12月6日夕方5時半に貫ヶ岳晴海展望台に到着したまでは良いが、富士山は低空に出た霞の中に大部分が埋もれている。肝心の山頂周辺の空も霞んでいて星は鮮明に見えてくれない。ラブジョイ彗星が富士山頂に昇ってくる未明2時半頃、果たして空は晴れてくれるのだろうか?
シュラフを持ってきたペットボトルの破損で濡らしてしまうというトラブルがあったが、カッパを着て寝たおかげで冷たさを感じること無くぐっすりと眠れた。未明2時、セットした携帯電話のアラームで目が覚める。テントの外に出てみると、北斗七星がひしゃくの部分を真上に持ち上げて富士山の上に昇っていた。まだ彗星は現れていないようだ。三脚とカメラをセットして撮影を開始する。
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富士山の上に昇った北斗七星
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上空は晴れたが富士山周辺はまだ霞が残る。富士山の右裾に輝く星は牛飼い座アルクトゥールス。
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西の空に傾いたオリオン座と冬の大三角形、そして木星。
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霞む富士山。果たしてラブジョイ彗星は現れるのか?
200mmズ-ムレンズに変えて富士山山頂付近に照準を合わせて撮影を繰り返す。計算が合っていれば山頂真ん中あたりに現れるはず。肉眼で見るのは困難なので撮影してモニターで確認してを繰り返していると、ほぼ計算通りの位置に突然ぼんやりとした薄緑色の光が現れた。ラブジョイ彗星だ。しかし、霞の中に埋もれてぼんやりとした光だけ、彗星の尾は写らない。
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200mmズームレンズに変えて富士山頂を撮影。まだ彗星は現れていない。
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山頂の右寄りのところに淡い緑色の光。ラブジョイ彗星登場。
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霞の中に埋もれて彗星の尾は写ってくれない。
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高度を上げて富士山から離れて行くラブジョイ彗星
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同上
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ようやく少しだけ彗星の尾が見えるが、これ以上は200mmレンズの視野に入らない。
なんとか写ってはくれたが、空の透明度が悪いために画像はノイズが多くて彗星の尾はいまいち写ってくれなかった。あまり見せられるような画像にはならず、残念な結果に終わる。
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レンズを変えて追うが、やはり写りはいまいち。
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このあたりまで昇るとようやくまともに移り出す。
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霞を抜けたあたりで200mmレンズで再写。富士山山頂付近でこのくらい写ってくれると絵になるのだが・・・。
時間は未明4時になった。まだ日の出までには時間があるのでテントに入り、シュラフに潜り込んでもう一度寝る。そして目を覚ましたのは午前6時、あたりが明るくなってもうヘッドライト無しでも大丈夫な時間となった。テントの外に出ると、水平線がオレンジ色に染まっていた。夜明けの美しい景色を楽しみながら、そのまま日の出を迎える。
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薄明の富士山
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日の出
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夜明けの富士山
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晴海展望台から見る朝富士
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200mmレンズで捉えた朝富士。やはり霞んでいる。
日の出を迎えたところでテントに戻り、朝食をとる。早朝にここまで登ってくる登山者はいないと思うが、もしもやって来るとテントが邪魔になってしまうのでテントを撤収する。そして撮影機材と水だけザックに入れて、8時頃貫ヶ岳山頂に向けて出発する。この山に登ったのはもう8年も前のことで、記憶が薄くコース状況などほとんど覚えていない。貫ヶ岳山頂は晴海展望台よりも若干標高が低く、標高差で100m近くぐっと下ってまた登り返すが、途中の中沢集落からの合流点は見覚えがあった。30分ほどで貫ヶ岳山頂に到着する。
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向かいに見える貫ヶ岳は少し見下ろすような感じ。
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貫ヶ岳山頂への檜樹林帯の登リ。
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貫ヶ岳山頂。草むらは綺麗に狩り払われていた。
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8年前に来た時は富士山山頂が見えたが、木が伸びて今では枝の向こうに透かして見える。夏場はおそらく見えないだろう。
30分ほど貫ヶ岳山頂で過ごし、晴海展望台に戻る。青空が広がり、富士山の霞も次第に晴れてきたように見える。置いていった荷物をザックの中に詰め込んで下山する。この山に来たのはもうひとつ目的があって、来年1月、富士山世界遺産登録を記念して商工会連合会が主管となって山梨県・静岡県合同の食料品物産展を銀座松屋で開催することになっている。その際に、山梨・静岡県境の富士山の写真を展示したいという依頼を受けていた。毛無山塊と笊ヶ岳の画像は準備できたが、この南部町界隈の山は全く良い画像が撮れておらず、再写に行きたいと思っていたところだった。山頂付近の霞がだいぶとれて、なんとか人に見せられるくらいの富士山画像を撮ることができた。
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再び晴海展望台。富士山の霞がだいぶ取れ、良い感じの雲が巻き出した。
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PLフィルターを効かせて、晴海展望台からの富士山。山梨百名山最高峰の富士山と最低峰の白鳥山(右下)が一緒に写せるのがこの山の特徴。
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こちらは十国展望台。こちらは山梨・静岡県境から数分だけ山梨側に寄ったところに位置する。
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十国展望台から見る富士山と白鳥山
日が昇るとあっと言う間に気温が上がり、歩くと少し汗ばむほどになる。樽峠で一休みして順調に下山し、11時半樽峠登山口の駐車場に到着。車が1台止まっていたが貫ヶ岳では誰にも会わず、おそらくは高ドッキョウ方面への登山者だろう。
今回のラブジョイ彗星はとりあえずは写ったというレベルで、とても人に見せられるようなものではなかった。この彗星は近日点通過が2月なのでまだしばらくは楽しむことが出来る。まだまだ撮影のチャンスはあるので、スケジジュール、天候、撮影場所、そして月の位置を見合わせながら、納得の行く画像が撮れるまで挑戦してみたいと思う。
シュラフを持ってきたペットボトルの破損で濡らしてしまうというトラブルがあったが、カッパを着て寝たおかげで冷たさを感じること無くぐっすりと眠れた。未明2時、セットした携帯電話のアラームで目が覚める。テントの外に出てみると、北斗七星がひしゃくの部分を真上に持ち上げて富士山の上に昇っていた。まだ彗星は現れていないようだ。三脚とカメラをセットして撮影を開始する。
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富士山の上に昇った北斗七星
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上空は晴れたが富士山周辺はまだ霞が残る。富士山の右裾に輝く星は牛飼い座アルクトゥールス。
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西の空に傾いたオリオン座と冬の大三角形、そして木星。
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霞む富士山。果たしてラブジョイ彗星は現れるのか?
