山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山陰遠征、伯耆大山  平成21年10月1日

2009年10月15日 | 日本百名山
 平成21年10月1日 天候晴れ

 学会で島根県松江市に行く機会があったので、ついでに鳥取の大山(いや、大山に登るついでに学会に参加?)に登って来た。当初は9月29日(火)の夜行バスで米子まで行き、翌日大山登山し、10月1日(木)から学会参加の予定だったのだが、30日は雨の天気予報だ。だとすれば、10月1日朝から登って早めに下山し、午後から参加ということになる。(学会は午後2時から始まる。)バスだと移動が面倒なので、9月30日、車で出発することにした。片道約650kmのロングドライブだ。
 午前8時半、甲府を出発。中央道、東名、中国道、米子道と乗り継いで約8時間かかって大山に到着した。大山寺周辺の駐車場は有料だが、ゲートのところに人はおらず、自由に止められるようだった。1ヶ所、大山夏山登山道下の駐車場は無料と書かれていたので、翌日はそこに車を止めて登ることにする。本日は車内泊、どこに止めるか大山寺周辺をドライブして回るが、霧が深くて眺望が全く利かず、大山を見ながら眠れる場所が見つからない。豪円山というスキー場になっている小高い山が眺望に恵まれていると昭文社地図に書かれていたので、その山の入り口を確認し、その近くの駐車場に車を止め、明日早朝、豪円山から大山の上に昇って来るオリオン座と冬の大三角形を狙うことにする。夜8時には早々に車の中でシュラフを被って寝る。

    大山の上に昇るオリオン座と冬の大三角形


    大山とおおいぬ座シリウス  薄明の時間の青い空が美しい。しかし、この頃からレンズに異変が現れる。


    朝の大山北壁  レンズが結露して画像が白っぽくなってしまう。

 朝3時半起床、4時から豪円山を目指す、といっても20~30分もあれば山頂まで到着できるはずだ。ヘッドライト点けてスキー場の中の林道を行き、途中で左に行く登山道があるのでそこを登る。一応刈り払われてはいるがずいぶんと荒れた道だった。5分ほど登ると草むらに突入、すっかり荒れている。さらに進むと、今度は背丈の1.5倍ほどあるカヤの草むらに突入、もうどこが道だかわからない。朝露に濡れた草むらを歩くため、ズボンも靴も服もびしょ濡れだ。山頂は目の前なので強行突破すると、方位板の立った広い山頂に飛び出した。しかし、残念ながら山頂周辺の高い木々に阻まれて大山は一部しか見えず、撮影はあきらめる。登って来た方向と反対側を見ると広い道が続いていた。おそらくは林道に続く道だろう。そちらに歩いて行くと、そのまま林道につながっていた。先ほどのヤブコギの苦労は何だったのだろう。下りて行くと途中に大山の眺望が良い小高い丘があった。時間は4時50分、山梨だとそろそろ朝焼けが始まる時間だが、西日本なので夜明けが遅く、暗い空の中にオリオン座が燦々と輝いていた。ここでようやく三脚を立てて撮影できた。日の出過ぎまで粘って朝日射す大山北壁を捉えたかったのだが、朝露と朝靄でレンズが結露し、何度拭き取っても画像が白くボケてしまう。どうやらフィルターではなく、内部のレンズが結露してしまったらしい。6時過ぎ、大山に陽が差し込む前にあきらめて撤収し、車に戻る。

    大山夏山登山道入り口


    夏山登山道沿いにある金色堂(だったかな?名前が間違っているかも。)


    美しいブナ林の中を整備された木の階段道が続く

 車内で朝食をとり、7時、前日見ておいた夏山登山道入り口近くの駐車場に移動する。既に4~5台の車が止まっていた。7時15分、大山向けて出発する。最初はセメントで固められた道、その先は木の階段で作られた道、整備の行き届いた道が続く。中腹のブナ林は植林などの手が入っていない自然のままの姿で保存されていて見事だった。レンズの調子が思わしくなく、覗いてみると内部レンズの1枚が完全に結露してしまっている。これでは使い物にならない。残っているのは星空撮影用の15mm fisheyeだけだ。止むなし、そちらに付け替えて撮影する。

    5合目の元谷方面分岐。道標や案内板が随所に整備されている。


    大山の案内板。fisheyeの画像なのでフレームが歪んでいる。

 6合目避難小屋を過ぎたあたりから傾斜がややきつくなるが、相変わらず階段状に整備された良い道が続いている。山は色付き始めてはいるが、紅葉にはまだ3~4週間ほど早そうだ。8合目を過ぎ、頂上部の傾斜が緩くなったあたりからは木道になり、あたりにはハイマツのような低木が一面に生えている。大山特有のキャラボク林だ。木道は登山者からキャラボクの林を守るために設けられたものだ。

    8合目上のキャラボク林


    キャラボクの木と赤い実


    大山弥山山頂から見る最高点の剣ヶ峰  稜線上は崩落著しく、通行禁止になっている。(15mm fisheye画像)


    島根半島と三保湾の眺望(15mm fisheye画像)




    同、17-55mmレンズ、PLフィルター画像

 山頂直下には立派な大山山頂避難小屋が立ち、そのすぐ向うが大山山頂(弥山山頂)だ。10時半に山頂に到着した。最高点は剣ヶ峰で、その先に見えるのだが、頂上稜線の崩落が著しく、現在通行止めになっている。しかし、何人か縦走している人も見かけた。結露したレンズはまだ使えないが、天気が良かったので日の当たる場所に出して乾かしておいたところ、約40分で復活した。周辺が歪むfisheyeよりも自然に写り、PLフィルターもバッチリ効く。おかげで山頂ですっかりのんびりとしてしまい、下山開始は11時半になってしまった。

    元谷と避難小屋


    元谷から見る大山北壁

 下りは5合目から右に曲がって元谷から大山北壁を眺め、大神山神社奥宮を回り、大山寺に下山した。ここの参道は日本一長い石畳の道だそうで、歴史を感じるしっとりした味わいのある道だった。

    大神山神社奥宮


    奥宮に続く石畳の道

 予定より2時間近く遅れてしまったが、午後2時に下山、汗臭い体はウェットティシューでとりあえず拭き、ワイシャツとネクタイ姿に変身して学会場へ急いだ。聞きたかったシンポジウムには余裕で間に合ったのだが、英語講演は何を言っているのかさっぱりわからず、すっかり夢心地だった。(翌日は朝から真面目に学会参加しました。)
コメント (2)
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