2018年1月12日は、「新しい広辞苑」の発売日でした。
当日、読売新聞の「広辞苑」広告に
「ことばは、自由だ。」とあって、
黒に白抜きで大きく、「やばい。」とある。
う~ん。目立つ広告でした。
う~ん。前後して私が思ったのは、
「やばい。」じゃなく「うざい。」。
そう、変更したくなるような雑誌掲載文を、
最近つづけて、私は読みました。
その前に
広辞苑に関しては、以前に2冊出ております。
2001年に渡部昇一・谷沢永一著「広辞苑の嘘」(光文社)
2013年に水野靖夫著「『広辞苑』の罠」(祥伝社新書)
後者の副題は「歪められた近現代史」とあります。
前著の「序にかえて」の中で、谷沢氏は
「火の用心、広辞苑用心」(p15)とあります。
前著の「結びにかえて」で渡部氏は
「・・今、改めて歴史認識や思想が
問題になる項目を拾い当たってみると、
なるほど見逃すことのできない偏向がある。
とくに注目するべきことは、版が新しいものほど
嘘が多くなっていることだった。
普通は辞書は版を重ねるほどよくなるはずだが、
『広辞苑』はその反対なのである。」(p280)
では、今年の新聞から
産経新聞では、1月13日と1月17日に記事が載り、
1月26日の産経新聞に、月刊Hanada3月号の全面広告を
出した際は、その裏ページの産経総合欄に
「広辞苑 相次ぐミス指摘」の記事。
「『台湾省』20年前から記載」とあります。
つぎは、今年発売されたばかりの雑誌。
月刊3月号のHanadaとWīLLの雑誌記事に
どちらも「広辞苑」関連の文が掲載。
以下に紹介しておきます。
WILLでは、
石平さんが
「広辞苑『台湾は中国の一部』は大ウソ」(p182~)
と題して、その文の最後は、
「今一度、日本、および日本人は
台湾という地の重要性を再認識すべきです。
我々は『広辞苑』を『虚辞苑』と呼ぼう
ではありませんか。」(p190)
もう一人、柚原正敬さんの
「『広辞苑』が何と言おうと、台湾は台湾です!」
(p192~)と題しております。
はじまりの方をすこし引用。
「2008年に『広辞苑』の第六刷が出た時点で、
友の会の会員が、『広辞苑』の電子辞書の
『日中共同声明』項にある、おかしな記述を見つけました。
そこでは、『日本は台湾が中華人民共和国に
帰属することを承認し』という内容が書かれていました。
そこで、前出の会員が出版元の岩波書店に抗議すると、
岩波書店は日中共同声明の文言との相違を認め
『刷を改める機会があり次第、訂正いたします』と
返答してきました。しかし、いつ訂正してくれるのかな、
と待っていたのですが、それ以来返事がない。
こうして待っているうちに、十年たち・・・」(p192)
この文の最後も引用しておきます。
「今回の騒動をきっかけに、
台湾をめぐる表記の複雑さが周知され、
日本国内の台湾に関する誤表記が、
少しでも減ることを願っています。」(p197)
雑誌Hanadaの方は、近現代史研究家・水野靖夫氏
題は「台湾の抗議も当然『広辞苑』は偏向、有害辞典」。
はじまりに、
「私は、2013年に『広辞苑の罠』を上梓し、
『広辞苑』に記述のおかしさを指摘していましたが、
大きな話題として取り上げられることはありませんでした。
今回、『広辞苑』の問題が表面化したのは
画期的なことだと思います。
問題となったのは『日中共同声明』の記述(第六版)です。」
(p302)
「広辞苑の問題が表面化したのは画期的なことだと思います」
というのが、実感がこもっておりますね(笑)。
さて、水野氏の文を多めに引用して
おわります。
「・・・世間は『広辞苑』に権威があると思っている。
しかし、実態はそうでもありません。
『広辞苑』が辞典のなかでいちばん売れていると
思っている人も多いかもしれませんが、
実は辞典のトップのシェアを誇っているのは『新明解国語辞典』。
広辞苑の二倍近く売れています。
かくいう私も『新明解』のファンです。
『広辞苑』の記述は非常に不明瞭な点が多いのですが、
『新明解』はわかりやすい。
たとえば、『鎮座』という言葉を引いてみましょう。
『広辞苑』ではこうあります。
〈 神霊がその地に鎮(しず)まりいること 〉
『鎮まる』とはどういうことかと思って
『広辞苑』を引くと、
〈 (神霊などが)鎮座する 〉となっています。
鎮座=鎮まりいる。鎮まる=鎮座。
これはトートロジー(同義語反復)であって、
言葉の解説ではありません。
