平成21年10月12日 天候晴れ
前日重い荷物を背負っての南岳稜線歩きは結構疲れた。明日も休みをとってはあるのだが、上高地までの距離(約22km)を歩いて14日(水)から勤務(午前中から手術がある)となると、体力的に厳しいものがある。天気予報では明日も晴れそうなのだが、ここは本日撤退して明日は静養したほうが無難だ。食料が丸1日分余ってしまうので、前日私のテント場の向いにテントを張っていた若者3人組に相談したところ、快く岳ソバ1袋とソバ3束、それとカレーのレトルトパック1パックを引き受けてくれた。下山するならできるだけ荷物を軽くして下りたい。

月光の槍ヶ岳と昇る北斗七星

月の輪と槍ヶ岳
さて、朝は3時に起床して3時半から行動開始した。テントから外に出ると、薄雲が広がり星空はいまひとつだ。オリオン座が南東の空に昇ってきているのが雲間から見える。半月を2日ほど過ぎた月が昇り、ヘッドライト無しでも歩けるくらいに明るい。まず西鎌尾根に向かうところに槍と小槍が見える絶好の展望台があるのでそちらに向かう。小槍の左手にちょうど北斗七星が昇ってきており、月光に照らされた槍ヶ岳の雪が白く光り、神秘的な風景が広がる。薄雲におおわれた月は輪をかぶっていた。

月光に輝く薄明の穂高岳 槍ヶ岳山頂からの風景.ブログの写真では見えないが,奥穂高岳の右上,雲の間にうっすらとカノープスが輝いている.

薄明の常念岳 予想以上に明るく,露出オーバーの写真となる.空にひときわ明るく輝く星は金星.
4時半、いよいよ槍ヶ岳山頂に登る。この時間に登っている変わり者は私一人だった。月明かりに照らされた槍ヶ岳は、ルートを示す矢印が良く見え、難なく登ることができた。20分ほどで山頂に到着し、すぐに気になっていた南の空、穂高岳の上空を見つめる。南中した冬の大三角形を目印に、あの星、そう、この季節になると南の超低空に姿を現すカノープスを探すが、残念ながら低空に薄雲がかかり、肉眼では確認できなかった。カメラでは肉眼で見えない星も捉えることができるので、さっそく三脚を出して撮影にとりかかる。星は見えずとも、薄雪を纏った穂高岳から大喰岳の斜面が月光に照らされて白く光り、隠微な景色が広がっている。後に撮影した写真をプリントしてみると、奥穂高岳山頂のやや右上にうっすらとカノープスが写っており、槍の穂先からこの星が見えることがわかった。

寒いと思ってたくさん着込んでいったが,さほど寒くはなかった.私の持っている温度計では気温-2℃.

朝日射しこむ笠ヶ岳と影槍ヶ岳

白き薬師岳 向うはかなり雪が降ったらしい.

常念岳の上に朝日が昇る

朝日射す穂高岳
20分ほどすると、女性が単独で登ってきた。その後、5時半を過ぎて明るくなってきた頃からちらほらと登ってくる人が増えてきた。山頂は御来光を見る人であふれかえるのかと思っていたが、以外にも日の出の時には10人に満たないほどの人しかいなかった。夜明けとともにしだいに雲が晴れ、富士山も見えるようになってきた。眺望が良いし、山頂は空いていたので下りるのが惜しい気がしたが、本日下山するので、7時に山頂から下り、朝食をとってテント撤収する。

殺生ヒュッテ付近から振り返ってみる槍ヶ岳

槍ヶ岳を開山した上人がこもって念仏を唱えたとされるお洞
8時半、下山開始する。下りは殺生ヒュッテ横のルートを下るが、ジグザグにうまくルートがつけられている。振り返っては槍ヶ岳を眺めて写真をとり、また少し歩いては振り返って・・・槍ヶ岳の眺望をなごり惜しみながら下山する。次はいつ来られるか、全くわからないが、表銀座や裏銀座も歩いてみたい。急ぐことなく、体調を整えるように自分のペースで歩き、午後4時半、無事に上高地に到着した。天候に恵まれ、雪を纏った槍・穂高連峰を見ることができた、素晴らしい3日間だった。

