和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

東京と大阪。東京と京都。

2023-02-05 | 地域
はい。杉山平一の詩を読み返していると、
以前は、気がつかなかった詩があったり。
うん。2つの詩を引用してみます。


     美しい大阪    杉山平一

  東京タワーの野暮をきらって
  通天閣と名付ける大阪が好きだ

  桜の宮 桜橋 桜川
  桃谷 梅田 梅ケ枝町に花をかかげ
 
  森の宮 南森町 森小路 諏訪の森
  天神の森にわけ入り
  萩の茶屋 天下茶屋に憩う

  玉造 玉手 玉川町 玉屋町の宝石に
  鶴橋 銀橋 汐見橋 水晶橋に清らな水をねがう

  惜しくも空心町 紅梅町 絹笠町を失くしたが
  なお 夕陽丘 東雲(しののめ)町に空を仰ぐ
  そんな大阪が 好きだ


忘れてたのですが、詩集に、新聞の切抜きをはさんであった。
読売新聞夕刊(2012年7月14日)「追悼抄」。
晩年の杉山氏の椅子に座っている写真があり、
5月19日、肺炎で死去、97歳。とあります。
はい。「追悼抄」からもうすこし引用。

「福島県会津若松市で生まれ、神戸、大阪で育った。
 松江で過ごした旧制高校時代・・・・

 戦後、工場経営の傍ら詩や映画評論を発表したが、
 『四季』の一員だった経歴が災いする。・・・・
 平明な言葉で詠(うた)う詩は評価されなかった。・・・

 『 世界は言葉によって発見される 』が口癖だった。
 散歩で見た光景、新聞の記事、仄聞(そくぶん)した世間話・・。

 何でも題材にした。一編一編が短く、
 東日本大震災が起きた昨春、出版準備をしていたのは、
 ようやく9冊目の詩集だった。・・・・(大阪文化・生活部 浪川知子) 」


      秘密     杉山平一

  東京で好かれる人の
  ベストワンは
  『 竹を割ったような人 』だそうだ

  京都でいちばん嫌われる
  ワーストワンは
  『 竹を割ったような人 』であるらしい

  秘密も嘘も皆無の
  ガランドウで 軽く貧相な人は
  わたしも きらいだ

  秘密も嘘もたっぷり持った人は
  なんだか豊かで
  どっしり 重い

  秘密を七つしか持たず
  嘘もへたな
  貧相な おれだ


はい。杉山平一の詩を2篇。引用しました。

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2 コメント

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大阪 (きさら)
2023-02-05 09:29:20
大阪は近場なのに
通天閣にも ハルカスにも 行ったことがないです。
でも 大阪の悪口より いいことを書いてある方が
なんだか うれしいです~(#^^#)

「桜の宮」の桜は 本当に綺麗ですよ~
こう並べてみれば 情緒ある地名が多いですね。
返信する
おはようございます。 (和田浦海岸)
2023-02-05 09:47:29
おはようございます。きさらさん。
コメントをありがとうございます。

はい。関西詩人の面目躍如ですね。
返信する

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