和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

ねえ それが

2024-05-28 | 詩歌
さてっと、昨年の講座では、8月の夏休みに高校の教室を借りて
公民館便りで一般の方を募集し、10数人参加でおこないました。

ほとんどが、70代以上でした。実施日は水曜日なので
60歳代の方々は仕事をしています。そんなこんなで、
思い浮かんだのは、曽野綾子さんの言葉でした。

「今度の地震でも、比較的老年の人はほとんど動揺を示さなかった。
 多くの人は、幸福も長続きはしないが、悲しいだけの時間も、
 また確実に過ぎて行く、と知っている。

 どん底の絶望の中にも、常に微かな光を見たからこそ、
 人は生き延びてきたのだという事実を体験しているのである。」

( p20 曽野綾子著「揺れる大地にたって 東日本大震災の個人的記録」 )

そういえば、思い浮かぶ詩がありました。

       希望    杉山平一

   夕ぐれはしずかに
   おそってくるのに
   不幸や悲しみの
   事件は

   列車や電車の
   トンネルのように
   とつぜん不意に
   自分たちを
   闇のなかに放り込んでしまうが
   我慢していればよいのだ
   一点
   小さな銀貨のような光が
   みるみるぐんぐん
   拡がって迎えにくる筈だ

   負けるな

 (p12~13 杉山平一著「詩集 希望」編集工房ノア・2011年11月2日発行)



ちなみに、曽野綾子氏は1931年生まれ。
そうして、杉山平一氏は1914年生まれ。
さらには、柴田トヨさん1911年生まれ。

柴田トヨ詩集「くじけないで」(飛鳥新社・2010年3月発行)から最後に引用


      あなたに 

    出来ないからって
    いじけていてはダメ
    私だって 96年間
    出来なかった事は
    山ほどある
    父母への孝行
    子供の教育
    数々の習いごと
    でも 努力はしたのよ
    精いっぱい
    ねえ それが
    大事じゃないかしら
    
    さあ 立ちあがって
    何かをつかむのよ
    悔いを
    残さないために

   

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする