映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

サイドカーと犬  竹内結子

2011-01-12 17:32:01 | 映画(日本 2000年以降主演女性)
2007年の根岸吉太郎監督竹内結子主演の人情物である。
母親が家出した後、姉弟の面倒を見るために通ってきた父親の知り合いの若い女性と子供とのふれあいを描く。淡々とストーリーは進むが何かじんわりとした余韻を残す。



はじめに不動産会社の営業として働く30になった女性主人公を映す。冴えない毎日を送っているようだ。彼女は弟から結婚披露宴の招待状を受け取る。そのためか不思議な気分になり会社を休む。そして、主人公は20年前の刺激的な夏休みを回想する。

小学4年生の夏休み、父と喧嘩の絶えなかった母が家を出た。その数日後に主人公の家に突然サイクリング自転車に乗ってヨーコさん(竹内結子)がやってくる。食事を作ってくれるそうだ。誰?と思いながら彼女と買い物に出る。ヨーコさんは煙草を吸い、さっぱりとした性格の女性だった。父は中古車を扱う商売をしていた。しかし、盗難車に手を出したり危ない仕事にも手を出していた。主人公には、ヨーコさんとの生活は驚きの連続だった。しかも、ヨーコさんは主人公を子ども扱いすることなく付き合ってくれたが。。。。

子供心は複雑である。何でか知らず、母親が家出する。そのすぐ後に若い女性が家の面倒を見にやってくる。姉弟は一瞬どうしていいのか戸惑う。新しいお母さんならそれはそれでしょうがないといった気にもなる。しかも、父親の仕事も決して順調そうではない。子供心に不安が募る。
そういった心境の中での子供たちのふるまいと親しくなろうとする竹内結子との掛け合いがいい。



末期の今村昌平作品のようなほのぼのとしたムードが映画を支配している。根岸吉太郎監督のやさしいムードづくりが冴えている。末梢神経に触れるような大きなアップダウンはない。でもなぜか心に残る。最終に近い場面で、娘が父親にからむ場面が出てくる。強烈にしんみりしてしまうシーンであった。

テレビ中継では江川投手を映し出し、阪神の岡田との対決との話をしている。単純に考えれば1980年だろう。それなりに時代考証は考えられていると思うが、ちょっと違うかな?と思われることもいくつかある。自分にとっては大学時代真っ最中、そういえばこの映画に出てくる竹内結子にそっくりのおおらかな年上女性に憧れた記憶がよみがえる。髪型がまだキャンパスにいた竹内まりあを連想させた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする