和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

というものであった。

2025-02-07 | 本棚並べ
雑誌『諸君!』2009年6月最終号を本棚からとりだす。
最初の巻頭コラムは『紳士と淑女』(え・山田紳)。
巻頭コラムの最後には、『読者へ』という2ページ。

「・・ガン宣告と前後して、『諸君!』の編集長から電話があった。
『 やむを得ない事情により、『諸君!』が休刊に決まりました。・・ 』
 そうですか、長らくお世話になりました、と言って、私は電話を切った。」

この2ページの文の最後で、はじめて名前が明かされておりました。

「 なお、30年にわたって、ご愛読いただいた
  『 紳士と淑女 』の筆者は、徳岡孝夫というものであった。 」

特集の中に、「 『諸君!』と私 」という各界の署名短文が並んでいて、
当時もいちおうパラパラと読み流していたのですが、今あらためて再読。
うん。この雑誌のこの号は、古本で買えるのかどうか?
ここは、何回にもわけて、当ブログに引用したくなります。
たとえば、渡邉恒雄(読売新聞グループ本社会長・主筆)は
こう文をはじめておりました。

「 毎号『諸君』を手にして、とびつくように読んでいたのは、
  巻頭の匿名時評『 紳士と淑女 』だ。
  巧みなユーモアと、批評の切れ味の良さは、
  時には抱腹し、時には感嘆し、読後満足感にひたらせる。
  誰が執筆者か知らぬが、休刊によって『 紳士と淑女 』の
  読後の快感を味わうことが出来なくなるのは本当に残念だ。
 
  『諸君』は一貫してポピュリズム(大衆迎合)を排し、
  時局の中枢を突く批判精神で編集を続けて来た。
  通読するに便利な適度の頁数で、
  私はバックナンバーを書斎に陳列して来た。・・・  」(p158~159)

うん。この書斎に陳列してあった『諸君!』は、今、どうなったのだろう。
どういうわけだか、私の本棚には、この最終号だけは保存してありました。
この「『諸君!』と私」に執筆した方々の名前を列挙するのもいいのですが、
明日も、当ブログで、この方々の文を紹介してゆきたいと思うのでした。


ちなみに、『 諸君! 』の巻末コラムを担当していた
山本夏彦は、2002年10月23日に亡くなっておりました。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 非常にいい感じの言葉 | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本棚並べ」カテゴリの最新記事