大学現代政治経済研究所との共同調査で、
若者が、リベラルとは『自民党や日本維新の会』であり、
保守とは『公明党や共産党』であるという認識を持っている
ことをリポートしたのだ(8月11日付)。」
うん。ここ大事な箇所なので、すこし長く引用。
「安倍政権がアベノミクスや『地球儀を俯瞰する外交』を展開し、
日本維新の会が大阪都構想に挑戦するなど変革を目指しているのに対して、
旧来の体質のままの公明党や共産党が『保守勢力である』という
斬新な考えを持つ若者たちについて初めて言及したのだ。
国内外のさまざまな現実に対応していこうという人々と、
イデオロギーに固執して現実を見ようとしない理想論、
すなわち観念に縛られた人々との意識の差について
考えさせられる記事だった。
2カ月後の総選挙では、この分析を裏づける結果が出た。
各種世論調査で、29歳以下の若者の半分近くが
『比例投票先』として自民党に投票していた
ことが明らかになったのだ。
全世代の中で若年層が安倍政権の支持基盤になっている
ことが浮き彫りになった。だが、
現実を分析できない新聞は、これを
『若者の保守化』と論じた。
観念論の代表は朝日である。
元日の社説で朝日は、
『来るべき民主主義 より長い時間軸の政治を』
と題して、安倍政権は迷走しており
『与えられた豊富な時間を大切に使い、
政策を着実に積み上げてきただろうか』と非難を展開した。
だが、その根拠は
『国政選挙を実に頻繁に行ったことにある』
という珍妙なものだった。
なんと、民主党の野田政権による解散総選挙も入れて
この5年間に5回も『選挙を行った』と批判した。
実際には安倍政権は5年間に2回解散総選挙を打ったが、
これはこれまでの通常の衆院選の間隔と変わらない。
社説は、この強引な印象操作ののちに、
『若い人の声をもっと国会に届けるため、
世代別の代表を送り込める選挙制度を
取り入れてみては、という意見もある』と、
意味不明の主張を行っている。
『はあ?』と思わず声を上げてしまった。
就職や結婚、家族の構築・・・といった
将来の人生のために最も『現実』を見据えている若者と、
主義主張にこだわるだけの新聞との乖離は、
広がるばかりだ。・・・・」
両新聞で浮き彫りになる朝日新聞。
新聞を二紙すり合わせる、その贅沢な味わい。