予想されていた光度よりも2等級ほど暗く推移しているアイソン彗星。予定では今頃肉眼でも確認できるくらいまで明るくなっているはずだったのだが、未だ5等から6等級の明るさで、性能の良い双眼鏡でなければ見えない明るさだ。しかし、200㎜以上のズームレンズを使えばもう撮影可能な光度になっているはずだ。赤道儀で追尾せずに風景を含めて1カットに収めたい。富士山頂を舞うアイソン彗星を捉えるため、アストロガイドとカシミール3Dの2つのソフトを使って彗星軌道と通過時間を綿密に計算する。その結果、11月16日(土)未明4時、毛無山地蔵峠で富士山剣ヶ峰付近、翌17日(日)は毛無山山頂付近で同時刻に山頂やや右寄りを通過することがわかった。天気予報では16日は晴れ、17日は午後から崩れそうな微妙な予報だ。テント泊で3日間入山していれば2度楽しめるわけだが、どうしてもやらなければならない仕事が入ってしまったため難しくなってしまった。そこで、勝手知ったる毛無山、深夜から登って撮影することにした。好条件となる16日の未明を狙って、毛無山地蔵峠に向かう。
夕方7時半に寝て11時半に起床。夕食を食べて深夜12時に自宅を出発する。コンビニに寄ったり、ガソリンを積んだりとやっているとあっという間に時間は過ぎ、麓の毛無山駐車場到着は深夜1時半になってしまう。1時50分出発、地蔵峠までは昼間で2時間ほどの行程、さらに展望台まで10分かかるので、時間的にかなり厳しい。渡渉が4回ほどあるので足元に十分注意しながら夜道を急ぐ。水場のある場所まで休憩せずに歩き、1時間半で到着。小休憩しその先の急登を息咳切って登り、1時間55分で地蔵峠に到着した。展望台には4時5分前に着き、ギリギリ時間に間に合った。沈みかけた月に照らされた富士山が肉眼で確認できる。まずは17‐55㎜広角レンズで3カット撮影、まだ彗星は登っていなそうだ。70-300㎜ズームレンズに変えて最大300㎜で富士山頂を撮影してみると、2カット目で剣ヶ峰の左脇に緑色の光が写る。さらにもう1カット、今度は明らかに緑色の光、尾はあまり伸びていないように見えるが、明らかに彗星だ。5秒以上の露出をかけると星が流れて写ってしまうため、Iso感度とシャッタースピードを変えながらひたすら撮る。
地蔵峠から見る夜富士
剣ヶ峰に緑色の光が現れる。
剣ヶ峰に昇るアイソン彗星
まだ尾はあまり成長していないように見える。
どんどん富士山から離れて行く。ズームを変えて撮影。
そろそろ月が沈んだ頃か?富士山が暗くなる。
富士山の脇にもうひとつの光が現れる。おとめ座のスピカ、1等星。
おとめ座スピカとアイソン彗星
ズームレンズでは追えない位置まで彗星は富士山から離れてしまい、広角レンズに変更する。こちらのレンズは星空撮影のために購入した全域F2.8の明るいレンズで、こちらのほうが星は明るく写ってくれる。彗星は小さくなってしまうが、こちらのレンズのほうが彗星の尾は良く写るように思える。
広角17㎜で撮影。うっすら彗星と尾が見える。
ズームをかける。うっすらと彗星の尾が延びる。
5時15分、薄明が始まる。彗星は次第に夜明けの空に消えて行く。
南西側の空に輝いていた木星(いちばん上)と冬の大三角形・オリオン座
5時35分、彗星はもう見えない。
彗星が見えなくなったところで撮影を止めて撮影危惧を片付ける。毛無山山頂は踏まないつもりだったのだがまだ時間は十分にあるので、山頂を目指すことにする。地蔵峠展望台からさらに20分ほど登ったところにもう1ヶ所の展望台がある。そちらまで登って日の出を迎える。6時32分、富士山の中腹から朝日が昇る。
地蔵峠から20分ほど登ったところにあるもうひとつの展望台。岩の上に三脚を立てて撮影。
富士山の中腹からオレンジ色の朝日が昇る。
山上はもう冬の様相。眼下には身延の町をおおう霧、その向こうには真っ白に雪化粧した南アルプスが見える。
雪の残る毛無山稜線。
アルプス展望台から見る雪化粧した南アルプス連邦。
霜の降りた毛無山山頂
急登の登山道を登ると傾斜が緩くなり、さらに山頂を目指して道を進むと25分ほどで麓との合流点に到着する。稜線は数日前に降ったと思われる雪がところどころ残っていた。アルプス展望台に立ち寄って真っ白に雪化粧した南アルプス連山を堪能した後、毛無山山頂には7時50分到着した。すっきり見えていると思っていた富士山だが、なんとなくモヤがかかって霞んで見える。朝食をとって休憩する。
毛無山山頂から見る富士山。なんとなく霞んでいる。
山頂の標柱と富士山
8時30分、まだ誰も登り着いて来ない時間に下山開始する。8合目あたりから続々と登山者とすれ違う。そして7合目下あたりでミスター毛無山さん、ことK田さんが若者2人を引き連れて登って来た。どうやら駐車場で出会った若者のガイドをしながら登って来たようだ。ジョウロウホトトギスの時は大変お世話になり、クサノオウバノギクもこの方と出会わなかったら見つけることはできなかった。凄い人と知り合いになることができて、本当に幸運である。
8合目上の展望台から見る富士山