『新明解』ではどう書いてあるか。
〈神霊がその場所を自分の土地として、長くとどまること 〉
『広辞苑』よりも言葉のニュアンスがはっきりわかります。
言葉のニュアンスを知りたいと思ったら、
『広辞苑』は不親切なのです。」(p308)
このあとに続く言葉は、
蛇足なので読まなくても結構ですが、
私は笑ってしまいました。
「『広辞苑』第七版の販促パンフの表紙には、
こんなキャッチコピーが書いてあります。
『ことばは、自由だ』
思わず、苦笑してしまいました。
朝日新聞が2006年に展開した
『ジャーナリスト宣言』のキャッチコピー
『私たちは信じている、言葉のチカラを』
と重なって見えたのです。
このキャッチコピーを目にした時、
こう思いました。
『言葉の力を散々悪用してきた朝日がよく言うよ』
安保法制で、朝日をはじめとする
左翼マスコミは『戦争法案』『徴兵制復活』などと
レッテルを貼って反対しました。
正しくは『戦争抑止法案』なわけですが、
これは言葉の悪用以外の何ものでもありません。
朝日のキャッチコピーと同じ違和感を、
『広辞苑』にも感じたわけです。」
このあとに、教育現場への説明がありました。
もう少し引用をつづけさせてください。
「朝日新聞が慰安婦報道を訂正した2014年、
下村博文議員や義家弘介議員が衆院文部科学委員会で、
『慰安婦は強制連行した』と誤った記述のある、
『広辞苑』をはじめとする辞典を問題視しています。
下村氏はこう言いました。
『表現の自由は尊重されるべきだが、
〈誤った説明を〉教育現場に持ち込むことは問題だ』
おっしゃるとおりで、『広辞苑』のような
≪有害図書≫は学校に置くべきではないと思います。」
(p308~309)
最後までお読みいただきありがとうございます。
キャッチコピーが出そろいました。
やばい。広辞苑。
火の用心、『広辞苑』用心。
版を重ねて悪くなる『広辞苑』。
『広辞苑』を『虚辞苑』と呼ぼう。
『広辞苑』が何と言おうと台湾は台湾です。
『広辞苑』は偏向、有害辞典。
『慰安婦は強制連行した』と誤った記述のある『広辞苑』。
『広辞苑』のような『有害図書』
画期的な『広辞苑』問題の表面化で、
これ以後は、
『広辞苑』引用するだけの先生を、
安易には、信頼してはなりません。
当日、読売新聞の「広辞苑」広告に
「ことばは、自由だ。」とあって、
黒に白抜きで大きく、「やばい。」とある。
う~ん。目立つ広告でした。
う~ん。前後して私が思ったのは、
「やばい。」じゃなく「うざい。」。
そう、変更したくなるような雑誌掲載文を、
最近つづけて、私は読みました。
その前に
広辞苑に関しては、以前に2冊出ております。
2001年に渡部昇一・谷沢永一著「広辞苑の嘘」(光文社)
2013年に水野靖夫著「『広辞苑』の罠」(祥伝社新書)
後者の副題は「歪められた近現代史」とあります。
前著の「序にかえて」の中で、谷沢氏は
「火の用心、広辞苑用心」(p15)とあります。
前著の「結びにかえて」で渡部氏は
「・・今、改めて歴史認識や思想が
問題になる項目を拾い当たってみると、
なるほど見逃すことのできない偏向がある。
とくに注目するべきことは、版が新しいものほど
嘘が多くなっていることだった。
普通は辞書は版を重ねるほどよくなるはずだが、
『広辞苑』はその反対なのである。」(p280)
では、今年の新聞から
産経新聞では、1月13日と1月17日に記事が載り、
1月26日の産経新聞に、月刊Hanada3月号の全面広告を
出した際は、その裏ページの産経総合欄に
「広辞苑 相次ぐミス指摘」の記事。
「『台湾省』20年前から記載」とあります。
つぎは、今年発売されたばかりの雑誌。
月刊3月号のHanadaとWīLLの雑誌記事に
どちらも「広辞苑」関連の文が掲載。
以下に紹介しておきます。
WILLでは、
石平さんが
「広辞苑『台湾は中国の一部』は大ウソ」(p182~)
と題して、その文の最後は、
「今一度、日本、および日本人は
台湾という地の重要性を再認識すべきです。
我々は『広辞苑』を『虚辞苑』と呼ぼう
ではありませんか。」(p190)
もう一人、柚原正敬さんの
「『広辞苑』が何と言おうと、台湾は台湾です!」
(p192~)と題しております。
はじまりの方をすこし引用。
「2008年に『広辞苑』の第六刷が出た時点で、
友の会の会員が、『広辞苑』の電子辞書の
『日中共同声明』項にある、おかしな記述を見つけました。
