雑誌『諸君!』2009年6月最終号を本棚からとりだす。
最初の巻頭コラムは『紳士と淑女』(え・山田紳)。
巻頭コラムの最後には、『読者へ』という2ページ。
「・・ガン宣告と前後して、『諸君!』の編集長から電話があった。
『 やむを得ない事情により、『諸君!』が休刊に決まりました。・・ 』
そうですか、長らくお世話になりました、と言って、私は電話を切った。」
この2ページの文の最後で、はじめて名前が明かされておりました。
「 なお、30年にわたって、ご愛読いただいた
『 紳士と淑女 』の筆者は、徳岡孝夫というものであった。 」
特集の中に、「 『諸君!』と私 」という各界の署名短文が並んでいて、
当時もいちおうパラパラと読み流していたのですが、今あらためて再読。
うん。この雑誌のこの号は、古本で買えるのかどうか?
ここは、何回にもわけて、当ブログに引用したくなります。
たとえば、渡邉恒雄(読売新聞グループ本社会長・主筆)は
こう文をはじめておりました。
「 毎号『諸君』を手にして、とびつくように読んでいたのは、
巻頭の匿名時評『 紳士と淑女 』だ。
巧みなユーモアと、批評の切れ味の良さは、
時には抱腹し、時には感嘆し、読後満足感にひたらせる。
誰が執筆者か知らぬが、休刊によって『 紳士と淑女 』の
読後の快感を味わうことが出来なくなるのは本当に残念だ。
『諸君』は一貫してポピュリズム(大衆迎合)を排し、
時局の中枢を突く批判精神で編集を続けて来た。
通読するに便利な適度の頁数で、
私はバックナンバーを書斎に陳列して来た。・・・ 」(p158~159)
うん。この書斎に陳列してあった『諸君!』は、今、どうなったのだろう。
どういうわけだか、私の本棚には、この最終号だけは保存してありました。
この「『諸君!』と私」に執筆した方々の名前を列挙するのもいいのですが、
明日も、当ブログで、この方々の文を紹介してゆきたいと思うのでした。
ちなみに、『 諸君! 』の巻末コラムを担当していた
山本夏彦は、2002年10月23日に亡くなっておりました。
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