そうだ。『日本わらべ歌全集』の中から、
『 そうだ。ソーダ 』を目次検索することに。
各冊子目次の「ことば遊び歌」項にありました。
そうだ村の村長さん ( 地口歌 )
そうだ そうだ
そうだ村の村長さんが
ソーダ飲んで 死んだそうだ
葬式まんじゅに あんがなかったそうだ ( 米子市能党 )
【類歌】 そうだ、そうだ、ソーダ屋の宗助さんが、ソーダ飲んで、
死んだそうだ、葬式まんじゅうは、うまかったそうだ。
( 西伯郡淀江町九区 )
( p178 「日本わらべ歌全集20上・鳥取のわらべ歌」 )
こんな感じで、掲載されている県が、あるかどうかと各巻の目次をめくれば、
山形・千葉・愛知・埼玉・岐阜・熊本・愛知・山口
徳島・高知・香川・島根・新潟・茨城・北海道・群馬
と、載っておりました。ここはひとつ私が気になった歌と解説を引用
ソーダ屋の ( 地口歌 )
ソーダ屋の ソーダ爺(じい)が
ソーダ食って 死んだそうだ
葬式ゃ 明日(あした)そうだ ( 人吉市紺屋町 )
「 『地口』とは、ありふれた成語と語呂の合う文句を作って、
これを両様に聞きとらせる≪ しゃれことば ≫である。
この歌は、『 ・・・だそうだ 』と言った者に、
すかさずはやしたてる地口。・・・・ 」
( p156 「日本わらべ歌全集25・熊本宮城のわらべ歌」 )
そうじゃ そうじゃ ( 地口歌 )
そうじゃ そうじゃ
総社(そうじゃ)村の 村長さんが
ソーダ飲んで 死んだそうじゃ
葬式まんじゅう でっけえそうじゃ
おいらが行っても くんねえそうじゃ
中のあんこは ねえそうじゃ ( 北群馬郡榛東村 )
「 ・・・この歌が『そうじゃそうじゃ』とうたい出すのは、
『そうだ』が訛ったものとも見られるが、前橋市の町名『総社町』に
語呂を合わせたものと考えられる。
ここには、六百余の神を一ヶ所に集めて祀った総社神社があり、
郷土を代表する格式ある神社として、・・郷土の誇りともなっている。」
(p165~166 「日本わらべ歌全集5下 群馬のわらべ歌 )
そうだそうだ
そうだそうだ 桑田(そうだ)村の村長さんは
ソーダ飲んで 死んだそうだ
葬式まんじゅう ふとかったそうだ
中には餡が なかったそうだ
そっと山へ 棄てたそうだ ( 高知市 )
( p266 「日本わらべ歌全集22 徳島高知のわらべ歌」 )
はい。こうした 地口歌を聞くとはなしに、聞き覚えていた者にとって、
山口のわらべ歌は、歌い継がれて幾多の変遷を加える前の、新鮮さを感じました。
ここからならば、意味がすんなりと辿れる。ソーダよりも古い原形を感じました。
そうだ そうだ
そうだ そうだ
そうだ村の 村長さんの
惣領息子が 死んだそうだ
葬式まんじゅう 大きいそうだ
中にはあんこが ないそうだ ( 山口市 )
( p171 「日本わらべ歌全集19下 山口のわらべ歌」 )
こうして、『 そうだ そうだ 』を、引用していても、
各地で、さまざま、微妙な、違いが出てくるのでした。
その全部から引用したくなるのですが、ここは、ほれ、
本の帯にある小島美子さんの文句を引用して終ります。
「 わらべ歌はいつでもどこでも変わる。
アメーバのように歌詞もメロディーも変わる。
だからわらべ歌の記録は山のように必要だ。
この全集はそれにこたえる大きな山になるだろう。 」
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