和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

そうだ・ソーダ屋・村長さん。

2024-11-12 | 詩歌
そうだ。『日本わらべ歌全集』の中から、
『 そうだ。ソーダ 』を目次検索することに。
各冊子目次の「ことば遊び歌」項にありました。

    そうだ村の村長さん   ( 地口歌 )

  そうだ そうだ
  そうだ村の村長さんが
  ソーダ飲んで 死んだそうだ
  葬式まんじゅに あんがなかったそうだ  ( 米子市能党 )

    
【類歌】 そうだ、そうだ、ソーダ屋の宗助さんが、ソーダ飲んで、
     死んだそうだ、葬式まんじゅうは、うまかったそうだ。
                  ( 西伯郡淀江町九区 )

        ( p178 「日本わらべ歌全集20上・鳥取のわらべ歌」 )



こんな感じで、掲載されている県が、あるかどうかと各巻の目次をめくれば、
山形・千葉・愛知・埼玉・岐阜・熊本・愛知・山口
徳島・高知・香川・島根・新潟・茨城・北海道・群馬
と、載っておりました。ここはひとつ私が気になった歌と解説を引用

       ソーダ屋の   ( 地口歌 )

    ソーダ屋の ソーダ爺(じい)が
    ソーダ食って 死んだそうだ
    葬式ゃ 明日(あした)そうだ    ( 人吉市紺屋町 )

 「 『地口』とは、ありふれた成語と語呂の合う文句を作って、
   これを両様に聞きとらせる≪ しゃれことば ≫である。
   この歌は、『 ・・・だそうだ 』と言った者に、
   すかさずはやしたてる地口。・・・・       」
        ( p156 「日本わらべ歌全集25・熊本宮城のわらべ歌」 )


      そうじゃ そうじゃ   ( 地口歌 )

   そうじゃ そうじゃ
   総社(そうじゃ)村の 村長さんが
   ソーダ飲んで 死んだそうじゃ
   葬式まんじゅう でっけえそうじゃ
   おいらが行っても くんねえそうじゃ
   中のあんこは ねえそうじゃ     ( 北群馬郡榛東村 )

「 ・・・この歌が『そうじゃそうじゃ』とうたい出すのは、
 『そうだ』が訛ったものとも見られるが、前橋市の町名『総社町』に
 語呂を合わせたものと考えられる。 
 ここには、六百余の神を一ヶ所に集めて祀った総社神社があり、
 郷土を代表する格式ある神社として、・・郷土の誇りともなっている。」
        (p165~166 「日本わらべ歌全集5下 群馬のわらべ歌 )


       そうだそうだ

     そうだそうだ 桑田(そうだ)村の村長さんは
     ソーダ飲んで 死んだそうだ
     葬式まんじゅう ふとかったそうだ
     中には餡が なかったそうだ
     そっと山へ 棄てたそうだ    ( 高知市 )

      ( p266 「日本わらべ歌全集22 徳島高知のわらべ歌」 )



はい。こうした 地口歌を聞くとはなしに、聞き覚えていた者にとって、
山口のわらべ歌は、歌い継がれて幾多の変遷を加える前の、新鮮さを感じました。
ここからならば、意味がすんなりと辿れる。ソーダよりも古い原形を感じました。


          そうだ そうだ

       そうだ そうだ
       そうだ村の 村長さんの
       惣領息子が 死んだそうだ
       葬式まんじゅう 大きいそうだ
       中にはあんこが ないそうだ    ( 山口市 )

       ( p171 「日本わらべ歌全集19下 山口のわらべ歌」 )




こうして、『 そうだ そうだ 』を、引用していても、
各地で、さまざま、微妙な、違いが出てくるのでした。
その全部から引用したくなるのですが、ここは、ほれ、
本の帯にある小島美子さんの文句を引用して終ります。

「 わらべ歌はいつでもどこでも変わる。
  アメーバのように歌詞もメロディーも変わる。
  だからわらべ歌の記録は山のように必要だ。
  この全集はそれにこたえる大きな山になるだろう。 」




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