200mmズ-ムレンズに変えて富士山山頂付近に照準を合わせて撮影を繰り返す。計算が合っていれば山頂真ん中あたりに現れるはず。肉眼で見るのは困難なので撮影してモニターで確認してを繰り返していると、ほぼ計算通りの位置に突然ぼんやりとした薄緑色の光が現れた。ラブジョイ彗星だ。しかし、霞の中に埋もれてぼんやりとした光だけ、彗星の尾は写らない。
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200mmズームレンズに変えて富士山頂を撮影。まだ彗星は現れていない。
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山頂の右寄りのところに淡い緑色の光。ラブジョイ彗星登場。
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霞の中に埋もれて彗星の尾は写ってくれない。
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高度を上げて富士山から離れて行くラブジョイ彗星
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同上
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ようやく少しだけ彗星の尾が見えるが、これ以上は200mmレンズの視野に入らない。
なんとか写ってはくれたが、空の透明度が悪いために画像はノイズが多くて彗星の尾はいまいち写ってくれなかった。あまり見せられるような画像にはならず、残念な結果に終わる。
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レンズを変えて追うが、やはり写りはいまいち。
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このあたりまで昇るとようやくまともに移り出す。
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霞を抜けたあたりで200mmレンズで再写。富士山山頂付近でこのくらい写ってくれると絵になるのだが・・・。
時間は未明4時になった。まだ日の出までには時間があるのでテントに入り、シュラフに潜り込んでもう一度寝る。そして目を覚ましたのは午前6時、あたりが明るくなってもうヘッドライト無しでも大丈夫な時間となった。テントの外に出ると、水平線がオレンジ色に染まっていた。夜明けの美しい景色を楽しみながら、そのまま日の出を迎える。
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薄明の富士山
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日の出
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夜明けの富士山
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晴海展望台から見る朝富士
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200mmレンズで捉えた朝富士。やはり霞んでいる。
日の出を迎えたところでテントに戻り、朝食をとる。早朝にここまで登ってくる登山者はいないと思うが、もしもやって来るとテントが邪魔になってしまうのでテントを撤収する。そして撮影機材と水だけザックに入れて、8時頃貫ヶ岳山頂に向けて出発する。この山に登ったのはもう8年も前のことで、記憶が薄くコース状況などほとんど覚えていない。貫ヶ岳山頂は晴海展望台よりも若干標高が低く、標高差で100m近くぐっと下ってまた登り返すが、途中の中沢集落からの合流点は見覚えがあった。30分ほどで貫ヶ岳山頂に到着する。
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向かいに見える貫ヶ岳は少し見下ろすような感じ。
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貫ヶ岳山頂への檜樹林帯の登リ。
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貫ヶ岳山頂。草むらは綺麗に狩り払われていた。
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8年前に来た時は富士山山頂が見えたが、木が伸びて今では枝の向こうに透かして見える。夏場はおそらく見えないだろう。
30分ほど貫ヶ岳山頂で過ごし、晴海展望台に戻る。青空が広がり、富士山の霞も次第に晴れてきたように見える。置いていった荷物をザックの中に詰め込んで下山する。この山に来たのはもうひとつ目的があって、来年1月、富士山世界遺産登録を記念して商工会連合会が主管となって山梨県・静岡県合同の食料品物産展を銀座松屋で開催することになっている。その際に、山梨・静岡県境の富士山の写真を展示したいという依頼を受けていた。毛無山塊と笊ヶ岳の画像は準備できたが、この南部町界隈の山は全く良い画像が撮れておらず、再写に行きたいと思っていたところだった。山頂付近の霞がだいぶとれて、なんとか人に見せられるくらいの富士山画像を撮ることができた。
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再び晴海展望台。富士山の霞がだいぶ取れ、良い感じの雲が巻き出した。
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PLフィルターを効かせて、晴海展望台からの富士山。山梨百名山最高峰の富士山と最低峰の白鳥山(右下)が一緒に写せるのがこの山の特徴。
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こちらは十国展望台。こちらは山梨・静岡県境から数分だけ山梨側に寄ったところに位置する。
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十国展望台から見る富士山と白鳥山
日が昇るとあっと言う間に気温が上がり、歩くと少し汗ばむほどになる。樽峠で一休みして順調に下山し、11時半樽峠登山口の駐車場に到着。車が1台止まっていたが貫ヶ岳では誰にも会わず、おそらくは高ドッキョウ方面への登山者だろう。
今回のラブジョイ彗星はとりあえずは写ったというレベルで、とても人に見せられるようなものではなかった。この彗星は近日点通過が2月なのでまだしばらくは楽しむことが出来る。まだまだ撮影のチャンスはあるので、スケジジュール、天候、撮影場所、そして月の位置を見合わせながら、納得の行く画像が撮れるまで挑戦してみたいと思う。