5合目下のレスキューポイントから見る林越しの富士山。雲が巻き始めた。
晩秋の不動の滝
5合目下のレスキューポイントと不動の滝展望台で休憩した他はひたすら下り、約2時間で駐車場に到着した。
なかなか光度が上がらず、撮影のテンションもモチベーションもなかなか上がらなかったが、とりあえず撮れることは確認できた。ようやくスイッチが入った気分である。これから太陽に向かってどんどん高度を下げるとともに光度を上げるであろうアイソン彗星。今後の変化に期待する。
偶然写った獅子座流星群とのコラボ
夕方7時半に寝て11時半に起床。夕食を食べて深夜12時に自宅を出発する。コンビニに寄ったり、ガソリンを積んだりとやっているとあっという間に時間は過ぎ、麓の毛無山駐車場到着は深夜1時半になってしまう。1時50分出発、地蔵峠までは昼間で2時間ほどの行程、さらに展望台まで10分かかるので、時間的にかなり厳しい。渡渉が4回ほどあるので足元に十分注意しながら夜道を急ぐ。水場のある場所まで休憩せずに歩き、1時間半で到着。小休憩しその先の急登を息咳切って登り、1時間55分で地蔵峠に到着した。展望台には4時5分前に着き、ギリギリ時間に間に合った。沈みかけた月に照らされた富士山が肉眼で確認できる。まずは17‐55㎜広角レンズで3カット撮影、まだ彗星は登っていなそうだ。70-300㎜ズームレンズに変えて最大300㎜で富士山頂を撮影してみると、2カット目で剣ヶ峰の左脇に緑色の光が写る。さらにもう1カット、今度は明らかに緑色の光、尾はあまり伸びていないように見えるが、明らかに彗星だ。5秒以上の露出をかけると星が流れて写ってしまうため、Iso感度とシャッタースピードを変えながらひたすら撮る。
地蔵峠から見る夜富士
剣ヶ峰に緑色の光が現れる。
剣ヶ峰に昇るアイソン彗星
まだ尾はあまり成長していないように見える。
どんどん富士山から離れて行く。ズームを変えて撮影。
そろそろ月が沈んだ頃か?富士山が暗くなる。
富士山の脇にもうひとつの光が現れる。おとめ座のスピカ、1等星。
おとめ座スピカとアイソン彗星
ズームレンズでは追えない位置まで彗星は富士山から離れてしまい、広角レンズに変更する。こちらのレンズは星空撮影のために購入した全域F2.8の明るいレンズで、こちらのほうが星は明るく写ってくれる。彗星は小さくなってしまうが、こちらのレンズのほうが彗星の尾は良く写るように思える。
広角17㎜で撮影。うっすら彗星と尾が見える。
ズームをかける。うっすらと彗星の尾が延びる。
5時15分、薄明が始まる。彗星は次第に夜明けの空に消えて行く。
南西側の空に輝いていた木星(いちばん上)と冬の大三角形・オリオン座
5時35分、彗星はもう見えない。
彗星が見えなくなったところで撮影を止めて撮影危惧を片付ける。毛無山山頂は踏まないつもりだったのだがまだ時間は十分にあるので、山頂を目指すことにする。地蔵峠展望台からさらに20分ほど登ったところにもう1ヶ所の展望台がある。そちらまで登って日の出を迎える。6時32分、富士山の中腹から朝日が昇る。
地蔵峠から20分ほど登ったところにあるもうひとつの展望台。岩の上に三脚を立てて撮影。
富士山の中腹からオレンジ色の朝日が昇る。
山上はもう冬の様相。眼下には身延の町をおおう霧、その向こうには真っ白に雪化粧した南アルプスが見える。
雪の残る毛無山稜線。
アルプス展望台から見る雪化粧した南アルプス連邦。
霜の降りた毛無山山頂
急登の登山道を登ると傾斜が緩くなり、さらに山頂を目指して道を進むと25分ほどで麓との合流点に到着する。稜線は数日前に降ったと思われる雪がところどころ残っていた。アルプス展望台に立ち寄って真っ白に雪化粧した南アルプス連山を堪能した後、毛無山山頂には7時50分到着した。すっきり見えていると思っていた富士山だが、なんとなくモヤがかかって霞んで見える。朝食をとって休憩する。
毛無山山頂から見る富士山。なんとなく霞んでいる。
山頂の標柱と富士山
8時30分、まだ誰も登り着いて来ない時間に下山開始する。8合目あたりから続々と登山者とすれ違う。そして7合目下あたりでミスター毛無山さん、ことK田さんが若者2人を引き連れて登って来た。どうやら駐車場で出会った若者のガイドをしながら登って来たようだ。ジョウロウホトトギスの時は大変お世話になり、クサノオウバノギクもこの方と出会わなかったら見つけることはできなかった。凄い人と知り合いになることができて、本当に幸運である。
8合目上の展望台から見る富士山
5合目下のレスキューポイントから見る林越しの富士山。雲が巻き始めた。
晩秋の不動の滝
5合目下のレスキューポイントと不動の滝展望台で休憩した他はひたすら下り、約2時間で駐車場に到着した。
なかなか光度が上がらず、撮影のテンションもモチベーションもなかなか上がらなかったが、とりあえず撮れることは確認できた。ようやくスイッチが入った気分である。これから太陽に向かってどんどん高度を下げるとともに光度を上げるであろうアイソン彗星。今後の変化に期待する。
偶然写った獅子座流星群とのコラボ