そこでは、『日本は台湾が中華人民共和国に
帰属することを承認し』という内容が書かれていました。
そこで、前出の会員が出版元の岩波書店に抗議すると、
岩波書店は日中共同声明の文言との相違を認め
『刷を改める機会があり次第、訂正いたします』と
返答してきました。しかし、いつ訂正してくれるのかな、
と待っていたのですが、それ以来返事がない。
こうして待っているうちに、十年たち・・・」(p192)
この文の最後も引用しておきます。
「今回の騒動をきっかけに、
台湾をめぐる表記の複雑さが周知され、
日本国内の台湾に関する誤表記が、
少しでも減ることを願っています。」(p197)
雑誌Hanadaの方は、近現代史研究家・水野靖夫氏
題は「台湾の抗議も当然『広辞苑』は偏向、有害辞典」。
はじまりに、
「私は、2013年に『広辞苑の罠』を上梓し、
『広辞苑』に記述のおかしさを指摘していましたが、
大きな話題として取り上げられることはありませんでした。
今回、『広辞苑』の問題が表面化したのは
画期的なことだと思います。
問題となったのは『日中共同声明』の記述(第六版)です。」
(p302)
「広辞苑の問題が表面化したのは画期的なことだと思います」
というのが、実感がこもっておりますね(笑)。
さて、水野氏の文を多めに引用して
おわります。
「・・・世間は『広辞苑』に権威があると思っている。
しかし、実態はそうでもありません。
『広辞苑』が辞典のなかでいちばん売れていると
思っている人も多いかもしれませんが、
実は辞典のトップのシェアを誇っているのは『新明解国語辞典』。
広辞苑の二倍近く売れています。
かくいう私も『新明解』のファンです。
『広辞苑』の記述は非常に不明瞭な点が多いのですが、
『新明解』はわかりやすい。
たとえば、『鎮座』という言葉を引いてみましょう。
『広辞苑』ではこうあります。
〈 神霊がその地に鎮(しず)まりいること 〉
『鎮まる』とはどういうことかと思って
『広辞苑』を引くと、
〈 (神霊などが)鎮座する 〉となっています。
鎮座=鎮まりいる。鎮まる=鎮座。
これはトートロジー(同義語反復)であって、
言葉の解説ではありません。
『新明解』ではどう書いてあるか。
〈神霊がその場所を自分の土地として、長くとどまること 〉
『広辞苑』よりも言葉のニュアンスがはっきりわかります。
言葉のニュアンスを知りたいと思ったら、
『広辞苑』は不親切なのです。」(p308)
このあとに続く言葉は、
蛇足なので読まなくても結構ですが、
私は笑ってしまいました。
「『広辞苑』第七版の販促パンフの表紙には、
こんなキャッチコピーが書いてあります。
『ことばは、自由だ』
思わず、苦笑してしまいました。
朝日新聞が2006年に展開した
『ジャーナリスト宣言』のキャッチコピー
『私たちは信じている、言葉のチカラを』
と重なって見えたのです。
このキャッチコピーを目にした時、
こう思いました。
『言葉の力を散々悪用してきた朝日がよく言うよ』
安保法制で、朝日をはじめとする
左翼マスコミは『戦争法案』『徴兵制復活』などと
レッテルを貼って反対しました。
正しくは『戦争抑止法案』なわけですが、
これは言葉の悪用以外の何ものでもありません。
朝日のキャッチコピーと同じ違和感を、
『広辞苑』にも感じたわけです。」
このあとに、教育現場への説明がありました。
もう少し引用をつづけさせてください。
「朝日新聞が慰安婦報道を訂正した2014年、
下村博文議員や義家弘介議員が衆院文部科学委員会で、
『慰安婦は強制連行した』と誤った記述のある、
『広辞苑』をはじめとする辞典を問題視しています。
下村氏はこう言いました。
『表現の自由は尊重されるべきだが、
〈誤った説明を〉教育現場に持ち込むことは問題だ』
おっしゃるとおりで、『広辞苑』のような
≪有害図書≫は学校に置くべきではないと思います。」
(p308~309)
最後までお読みいただきありがとうございます。
キャッチコピーが出そろいました。
やばい。広辞苑。
火の用心、『広辞苑』用心。
版を重ねて悪くなる『広辞苑』。
『広辞苑』を『虚辞苑』と呼ぼう。
『広辞苑』が何と言おうと台湾は台湾です。
『広辞苑』は偏向、有害辞典。
『慰安婦は強制連行した』と誤った記述のある『広辞苑』。
『広辞苑』のような『有害図書』
画期的な『広辞苑』問題の表面化で、
これ以後は、
『広辞苑』引用するだけの先生を、
安易には、信頼してはなりません。