槍沢に注ぐ滝と紅葉 下山しながら再写.
前日重い荷物を背負っての南岳稜線歩きは結構疲れた。明日も休みをとってはあるのだが、上高地までの距離(約22km)を歩いて14日(水)から勤務(午前中から手術がある)となると、体力的に厳しいものがある。天気予報では明日も晴れそうなのだが、ここは本日撤退して明日は静養したほうが無難だ。食料が丸1日分余ってしまうので、前日私のテント場の向いにテントを張っていた若者3人組に相談したところ、快く岳ソバ1袋とソバ3束、それとカレーのレトルトパック1パックを引き受けてくれた。下山するならできるだけ荷物を軽くして下りたい。

月光の槍ヶ岳と昇る北斗七星

月の輪と槍ヶ岳
さて、朝は3時に起床して3時半から行動開始した。テントから外に出ると、薄雲が広がり星空はいまひとつだ。オリオン座が南東の空に昇ってきているのが雲間から見える。半月を2日ほど過ぎた月が昇り、ヘッドライト無しでも歩けるくらいに明るい。まず西鎌尾根に向かうところに槍と小槍が見える絶好の展望台があるのでそちらに向かう。小槍の左手にちょうど北斗七星が昇ってきており、月光に照らされた槍ヶ岳の雪が白く光り、神秘的な風景が広がる。薄雲におおわれた月は輪をかぶっていた。

月光に輝く薄明の穂高岳 槍ヶ岳山頂からの風景.ブログの写真では見えないが,奥穂高岳の右上,雲の間にうっすらとカノープスが輝いている.

薄明の常念岳 予想以上に明るく,露出オーバーの写真となる.空にひときわ明るく輝く星は金星.
4時半、いよいよ槍ヶ岳山頂に登る。この時間に登っている変わり者は私一人だった。月明かりに照らされた槍ヶ岳は、ルートを示す矢印が良く見え、難なく登ることができた。20分ほどで山頂に到着し、すぐに気になっていた南の空、穂高岳の上空を見つめる。南中した冬の大三角形を目印に、あの星、そう、この季節になると南の超低空に姿を現すカノープスを探すが、残念ながら低空に薄雲がかかり、肉眼では確認できなかった。カメラでは肉眼で見えない星も捉えることができるので、さっそく三脚を出して撮影にとりかかる。星は見えずとも、薄雪を纏った穂高岳から大喰岳の斜面が月光に照らされて白く光り、隠微な景色が広がっている。後に撮影した写真をプリントしてみると、奥穂高岳山頂のやや右上にうっすらとカノープスが写っており、槍の穂先からこの星が見えることがわかった。

寒いと思ってたくさん着込んでいったが,さほど寒くはなかった.私の持っている温度計では気温-2℃.

朝日射しこむ笠ヶ岳と影槍ヶ岳

白き薬師岳 向うはかなり雪が降ったらしい.

常念岳の上に朝日が昇る

朝日射す穂高岳
20分ほどすると、女性が単独で登ってきた。その後、5時半を過ぎて明るくなってきた頃からちらほらと登ってくる人が増えてきた。山頂は御来光を見る人であふれかえるのかと思っていたが、以外にも日の出の時には10人に満たないほどの人しかいなかった。夜明けとともにしだいに雲が晴れ、富士山も見えるようになってきた。眺望が良いし、山頂は空いていたので下りるのが惜しい気がしたが、本日下山するので、7時に山頂から下り、朝食をとってテント撤収する。

殺生ヒュッテ付近から振り返ってみる槍ヶ岳

槍ヶ岳を開山した上人がこもって念仏を唱えたとされるお洞
8時半、下山開始する。下りは殺生ヒュッテ横のルートを下るが、ジグザグにうまくルートがつけられている。振り返っては槍ヶ岳を眺めて写真をとり、また少し歩いては振り返って・・・槍ヶ岳の眺望をなごり惜しみながら下山する。次はいつ来られるか、全くわからないが、表銀座や裏銀座も歩いてみたい。急ぐことなく、体調を整えるように自分のペースで歩き、午後4時半、無事に上高地に到着した。天候に恵まれ、雪を纏った槍・穂高連峰を見ることができた、素晴らしい3日間だった。

槍沢に注ぐ滝と紅葉 下山しながら再写.