山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

霧氷の進藤峠と黒岳  平成26年1月19日

2014年01月20日 | 山梨百名山
 前日の夕方見た三つ峠ライブカメラでは,三つ峠は真っ白な霧が巻いていた.強い寒波が押し寄せている影響でかなりの冷え込みが予想される.朝にはきっと霧氷が出来ているに違いない.狙い目のこの日,御坂山塊から富士山を狙ってみることに決めていたが,どこに行くか?三つ峠は狙い目ではあるがおそらく人がいっぱいだろう.ならば,ホームグラウンドの黒岳に行ってみることにする.新道峠への林道が冬季閉鎖されているこの季節はカメラマンが少なく心置きなく撮影が楽しめる.

 まだ薄暗い朝6時に自宅出発し,芦川すずらんの森に至る林道に入ると雪が積もっていた.先行した車のタイヤ跡があり,先に進むと釈迦ヶ岳登山口の手前で軽の4輪駆動車が立ち往生していた.道が広い場所だったので脇を通り過ぎて通過すると,今度は自分の車がスリップして道を進めない.薄雪の下の道がアイスバーンになっていて緩い坂なのに上れないのだ.バックしながらアイスバーンのわだちから抜け出そうとしたのだが,ハンドルを切ってもスリップしてそのまま真っ直ぐ下がってしまう.30mほど後戻りしたところでようやく脱出できた.さて,どうするか?広い路肩に車を止めて釈迦ヶ岳という手も考えたが,アイスバーンのわだちを踏まずに路肩に近いところを加速して通過すると,なんとか通過できた.どこまで行けるのか?停車してしまうともう発進出来なくなりそうなので,止まらずにそのまま進むとなんとかすずらんの森の広い駐車場までたどり着くことができた.その先の林道はアイスバーンでは無くて普通の雪だったので,新道峠林道ゲートの近くまで進んで手前の広場に車を止めた.既に時間は8時近い.

 ゲート脇を通過して新道峠に向かう.1時間弱かかるので,もはや日は高く昇り始めている頃だろう.気温は氷点下10℃まで冷え込んでおり,頬に当たる空気がピリピリと冷たい.見上げる稜線の上は朝日を浴びて白っぽく光っており,どうやら予想通り霧氷が広がっているようだ.

    新道峠林道ゲート手前の道.


    新道峠の駐車場.トレースはしっかりあるが,新しい足跡は無し.


    新道峠から見る八ヶ岳(左)と奥秩父山塊(右)を従えた釈迦ヶ岳

 1時間弱で新道峠に到着した.期待していた通り,霧氷の景色が広がっていた.すっきりとした富士山が目の前に聳え立つ.新しい踏み跡は無く,どうやら私が本日初の訪問者らしい.誰もいない新道峠を独占,存分に写真を撮らせてもらった.


    霧氷の新道峠と富士山


    同上


    新道峠第1展望台から見る富士山


    青空に広がる霧氷


    新道峠第2展望台


    第2展望台のシンボルツリーと富士山


    シンボルツリーは残念ながら霧氷になっていなかった.


    十二ヶ岳方面を望む


    日の位置はもう高い.

 1時間ほど新道峠の景色を楽しみ,黒岳に向かう.トレースはあるが,ところどころ風でかき消されている.そんな場所でも雪は脛のあたりまで,ラッセルというほどではない快適な雪道歩きだ.黒岳への最後の登りにさしかかったところで,下山のことを考えてアイゼンを装着.山頂まで新しい踏み跡は無かったが,山頂に到着すると御坂天下茶屋からの登山者と思われる単独登山者の足跡がついていた.

    破風山


    トレースのかき消された稜線に木の陰が伸びる.


    山頂直下.夏はお花畑になっている場所だが,冬は雪原に立ち並ぶブナの木が美しい.


    ブナの森の向こうに立つ富士山


    黒岳山頂.新しい足跡がひとつだけあった.


    黒岳展望台からの富士山.風に煽られてこちらの霧氷はもう終わってしまったようだ.

 山頂の展望台で昼食をとり,30分ほど休憩する.間もなく単独登山者が一人二人とやって来る.展望台をあとにして山頂に行くと,7~8人の団体登山者がやって来たところだった.ほとんどが中高年者,ほとんどが天下茶屋からの登山者だった.北側のどんべい峠に下りるルートを一気に下る.こちら側はやや雪が深く,ところどころ膝下くらいまでの積雪があったが,柔らかい雪できわめて快適.1時間ほどで駐車場に到着した.


 冬の御坂山塊は今回のように霧氷の景色と冬富士が楽しめる日が数回訪れる.1日で終わってしまう景色だけに,なかなか週末にうまく当たってくれない.前日や当日に行く先を決めて行けるのは地元ならではの利であろう.



コメント (4)
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