山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

八丁峠から黒富士、升形山、そして隠れ家撥岩へ  平成20年10月19日

2008年10月28日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成20年10月19日 天候晴れ

 茅ヶ岳や黒富士周辺の山々はようやく紅葉シーズンを迎えた。昨年何度も足を運んでいるこの山域だが、ほとんどが紅葉の過ぎた晩秋の季節。今年こそは紅葉の見頃時に訪れてみたいと思っていた。今回は節刀ヶ岳でばったり会った富士山大好きなあの方と一緒に出かけた。
 数ヶ月前に腰を痛めたあの方は、長距離の歩行に若干不安があるので今回はマウントピア黒平からのルート(地図にはないが整備された道がある)は避け、最短距離の八丁峠からのルートを行く。早朝の電車を乗り継いでN君、7時15分ごろに甲府駅到着。車で出迎えてそのまま八丁峠に移動。八丁峠からのルートは知る人ぞ知る黒富士、曲岳への最短ルートだ。車が無いと行けないが、ここから黒富士までは1時間とかからずに行ける。曲岳も同様である。紅葉シーズンなので来客も多いかと思いきや、以外にも駐車場に停まっている車は1台もなかった。

    黒富士展望台(岩)から茅ヶ岳、曲岳、そして遠く甲斐駒ケ岳を望む


    本日目指す撥岩を望む。撥岩周辺は紅葉が見頃だが、カラマツの紅葉にはまだ早い。遠くに見えるゴツゴツした山はミズガキ山。

 8時20分、駐車場を出発し、途中であの方のカメラトラブル(充電式電池が歩行中に落下してしまう)があったが、順調に歩き、9時15分、黒富士展望台に到着。茅ヶ岳越しの南アルプス、さらに八ヶ岳、瑞牆山、金峰山の眺望がすばらしい。紅葉にはまだ若干早く、10月下旬から11月中旬ごろが良さそうだ。本日予定している撥岩も谷を隔てた向こう側に見えている。

    黒富士展望台の岩の上に登り、金峰山方面を激写するあの方。


    正体は「望の富士山」の望君でした。お互いのシンボルともいうべき、タオルとバンダナを着けて記念撮影。

 存分に写真を撮って黒富士山頂に行く。ここは周辺の木々が邪魔になって展望はいまひとつ。だが、その先に富士山を見るには良い場所があるのを以前登った時に偶然発見した。そちらに移動してみると、以前より松の木が成長したのか、眺望が悪くなったような気がする。富士山は霞んではいるが雲の上に浮かんでいた。黒富士山頂に戻り、存分に休憩&雑談後、升形山に移動する。八丁峠からの急登りは、草むらをかき分けた踏み跡があるものの、以前に比べるとずいぶん不明瞭になっていた。途中で踏み跡がわからなくなってしまうが、山頂は目の前にあり、進路を左手(西側)にとるとしっかりした登山道があった。黒平ルートへの分岐を示すテープが山腹を巻くように付けられているのが目に入る。10時半、升形山山頂到着。

    升形山から見る黒富士。遠く富士山が霞んで見える。


    升形山から撥岩・金峰山を望む。撥岩までは尾根伝いにすぐだが、途中から道が無い。

 今度は隣に見えるゴツゴツと岩の露出した場所、撥岩に向う。ここから先は昭文社の地図には載っていない道だが、マウントピア黒平の管理人さんがコースを管理しており、不明瞭な場所もあるのだが、きちんとテープや木にペンキサインがつけられている。升形山から巻き道があるが、ここは尾根を直接北東側に下る道(といっても明瞭な道は無い)を行く。笹平(ささっぴら)というクマザサの生えた広場を越えて黒富士峠に到着。西面が開けて八ヶ岳の眺望が良い。南面はカラマツの切れ目から黒富士が格好良く尖って見え、その左手に富士山が並んで見えるのだが、カラマツの枝が邪魔になって富士と黒富士を並べて写真に撮るのは難しい。ここから獣道のような細い踏み跡を辿り、左側にあるピークの山腹を巻いて笹原をかき分けて進むと、笹原が途切れ、小ピークのコルに出る。これを右手に尾根に沿って進むと撥岩に行ける。林業作業用の踏み跡がついてはいるが、基本的に薮道である。

    撥岩から見る黒富士と富士。人が来ない場所なのでひっそり静かに山を楽しめる。私の隠れ家。

 撥岩はいくつか展望の良い岩の上に乗ることができるが、今回行ったのはいちばん上にある岩の上だ。尾根上のうっとうしい枯れ木の枝を折りながら、ほぼ予定通りの12時に到着した。ここから見る黒平の谷の風景は絶景、黒富士と富士が並ぶ景色もすばらしい。人が来ないだけに、私のお気に入りの隠れ家とも言うべき場所だ。望君と一緒にカップラーメンを食べ、ゆっくり楽しんで下山。帰りは黒平峠からまた薮道を林道に直接下りて、林道を歩いて駐車場に戻った。

    観音峠林道周辺の紅葉。もうすぐ最盛期を迎える。

 昨年も全く同じコースを歩いたが、何度歩いても飽きないこの山域。特に撥岩は人が来ないだけに、絶景を独占して静かな時を過ごすことができる。
コメント (8)
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