ぼ~としながら、絵本イラストレーションの
絵本画家初山滋の特集号をひらく。ということで、
この数日思いつく絵本やらの関連古本をポチポチと注文。
初山斗作編「初山滋の世界 コドモノクニの頃」(すばる書房)。
本の最後には、初山滋氏の長男・初山斗作(とさく)の
「八つ、やったら酒のお父さん」と題する6ページの文。
そこに登場する初山滋を引用することに。
「私は、父と語り合ったというおぼえもないし・・・
父は、娘に、菜々(なな)・妹々(もも)・三茶(みさ)、
という名前をつけましたが、女優や俳人とはほど遠い、
いも娘ばかりです。息子の斗作もドラ息子です・・・
・・・父は『少年倶楽部』も買ってくれませんでした。
孫に、太樹(ふとき)・おん奈(な)・富女(とめ)・
素女(そめ)・照太(てるた)と名付けました。
女の子で、オンナというのには参りましたが、
とにかく、だらしなく可愛がっていました。
孫と一緒にテレビで怪獣漫画を見ているんです。 」
うん。お酒を飲んでいる姿が書かれているのですが、
何だか、夢にでも出てきそうな感じがする場面です。
「父が飯を食べている姿は、ついぞ思い浮かびません。
酒をよく飲み、まるで、非常に気に入っている空気の中に、
いつまでもいるみたいに、チビリ、チビリ、ズーッと飲んでいました。」
初めて知った初山滋画伯の住んでいた世界です・・・
コメントありがとうございます。
初山滋のくずし字鉛筆書きがありました。
うん。ここに引用したくなりました。
版画集のはじめにその字はありました。
「版画を素人してやるについて
貴方はすでに或る程度人間が
生きてきた事ついてすべて御承知になっている。
版画をー絵を作る事ーも他人の真似や
少年や少女のかく初歩の絵からやる
必要は更々なし。
自分のすき勝手な手法でやることがかん要で
人にみせるためにやるのではなく
自己の内に楽しむための作業として
やってみらるる事。
よく出来る出来ぬの懸念なく
又いいものを作らない事に何人も
感知しないこととしてやってみる事
但し刃でケガをなさられない御用心なさられたし」
くずし字なので、間違った引用場所が
あるかもしれないのですが、とりあえず。