和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

好きなもの。

2010-02-21 | 短文紹介
毎日新聞の日曜日、読書欄「今週の本棚」。
そこで気になる「好きなもの」コーナー。
今日2月21日は、内田樹氏が書いておりました。
① お師匠さま。
② 宴会。
③ 明治の言葉。

たとえば、①はこうはじまります。
「子どもの頃から『師弟関係をつうじての技芸の伝承』という物語が大好きだった。」
次は、②の全文。
「家に客を呼んで酒肴(しゅこう)をもって歓待することは私にとって人生の最大欣快(きんかい)事である。この年末から新年にかけて参加した宴会12回のうち7回はわが家で開催した。これまでの最高参加者記録は45名。15畳のLDKにそれだけひしめくと、その状は『通勤ラッシュの山手線車内で花見酒を酌み交わしている人々』に近い。」

さて、①③とも全文読みたい方は、今日の毎日新聞、お買い下さい(笑)。

ところで、昨年の2009年11月15日。
「好きなもの」に登場したのが外山滋比古氏でした。
よい機会ですから、再録。
ここでは①と③。

①どうしたものか、旅行が好きでない。仕事は別にしてよそへ行ったことがない。それで留学もとうとうしなかった。その埋め合わせというわけでもないが、テレビの旅を楽しむ。ことに日曜の朝、NHK『小さな旅』は欠かさず見る。出不精な人間はそれで旅をしたつもりになるのである。
③ 本を読むのは、正直いって、それほどおもしろくない。仕事がらみの本が退屈なのは是非もないが、そのほかでも好きな本は限られている。いちばん影響を受けたのは寺田寅彦である。ものを考えることを学んだように思う。書けなくなったとき寅彦を読むと言った批評家がいたが、頭が濁っているときに読むと心まで澄んでくるような気がするから妙である。好きな文章は内田百。明治以降、これほどすぐれた文章を書いた人はないとひとり決めしている。外国のエッセイではやはりモンテーニュがいい。人間の勉強になる。ただ邦訳のスタイルが、私の好みに合わなくて残念だ。変わったところではショーペンハウエル『みずから考えること』(石井正訳・角川文庫)が好きである。小気味よく痛快である。もともと菊池寛の文章を好み、ひそかに崇拝している。編集感覚においては右に出るものはないと考え『話の屑籠(くずかご)』を愛読する。年とともにその人物に心惹かれるようになった。どこか、菊池寛アンソロジーを出してくれるところはないか。
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