和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

辞書には誤植や誤字はないはずだ。

2018-01-31 | 道しるべ
正論3月号が届く。そこに載っている
鼎談の一人が小川榮太郎氏でした。

さっそく、小川氏の言葉を引用。


「日本では他の自由主義国家と比べて
深刻な固有の問題があります。

日本人のマスコミ信頼度が
世界的にも比較を絶して高いということです。
マスメディアに対する信頼度調査結果をみると、
米国では22%、イギリスでは14%、
独仏でも30~40%程度なのに対し、
日本では実に73%もの人が
マスメディアを信頼しています。
7割の人が信頼しているメディアが
ウソばかり垂れ流しているとしたら、
日本の政治はもはやマスコミに簒奪されている、
という他ないのではないか。・・・」(p128)

こうもあります。

「とりわけ冷戦崩壊の後、
世界的にマスコミが過激なリベラルとなって、
自由社会において保守政権を叩くようになりました。
その結果、自由社会において『自分の国をしっかり守ろう』
とする姿勢がマスコミに叩かれて弱体化する一方、
リベラル(本来の意味は自由主義)を名乗っている人たちが、
全体主義国家・中国を結果的に強化させる世論をつくっている。
という奇妙な構造が、この30年続いています。」


もどって、
「日本人のマスコミ信頼度・・実に73%」。
うん。それならば、
日本人の辞書への信頼度は?
「広辞苑」を思うと複雑な気持ちになります。


「広辞苑」についてでは、渡部昇一・谷沢永一対談の
「広辞苑の嘘」(光文社・2001年初版)があります。

その「結びにかえて」は、渡部昇一氏。
題して「辞書の権威によった悪辣な所行」。

その箇所は、こうなっております。

「人は自分の引く辞書を信頼する。
辞書には誤植や誤記はないはずだ、
という先入観が一般にある、と言ってよいであろう。
そこにつけ入るとは、
何たる悪辣(あくらつ)な所行であろうか。」(p281)


さてっと、
読売新聞は1月分だけ、購読することにしました。
1月31日で、今年私は最後の読売新聞となります。
名残惜しく、読売新聞をひらくと、
そこに第22回読売出版広告賞が掲載されている。
その金賞は、何かと思えば、

金賞「岩波書店『広辞苑 第七版』」。


はい。
日本人はマスコミを信頼し。
自分の引く辞書を信頼する。
さらに日本人は金賞に弱い。



コメント
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