山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

東北被災地巡礼Ⅲ③  平成24年3月30日-4月1日

2012年04月12日 | 南アルプス
 平成24年4月1日(3日目)

 宿泊地の仙台から海沿いを南下して福島県に入り相馬市(できれば南相馬まで)を視察してから甲府に戻る予定で、9時過ぎホテルを出発した。高速道路を走る予定だったが、カーナビの設定を間違え、そのうえ道を間違えて一般道を走ることになってしまう。亘理町に後輩が内科乳腺クリニックを開業しており、日曜日は休みなのを承知で建物だけ見学させていただいた。クリニックは国道沿いにあるが、海からやや離れた高台にあり、津波の被害は無かったという。しかし、仙台にある彼のマンションは水につかり、家具は全て使えなくなったという。震災当日は停電となり、帰宅できずにクリニックの2階で毛布にくるまり、非常用のパンを食べてしのいだと後に手紙をいただいた。



    津波で木の枝にひっかかったゴミと壊れた家。


    相馬市の手前、国道沿いにあった災害廃棄物置場。「仮置場」とは書かれているが、いつになったら片付くのだろうか?


    木と金属などのがれきが混じり合った災害廃棄物。処理が相当大変そうだ。中には明らかに故意に捨てた産業廃棄物が混ざっているのは悲しい。


    壊れた学校の建物と案内標柱。


    2階まで津波が達していたと思われる。窓ガラスが粉々。


    学校の前から見る海側の景色。すぐ向こうに海が広がる。


    墓石はほとんどが倒れたままだ。ご家族は生存されているのだろうか?

 カーナビの地図を見ながら、国道を逸れてできるだけ海沿いの道を行くが、相馬市の手前で道が壊れており、国道に戻らざるを得ない場所があった。再び海沿いの道に戻ると、前方に大きな煙突が見えてきた。横を通り過ぎてみると、相馬火力発電所だった。福島原子力発電所があの状態なので、おそらくフル稼働なのだろう。その周辺の住宅街は壊滅的な被害を受けており、名取や仙台空港周辺、石巻などと同じく土台しか残されていなかった。


    相馬火力発電所とその周辺の住宅街。


    壊れた家。


    港近くの道路看板は下の部分が曲がってしまっている。


    相馬市の港近くの住宅街。ここはまだ整地されていない。

 相馬市で時間は午後1時を過ぎてしまい、ここまでで視察を止め帰路につく。福島西インターまで山を越えて1時間少々、さらに東北道をひた走り、渋滞に巻き込まれつつも甲府には9時半に到着した。
 まだまだ復興どころか、後片付けすらできていない東北の被災地。行政の立ち遅れは言われているが、がれきの処理に対する被災地以外の地域の理解も少ないように感じる。もちろん、復興のための予算も無いだろうし、増税は止むを得ないのではないかと、被災地巡礼のたびに思ってしまう。山梨県ももっと積極的に支援して良いのではないだろうか。いつ大震災に見舞われるかわからないし、次に支援を受けるのは山梨県かもしれないのだから。
 
コメント
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