映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

吹けば飛ぶよな男だが 山田洋次

2011-01-15 05:55:17 | 映画(日本 昭和35年~49年)
山田洋次監督による1968年の喜劇である。なべおさみ主演だ。
エキスポ直前の阪神間の雑踏を舞台にくりひろげられるチンピラ男の話
今ひとつではあるが、昭和40年代前半の風俗が懐かしく感じさせる。



チンピラの主人公ことなべおさみは、仲間とともに大阪駅で天草からの家出少女こと緑魔子を誘惑し、山の中でエロフィルムの強姦シーンを撮影しようとする。必死に拒む姿を見かねて、仲間を裏切り、緑魔子と逃走する。
緑魔子をポン引きのおとりに使ったり、ミヤコ蝶々が経営する福原のトルコ風呂に売ったりしますが、なべは次第に惚れていく。ポン引きの客で気のいい中年の高校教師こと有島一郎がなにかと緑魔子の面倒を見てた。しかし、裏切った兄貴分にとうとう見つかり、「指をつめてわびを入れろ」と大騒ぎになる。。。。

山田洋次監督がめずらしく関西に遠征している。当時セクシー女優として売れていた緑魔子を前面に出す。坂の多い神戸の街を中心に映画は展開していく。煙まみれの阪神工場地帯がいかにも雑な雰囲気だ。神戸新開地が場面にでてくる。福原のトルコ風呂はセットでなく、実際のトルコ風呂で撮影されたのであろう。
主人公がいかにもチンピラである。破天荒な動きがアナーキーだ。でも主役張るには役不足だ。
逆に犬塚弘のやくざに迫力を感じる。石橋エータローと安田伸はポン引きの客役でなべに脅される。
植木等が東宝で活躍していた一方でクレージーの面々が地味に松竹で小遣い稼ぎをしていた。

寅さん映画のスタートの時期に山田洋次がどんな喜劇を撮っていたのか見てみたかった。
同じ大阪の万博真っ最中にロケした「家族」のすばらしい出来に比べると
2年前のこの作品の出来はうーんといった感じだ。
コメント
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