和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

どこか憎めない。

2024-02-18 | 詩歌
「震災復興 後藤新平の120日」(藤原書店・2011年)に
添田知道が作詞した『復興節』が引用されておりました(p55)。

今日届いた、
武村雅之著「関東大震災がつくった東京」(中公選書・2023年)をひらくと、
その「まえがき」は『復興節』の一番を引用してはじまっているじゃありませんか。

その『復興節』の引用からはじめた武村氏は、こう指摘されています。

「冒頭に示したのは、東京で震災直後から流行ったとされる
 『復興節』の一番の歌詞である。

 復興節は演歌師の添田啞蝉(あぜんぼう)の長男さつきが
 最初につくったもので、歌詞はこの他にもいろいろある。

 『江戸っ子の意気』、『今川焼さへ、復興焼と改名して(商売する)』
 といったたくましさ。
 それに『騒ぎの最中に生まれた子どもにつけた名前が震太郎』などなど、

 本当は泣きたいような気持ちを笑いで吹き飛ばす
 前向きな歌詞に、庶民は勇気づけられた。   」(p12)

はい。せっかくなので、もう少し引用しておわります。

「 一方、父親の啞蝉坊は、
 『コノサイソング』という『復興節』の替え歌をつくった。

 震災直後には、後藤新平をはじめ、当時の為政者がなにかにつけて、
 『この際』と前置きして、帝都復興のさまざまな刷新を口にしたことから、
 それを風刺した歌である。どこか憎めない、
 また帝都復興に期待する明るさを感じる歌でもある。  」


う~ん。『添田啞蝉坊・知道著作集』(刀水書房)というのがあるんだって。

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